クオリティ・オブ・ライフの『生涯プロフェッショナル』事業にみる人生100年時代への取り組み

● 『生涯プロフェッショナル』で企業が抱える「2018年問題」の解決に向け、対応人材の相談窓口を設置します。

企業とシニア人材のマッチングによって、企業が抱える様々な経営課題を解決する『生涯プロフェッショナル』事業を推進する株式会社クオリティ・オブ・ライフは、
2018年1月11日に、表記のリリースを発表しました。

https://www.qol-inc.com/results/other/2018/01/001520.php
(引用は「」でくくります。 改行は筆者挿入、以下同様)

同社が「2018年問題」と呼んでいるのは、2018年4月1日より対応が求められる改正労働契約法と改正派遣法による有期雇用労働者の問題等を指しており、
その問題への対応として、同社がネットワークを構築している、200名を越えるシニア専門家を顧問やアドバイザーとして企業へ紹介するサービスを提供するとのことです。

また、同社は企業に紹介する専門家の確保について、
「『生涯プロフェッショナル』で企業の求めるシニア人材研修プログラムを開発、専門家として活躍する人材を育成します。」と2017年12月14日にリリースしており、支援側と被支援側の双方をサポートするマッチングビジネスならではの体制づくりをしていることがうかがえます。
https://www.qol-inc.com/results/other/2017/12/001519.php

● 法規制への対応方法

クオリティ・オブ・ライフでは、今回の改正法に対して一般企業が行うべき対応として、

「・有期雇用者の人数やコストの試算など現状の把握から自社の方針決定
・現行制度の見直し、就業規則の改定
・昇給ルールや賞与・退職金・福利厚生の適用基準などの検討
・手順の整備、労働条件の不利益変更など実務上に対応
・正社員化や人材育成に関する助成金制度活用の検討 など」

を挙げ、専門家の活用を勧めていますが、上記の5点は今回に限らず、色々な法規制の改正一般にも適用できる対応の進め方として参考になりますね。

● 「生涯プロフェッショナル」という考え方

以前、「ライフシフト(100年時代の人生戦略)と知的資産」
https://wp.me/p8EI7Z-9m
の中で、同著が今後の人生100年時代においては、従来のライフサイクル(教育を受け、仕事につき、引退する)から、生涯を通じて「変身」を遂げる必要があり、
そのために人的ネットワークや安定した経済的基盤の構築とそれらを実現するスキル・リテラシーが必要であり、

今後必要とされる資産として、

生産性資産:経済的な価値を生み出し、かつ希少性のあるスキルと
知識、それを得るための経験学習、ポッセ(リアルの仲のよい人間
関係の互助組織)を始めとする職業上の社会関係

活力資産:心身の健康と心理的な幸福感

変身資産:次のステージに進むための意思と能力であり、深い自己
洞察、行動の機会と意思

を挙げていること、これらは、個人だけでなく、組織としても大事な
資産になりうることをお話しましたが、

今回の「生涯プロフェッショナル」はまさに上記のような生産性資産、変身資産を得ることを支援する事業(いわゆる「人生の二毛作」を支援する事業)だと思います。

なお、
クオリティ・オブ・ライフは、2017年3月に「生涯プロフェッショナル」を商標出願しています(商願2017-047122)。

登録になれば、就業セミナー、斡旋、人材教育などの分野で、「生涯プロフェッショナル」は クオリティ・オブ・ライフだけが使える言葉になりますので、このようなキーワードの知的財産面の手当という点でも、同社が対応を進めていることがうかがえますね。

● 「盾の両面」から100年時代への取り組みを考える

以前、「アマゾンの需要と供給双方へのサービス提供にみる「盾の両面」作戦」
https://wp.me/p8EI7Z-iZ
で、
自社をお客とする側、自社がお客にする側の両方を見て、ユーザーとしての知見、サプライヤーとしての知見の双方を逆の立場に活かせないかと考えることは、事業の拡大や顧客との関係強化策の策定に有効な方法であることをお話しましたが、

・自社従業員
・自社の組織
・取引先
・顧客
・自社の支援者

などの自社に関連するプレイヤー毎の人生100年時代に対するニーズという複数の切り口から、自社のビジョンや今後の課題を考えることは、抜け・漏れなく、幅広く自社の将来像や選択肢を検討するために必要なことだと思います。

そして、クオリティ・オブ・ライフのようなマッチングビジネスを手がける側、それを利用する側双方にとって、「少子高齢化」だけでなく「人生100年時代」も重要なキーワードとなると考える次第です。

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