シャープのAIと、IoTを組み合わせた自動調理鍋リリースにみる「名付け」のタイミング

● シャープがAIを利用した自動調理鍋を発表

最近は、AI(人工知能)やIoT(インターネットに色々なものがつながって新しい価値を産み出す)が話題ですね。私も、ITやコンピュータなどの業界だけでなく、ほとんど全ての業界に影響を及ぼす技術だと感じています。

AIといえば、2017年9月14日のシャープのホームページに、AIを利用した水なし自動調理鍋「ヘルシオ ホットクック」というリリース記事がありました。
具体的には、無線LAN機能を搭載しており、シャープの「AIoT」クラウドサービス「COCORO KITCHEN」に接続すれば、AI(人工知能)が調理の手順や必要な食材と調味料を画面と音声でお知らせしたり、お好みやライフスタイルにあったメニューを提案してくれたりするものだそうです。
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/170914-a.html

(引用は『』でくくります。 改行は筆者挿入、以下同様)

『本機は、無線LAN機能を搭載しており、AIoTクラウドサービス「COCORO KITCHEN」に接続すれば、AI(人工知能)が調理の手順や必要な食材と調味料を画面と音声でお知らせしたり、お好みやライフスタイルにあったメニューを提案します。また、新しいメニューをクラウド上からダウンロードして追加することができ、メニュー検索機能も「カテゴリー別検索」「食材別検索」など充実しています。メニュー集を見なくても簡単に料理の準備ができ、献立選びの悩みも減り、選べるメニュー数が豊富になるなど、使い勝手を高めました。』

ここで、「AIoTクラウドサービス「COCORO KITCHEN」」については、以下のように説明しています。

シャープホームページより

『●「AIoT」は、AI(人工知能)とIoT(モノのインターネット化)を組み合わせ、あらゆるものをクラウドの人工知能とつなぎ、家電を人に寄り添う存在に変えていくビジョンです。「AIoT」および「COCORO KITCHEN」はシャープ株式会社の登録商標です。』

この自動調理鍋自体の機能も魅力的ですが、私はこの名称が商標登録されているという点に興味を持ちました。
「AIoT」(アイオット)の登録番号は、登録5819491登録5857881のようです)

 

● 先んずれば「名前」を制す

以前、「先んずれば「名前」を制す」 http://wp.me/p8EI7Z-4x という題名で、商標の活用についてお話しましたが、サービスの名称「AIoT」(アイオット)をシャープが商標登録しているという点を知的資産経営の視点で考えてみると、汎用的で、分かり易い、時流に乗った名前をいかにして見つけて、かつ自社が独占するかという課題の事例だと考えられます。この課題を解決するには、_知的資産経営の手法によりお客様への【近い将来の】提供価値を考え、それにふさわしい名称を、いち早く商標登録で保護するという知的財産の活用の考えが効果的でしょう。

 

● 時代の潮流の半歩先で名付けも考える

シャープの「AIoT」は、2015年の8月と10月に商標出願されています。

おそらく、この時期に似たような造語を考えた企業は多かったのではないでしょうか?

その中で、シャープがいち早く出願し、商標登録を受けたということかと想像しています。

AIもIoTも既に2015年には注目されていた分野です。この時点でいち早く自社の商品・サービスに結びつけて、名称まで考え、権利化したことは競争力や市場への訴求力の面で大変有利に立つ手段となりますね。

ブランドやサービスの名称などは大変重要な「知的資産」です。知的資産経営を意識することで、このように時流の半歩先を見ながらいち早く名称などまで押さえる事が必要だと改めて感じた次第です。

例えば、新しいサービスを考えたがそれをアピールする良い名前が見つからない、あるいは考えた名前が既に他社に使われてしまっていた場合、サービス名称の策定方法を改善するには知的資産経営報告書の作成の一部である、「クロスSWOT分析」を行なってみることなどが考えられますね。

そうすると、SWOTのO(外部環境の機会)の分析の中で、今回のAIやIoTなどの時代の潮流となっている新規技術を名称に取り入れることなどに気づく可能性が出てきます。
もしくは、お客様への提供価値からサービス名称を考える場合でも、同じく知的資産経営報告書の一部である「価値創造ストーリー」によってお客様への【数年先】の提供価値を考えることで、まだ他社が思いついていない、分かり易く魅力的な名前が見つかるかもしれません。

上記のような課題に出会った時に、往々にして、分かり易く良い名前は既に他の企業に使われていると諦めてしまいがちですが、数年先の時代の潮流から逆算して自社の知的資産による価値創造ストーリーを検討することによって、意外と簡単に改善できることがわかりますね。

あなたの会社でも、新規商品やサービスの名前の付け方で悩むことはないでしょうか? そんなときは、ぜひ「クロスSWOT」と「価値創造ストーリー」を数年先の潮流を考慮して作ることを、試してみてはいかがでしょうか。

 

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