学会の論文や特許の引用から考える「自社の影響力、他社の影響力」の測り方

● 【日本から72名選出】世界で最も影響力の大きい科学研究者2017年版を発表 

2017年11月24日のCNET Japanに表記の記事が掲載されていました。
https://japan.cnet.com/release/30220380/

これは、学術論文、知的財産、ライフサイエンスなどの分野で情報提供サービスを事業としているクラリベイト・アナリティクスが発表したもので、同社の日本法人のサイトでもリリースされています。

(引用は「」でくくります。 改行は筆者挿入、以下同様)

http://clarivate.jp/press/release/2017/2017-11-15-Clarivate-Analytics-names-the-worlds-most-impactful-scientific-researchers-with-the-release-of-the-2017-Highly-Cited-Researchers-List/

「本リストは、自然科学および社会科学の21の研究分野において、2005年1月から2015年12月の間に被引用数が非常に高い論文を発表した研究者3,300名以上を特定しています。また、900の学術機関に所属する研究者による130,000件の論文が選定されています。このうち147名の著者は、その高被引用文献(Highly Cited Papers)が複数の研究分野において判定され、さらにその中の著者20名は、3つの研究分野にわたって判定されました。」

日本の研究者は、大阪大学、東京大学、産業総合技術研究所などの研究機関を中心に72名が選出されています。エクセルのシートでリストがダウンロードできますので、研究開発にご関心のある方には一見の価値があるかと思います。

● 引用で図られる論文と研究者の影響力、同じく引用で図られる特許の影響力

上記のリストは引用される頻度が高い学術論文から研究者の影響力を評価したものですが、同じように、特許においても、その引用数は大変重要視される指標の一つです。

特許の場合、特許を出願する人(企業)がその出願書類の中で、従来の技術として引用するものと、
特許庁が、特許出願に対して「この特許と同じである、あるいは似ているので新しいアイデアとはいえない」として特許登録を拒絶する際に引用するものの2種類がありますが、いずれの引用も、引用された特許の技術がその分野で重要なものとみなしていることを表しています。

● 引き合いに出されることの嬉しさ

私達が会社やプライベート等で、誰かを褒める際、あるいはハッパを掛ける際に良い例として引き合いに出されることは、気恥ずかしくも嬉しいものですが、
ビジネスにおいても、自社や自社の技術・商品が良い意味で引き合いに出される(引用される)ことは、それだけ影響力があると評価されていると捉えることが出来ますね。

● 引用される度合いを影響力評価に利用する

引用数と言うのは、定量化し易い指標ですので、特許や学術論文だけでなく、我々のビジネスでも利用できるものかと思います。

例えば業界紙などでの露出頻度や、お客様が比較する他社製品などを定量的に評価できると、自社と他社の力関係の把握やポジショニングに役立つかと思います。

アマゾンのリコメンド機能も、自社の取扱商品間での顧客の引用(購買、あるいはクリック数)を書く商品の影響力(それも、個別のお客に対する)をシステマティックに評価している事例とも捉えることが出来ますね。

知的資産経営におけるKPIやGPIの設定にも、この「引用」の視点を、「自社が認められた実績」、あるいは特許庁の拒絶理由での引用の様に「他社を妨害した=自社を防衛した実績」として活用してはいかがかと考える次第です。

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