「一蘭」そっくりさんのタイのラーメン店に想う「巨人の肩への乗り方、乗られ方」

● 模倣店?が大人気=日本のラーメン店そっくり-タイ

2017年12月16日の時事ドットコムで、表記の記事が掲載されていました。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017121600179&g=soc
(引用は「」でくくります。 改行は筆者挿入、以下同様)

「タイで店舗のつくりから注文の仕方まで日本のラーメン店によく似たシステムを導入している店が庶民の人気を集めている。」
と、日本の株式会社 一蘭の展開する
食事している姿を他人に見られないようにカウンターに仕切り板を入れた店舗構造や、注文の方法などをそのまま使っているタイのラーメン店が人気を呼んでいるとのことです。

株式会社 一蘭の特長(5つの元祖)ご参照
https://ichiran.com/index.php

なお、上記の記事では、
「タイ商業省知的財産局は「料理店は独創性を発揮してほしい」と苦言。ただ、一蘭が日本で特許を取得したカウンターについては、「タイでは特許申請しておらず、保護されない」との立場だ。」

と、タイの行政独創性に問題ありとしながらも、知的財産権では取り締まれないとの立場ということです。

記事で触れている一蘭の日本での特許は、平成15年(2003年)8月8日
に出願された「店舗システム」(特許第4267981号)かと思います。

 

● 「パクリ」は問題?

例え、法規的には問題ない(権利侵害は問えない)としても、一蘭としては複雑なところではないかと思います。

特に、一蘭自身が、2013年の香港進出から、米国、台湾へと海外展開も始めているので、タイでのこの動きは心穏やかでは無いのではないかと推察する次第です。

ただ、一蘭のシステムがタイの消費者に人気を呼んでいるとすれば、本家本元として乗り込むときには、既に下地が出来ているという見方も出来るのですが、

一蘭さんがタイに進出するのか、進出した時に本家(元祖)として人気を呼べるかどうかは、同じシステムを使っている、既存のラーメン店との差別化や、タイの消費者への元祖としてのアピールがどれだけ影響を持てるかなど、色々な要素が絡み合っている点で、中々予想は難しいですね。

今回の、タイのラーメン店は、海外のビジネスモデルを取り入れて成功した事例という見方も出来るので、「パクリ」だから問題だと、一概にといえるのかどうかは微妙なところもあるように感じています。

 

● 優れた先例を取り入れる

特許権、商標権などの法的権利を侵害するような模倣は論外ですが、
他者の優れた点を取り入れて、そこに自社ならではの改良を加えていくことは、
いわゆる「巨人の方に乗る」(ニュートン)という点で、
古来より学問などが発達してくる時の王道とも言えるかと思います。

自分が「巨人」の側に回る場合(中小企業の場合、自社が開拓した市場に大手が同じやり方で参入してくる場合などがこれに当たるかと思います)においても、
自分が「巨人の肩」に乗る側に回る場合においても、

まずは市場(お客様)のニーズ、規模、成長性などの面からみて、自社が他者と比較して強みを発揮出来るか、その強みを維持し続けられるかという視点と、
特に、肩に乗る側になる場合には、相手の権利を侵害するようなリスクが無いかという視点の双方が必要になりますね。

巨人の肩に上手く乗るためにも、あるいは自分の肩に他社が乗ってきた時に困らないためにも、
自社の強みがどんな知的資産に由来しているのか、その知的資産を維持・強化できるかという視点から、自社が対象とする市場、お客様を含めて経営戦略を練る事が必要であり、知的資産経営報告書もそのツールの一つとして活用することをおすすめする次第です。

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