アマゾンの高級スーパー買収にみる「選択と集中」

幾つかの新聞やネットで既に報じられているように、6月16日、
米国のアマゾンが、オーガニック(有機)食品を扱うことで有名な
高級スーパー「ホールフーズ」を買収したそうです。
(以下のURLは2017年6月19日のロイターから)
https://jp.reuters.com/article/amazon-wholefoods-walmart-idJPKBN19913W

一方、B2Cの業界でアマゾンとやりあっているリアル店舗の雄の
ウォールマートは、電子商取引企業ジェット・ドット・コムを買収
し、オンラインとリアルの両巨頭が互いの市場に相互参入し、
「クリック&モルタル」の市場で戦う図式を見せていますね。
(以下は2016年8月9日のブルームバーグの記事)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-08-08/OBLHZW6TTDS801

 

● 経営戦略における選択と集中

今回のアマゾンの買収金額は137億ドルとアマゾンにとっても巨額な
買い物ですが、この買収でアマゾンが求めたモノは何かというところ
については、識者達が、

物流、特に生鮮食料品のラストワンマイルの確保(日本の宅配のヤマ
トの苦戦をみても納得出来るものがあります)

ホールフーズが持つ顧客データ-
などについて示唆しています。

どれも、アマゾンにとって重要な経営資源可と思いますが、

アマゾンが選択と集中を目指しているレイヤーはどこかという
視点からみると、私は、アマゾンは顧客接点(リアル、オンライン
双方)、つまり個々の商品カテゴリにかぎらず、B2C全域に渡る
顧客接点を押さえることの一環が今回の買収ではと思った次第です。

オンラインでもリアルでも、あるいはコンピュータのアクセサリでも
生鮮食料でも、とにかく何かを買おうと思ったら、まずPCやスマホ
でアマゾンにアクセスしてもらう。自社を顧客のゲートウェイとして
今以上に顧客の頭の中でのシェアを高めていくことが目的ではないか
と考えていますが、最近アマゾンが出願した、リアル店舗内では、
お客がスマホ等で他社との価格比較を行うのを妨げて、自社商品に
誘導するという特許からも、そのような狙いが見えて来ますね。

 

● 顧客起点で考える知的資産

顧客のニーズを拾いあげ、予測し、それに応える
結果として、あるいは最初から意図して、顧客に自社を選択して
もらうのではなく、むしろ自社で顧客を心理的にも囲い込む。

これは、アマゾンに限らず、また中小企業でも特定の市場では
目指したい姿の一つかと思います

そしてこれを実現するための自社強みとその強みを裏付ける知的資産
という位置づけで自社の知的資産経営を捉えてはと、今回のアマゾン
の買収劇から考える次第です。

 

 

Follow me!