村田製作所のNAONAに想う、「感情」「人間関係」のデータの質

●  仮想センサプラットフォーム“NAONA”のビジネス構想について

2017年09月27日、村田製作所は、表記のリリースを公表しました。
http://www.murata.com/ja-jp/about/newsroom/news/product/others/2017/0927
(引用は「」でくくります。 改行は筆者挿入、以下同様)

「株式会社村田製作所は、場の雰囲気や盛り上がり、人間同士の親密度など、これまでデジタル化出来ていなかった情報を空間情報としてセンシングし、可視化したデータとして提供する仮想センサプラットフォーム“NAONA”の実証実験を開始しました。
本システムは様々な情報をセンシングするハードウェアを接続し、そこで取得されたデータを組み合わせて空間情報として解釈、出力するクラウドプラットフォームです。」

「このクラウドプラットフォームでは、センシングの対象をヒトやモノの単位から、空間に存在するヒトやモノの関係性にまで拡大し、そこで得られる関係性に関する情報を活用したサービスの創出を目指します。」

例えば、飲食店内の会話などの音声データから店内の雰囲気や盛り上がり方を把握してサービスの向上に繋げるなどのビジネス面での適用を想定しており、今後はIoTを用いて種々のデータを取得することで、更に適用先や提供価値の拡大を目指して、他社との連携も積極的に行っていくとのことです。

 

● 人の感情や人間関係のデータの入手

既に数年前からツイッターのツイートからユーザーの感情や評価・印象などを推定するという試みは国内外で広く行われていますね。

このように、音声、テキストなどまさにビッグデータを用いた人間の感情や人間関係に関する分析とその応用はとどまる所を知らないと言っても過言ではありません。

さらに、AIによる人の表情などの解析が進むことで、例えば店内カメラで顧客の反応を瞬時に解析して、相手の心理的な状態に応じたセールストークを出来たるサイネージなどで表示するといったことは、すぐにも実現するかと思います。
(あるいは、私が知らないだけで、既に実用化している企業があってもおかしくありませんね)

 

● 感情関係のデータの「質」の重要性が高まる

上記のような、人間の感情や人間関係を推定するには、表情・行動などの表現に関するデータと本人の申告(アンケート等)や既に感情との関係が把握されているデータ(心拍数、脳波等)による感情データの突き合わせが必要ですね。

先日、AI関連の技術者の方とお話する機会を得たときにも伺いましたが、機械学習(深層学習・ディープラーニングを含む)でも、学習のために入れるデータに偏りがあると、偏見(バイアス)を持ったAIが出てきてしまうという問題は以前から指摘されているところです。

このバイアスを回避するには、
グーグルが取り組んでいるような「アルゴリズム自身が自己調整する」方法と、「偏りのないデータを入手して使用する」の大きく2つの方法があるかと思いますが、後者の方法をとるならば、データの量と同様またはそれ以上にデータの質が重要になってくるということになるかと思います。

 

● 自社の知的資産の「質」とは何か?を考える

IoTやSNSを使えば、中小企業でも多くのユーザーデーターを集めることが可能な時代になってきましたが、AIに限らず、偏ったデータ・情報が入った時にそれを自律的に調整するということは大変むずかしいのではないか思います。

情報やデータが自社の知的資産の大きな部分を占める場合に、その知的資産を構築し、維持・強化する上で必要な情報(データ)の量と質の確保をどのように担保するのかを考える上でも、入手した情報やデータを処理・分析するシステムを理解し、また、自社の知的資産の「質」とは何かを常に検討し続けなくてはと考える次第です。

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