米国ハンバーガー店の「顔認証」にみる「螺旋的な発展」

● 米バーガーチェーンが顔認証対応のAIキオスク「FACE」を導入

2017年12月23日のbouncyニュースに表記の記事が掲載されていました。

https://bouncy.news/6924
(引用は「」でくくります。 改行は筆者挿入、以下同様)

「中国のKFCに世界初の顔認証決済「Smile to Pay」が登場したことに続き、アメリカのハンバーガーチェーン”CaliBurger”も、顔認証決済対応のAI搭載キオスク「FACE」の導入を発表した。
(中略)
顔認証で決済できるだけが「FACE」の特徴ではない。搭載された人工知能は顧客の購入履歴を分析し、お気に入りメニューの組み合わせを提示するという。子どもが口々に食べたいものを叫んで注文が大変……。といった状況も、スマートに解決する機能を備えている。」

決済だけでなく、顧客の購買履歴に合わせてカスタマイズされたメニューの提案など、チェーン店での顧客満足度向上と省力化に威力を発揮しそうですね。

現在は、カリフォルニア州の1店舗のみ試験導入されているようですが、今後は同社だけでなく、他のチェーン店や業界にも広がっていくかと想像されます。

 

● 物事は「螺旋的に」進化する

上記の記事を見て、私が思い出したのが、
「使える弁証法」(2005/11/25田坂 広志 (著) )
http://amzn.to/2COncNm
の主題である、
「物事は螺旋的に発展する」というものです。

螺旋的な発展について、著者は「進歩・発展」と「復活・復古」が同時に起き
「原点回帰」により懐かしいものが、新技術や新ビジネスモデルによって「便利になって」復活する
今あるものが残りつつも、新技術などによって「より便利になっていく」

という2つの形態を取っていくと述べています。

同書では事例の一つとして
昔からの商売方法であった「競り」と「指値」の仕組みをネット上で復活させたものとして、「逆オークション」を採り上げています。

また、教育分野では、「自立学習」である「寺子屋」の復古版として「eラーニング」を採り上げています。

そして「懐かしいもの」が消えるのは「合理化」によるものであり、その課題を新技術が解決した時に「懐かしいもの」が持つ普遍的な価値が「原点回帰」によって新しい形態で、価値を向上させて復活すると指摘しています。

同書は、この法則に沿って、2005年当時にインターネット革命の今後の進展の予測方法について述べているものですが、現在読み直しても、今後のAI・IoTによる第4次産業革命や、ソサイエティ5.0の将来展望を想定するのに役立つ視点かと思います。

今回のハンバーガーチェーンの「顔認証」を上記の視点で考えるならば、お客にとって、「自分の顔を覚えていてくれている」という点で、いわゆる「顔パス」、「なじみ客」、「一見さんお断り」に通じるものがありますね。

 

● 「温故知新」で次の「螺旋的発展」を予測・先取りする

「「IoT・AIで人の集中力を向上」の取り組みに見る「温故知新」とは?」
https://wp.me/p8EI7Z-jn
で、照明・空調業界における、快適性や生産性の向上という旧きニーズと、AI・IoTという新しいシーズを組み合わせる試みを例に、
以前からあるが、自社にとっては新しいニーズと自社の知的資産とを組み合わせて、「新しい自社の強み」を考えることも、自社の事業領域を拡大するうえで一つの選択肢になりえることをお話し、

「パナソニックのIoTを活用したお弁当配送サービスはどんな影響があるのか?」
https://wp.me/p8EI7Z-86
で、パナソニックのお弁当配送サービスや「オフィスグリコ」「富山の置き薬」のビジネスモデルの関係を、ビジネスモデル特許などとからめてお伝えしましたが、

最終的な価値受け取る「人」は、AI・IoTの時代だからといって感性や価値観が全く変わるものではないので、「螺旋的な発展」や「温故知新」のキーワードは、今後も市場や社会の変化、新技術の影響やビジネスモデルの進展を考えるうえで役に立つものであることは間違いないかと思います。

 

● 他業界、自社の業界、自社の過去の試みを「知的資産」として活用する

上記の視点からいえるように、新技術の将来の発展と合わせて、自社が提供している価値がどのような普遍性を持っているのか(お客様に提供している価値の「本質」は何か)を考えて、両者を突き合わせて自社ビジネスの将来像を描くことが必要となってきます。

その際に、自社、自社の業界、他業界、あるいは国内外の社会から一度は消えたものや過去の試みを、一度は当時のニーズを満たすべく登場したものとして、そのニーズが今はどのような形で残っているか、現在ならどのような手段でそのニーズに応えられるかを考えることは、一から知的資産経営報告書における価値創造ストーリーを描くよりも、地に足の着いたストーリーを描くことに役立つものだと思います。

その点において、過去の社内外の歴史とその歴史を現時点や将来時点に引き直すスキル、仕組みは、特に中長期の視点を持つうえで、有望な知的資産の一つとなり得るものと考える次第です。

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