「全自動衣類折りたたみ機」にみる、AIとIoTの使い方

● AIとIoTが生む製造業のパラダイムシフト、「全自動衣類折りたたみ機」が示した革新

2017年11月06日のMONOistに、表記の記事が掲載されていました。
http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1711/06/news001.html

(引用は「」でくくります。 改行は筆者挿入、以下同様)

「 IoTやAIなどの技術により、製造業は製品から常にデータを取得できるようになり、これらで得たデータを分析し活用できるようになる。そのため、ハードウェア単体ではなく周辺のソフトウェアやデータを組み合わせた新たな顧客価値が創出可能となる。「モノ」から「コト」への新たなビジネスモデルの創出である。」
とし、日本の製造業は欧米に対して、こうしたビジネスモデルの変化に遅れを取っているとしてきしたうえで、

世界初の「全自動衣類折りたたみ機」を開発したセブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ ( https://sevendreamers.com/ )のAI、IoTの活用事例を紹介しています。

同社は、1957年創業のスーパーレジン工業を母体とする企業ということで、いわば「老舗」の部類に入るかと思いますが、
「「世の中にないモノを創り出す技術集団」を掲げ、現在はゴルフシャフト、快眠支援デバイスなどを展開している。」とのこと。

今回の全自動衣類折りたたみ機「ランドロイド」もその一環で、投入された洗濯物の種別を画像認識によって判別、ロボットアームによって折り畳み、種類別に分別するものだそうです。
https://laundroid.sevendreamers.com/about/

● 「出来ない」を「出来そうだ」に変えた手法

同社は元々進取の気鋭に飛んだ社風のようですが、それでも、
「2005年の開発当初は、実現は難しいと「とにかく社内外で反対の嵐」だった」
とのことです。
確かに通常なら諦めてもおかしくない課題だと思いますが、それを覆した方法は、
「「洗濯物をたたむ」という行為の作業プロセスを分解し技術を当てはめて考えることで技術者とも話ができるようになったという。」

実際に自分で洗濯物をたたんでみました。洗濯物をつまんでひろげて、何なのかを目で見て認識し、たたむという作業に入るという、プロセスを明確化したわけです。このプロセスであれば、画像認識技術とロボット技術を組み合わせれば何とかなるのではないかとなり『やろう』という機運が出てきました

と同社のコメントを紹介しています。

1>自動化したい作業のプロセスを分解して適用可能な技術を当てはめる

2>開発推進者自身が、プロセスを理解することで、技術者との対話がすすみ、社内で推進の機運を高めた

の2点がポイントのようですね。

もう一つ、注目すべきは、この開発は2005年と、まだIAやIoTが普及を始める前から開始しているということです。

この記事では、「「モノ」から「コト」へ、ブレークスルーとなったAIとIoT」
と題して、
「「洗濯物の認識など、ローカルGPUである程度の処理は行いますが、主要な処理についてはクラウド側のニューラルネットワークを活用し、複雑な計算を大量に行って、服を判別して畳みます」と、AIやIoTが実現に大きく貢献していることをポイントだと挙げ」ていますが、アイデア(満たしたいニーズ)は以前からあって既に開発に取り組んでおり、それを実現する手段としてのAI・IoTは後から付いてきたというところも、最初から「AI・IoTありき」の発想ではないという点で重要かと思います。

● 本質と手段を分けて考える、細かく分解する

今回の全自動衣類折りたたみ機は、その本質は
「色々な種類の洗濯物を分別せずに洗濯し、それぞれきちんと畳んで収納してほしい」というニーズと、
「洗濯物の種類を認識し、それぞれに合った折りたたみ方法を洗濯し、実行する」
というプロセスを細かく分解して把握していった「課題(プロセス)理解」にあり、

細かく分解したプロセスの実行手段として、AI・IoTが使われている
というように、AI・IoTはあくまで手段(の一つ)と言えるかと思います。

知的資産経営においても、お客様への提供価値とそれを実現する強み、その裏付けとなる知的資産を整備していく過程において、「何が本質か」ということを意識しながら、
今回の全自動衣類折りたたみ機の事例の様に、課題を細かく、具体的に分解しつつ、その内容を社内で共有しながら進めることが重要と考える次第です。

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