競合は「資産」か?

● 競争なきところに市場なし

前回、ユーザーコミュニティに関してキャズムVer2の記載を
採り上げましたが、

同書の中で、「市場には競合が必要」として、
2つの競合(自社商品の代替手段と対抗製品)を挙げています。

その理由の中で「それはそうだな」と感じたのは、

一つは顧客が比較検討する相手を必要としていること、
もう一つは、顧客に自社商品を買ってもらうための資金源とは、
顧客が既に競合相手の商品向けに取っている予算である
という指摘でした。
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● 競争なきところにニーズなし

10数年前に、ビジネスモデルの建て方について複数回の講習を
受けた際に、講師の先生から、
「競争相手がいないということは、お客様のニーズも無いということ」
「競争相手を見つけられないような市場には出るべきではない」

と教えて頂いたことがありますが、
ニーズ、予算、検討材料
のどれが欠けても自社商品を購入してはいただけないわけなので、
やはり、新しい市場に出ていくときには、対応すべき競争相手を
見つけておくことが肝要ですね。

● 競合と競合への対抗手段を「資産」として捉える

通常競合とは、自社の知的資産を持って対抗すべき相手であるわけですが、
逆に、上記の考え方からは、顧客に自社の商品を検討してもらう材料
でもあり、自社商品のための予算をあらかじめ用意してもらう手段
でもあると捉えることが出来るかと思います。

また、自社のポジショニングの取り方や戦術によっては、競合を
提携先に変えることも視野に入ってきます。

競合への対抗手段だけでなく、競合自身も自社の「知的資産」として
活用できないかと考えることは、経営の選択肢を広げるという点でも
一考の価値ありと考える次第です。

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