経済財政白書にみる「働き方改革」が労働者に与える影響

● 経済財政白書2017年版の働き方改革の捉え方

先日は、7月21日に内閣府より公表された、経済財政白書でAIなどの新規技術の効果と導入状況がどのように採り上げられているかを紹介しましたが、
今回は、同白書が働き方改革の影響をどのように捉えているかを主に労働形態の多様化の側面から見たいと思います。

全体の構成
http://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je17/index_pdf.html

第2章 働き方の変化と経済・国民生活への影響
http://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je17/pdf/all_02.pdf

同白書では、今後の中長期的な経済成長の制約として、労働市場では次の3点を挙げています。
(1)少子高齢化による労働供給の制約(女性の社会参加等でも追いつかず)
(2)国際的に見て低い労働生産性(効率的な人材の活用が進まず、労働生産性の伸びが緩やか、長時間労働で時間あたりの労働生産性が低い)
(3)労働供給制約や労働生産性の低迷が続くことによる需要面への影響(企業や家計の所得が増えず、消費や投資需要が抑制される可能性)

そして、上記の制約への対応の方向性としては、
(A)多様な人材が個々の置かれた事情に応じて柔軟に働き方を選択し、その意欲や能力を発揮できるような社会の構築
(B)正社員と非正社員間の処遇格差や長時間労働の是正による、企業や労働者の生産性向上へのインセンティブ確保
(C)生産性の向上と長時間労働の是正(ワーク・ライフ・バランス)の進展による労働所得の増加や消費需要の拡大
の3点を挙げています。

上記対応方針はいずれも、労働形態の多様化と生産性の向上が共通の課題であることを示しているかと思います。

 

● 「神・時間術」における生産性向上と働き方改革

今までにも何回か紹介した、「神・時間術」(樺沢紫苑 著)では、
心身のコンディション整備→集中力の向上と集中力に配慮した作業計画を通じて生産性を上げることを主張していますが、

働き方改革における労働生産性向上という視点では、共通するところもあるのではないかと感じており、集中力という視点を個人ベースだけでなく、組織としての働き方の改善による労働生産性の向上に取り入れられれば、新しい対策も見えてくるのではないかと期待しているところです。

例えば、テレワークは労働形態の多様性でもありますが、通勤をなして、朝の集中力が高い時間帯(脳のゴールデンタイム)を有効活用するということでは、組織としての集中力向上の取り組みと捉えることも出来ますね。

経済財政白書2017年度版第2章より

一方で、労働形態の多様化による労働供給の増加については、経営者、社員双方の意識改革も含めて官民の制度面での対応が中心になることは間違いないところかと考えるところです。

 

● 知的資産経営からみた働き方改革

労働形態の多様化は制度面の影響大ですが、企業自体でも対応すべき点は多いかと思います。
その一つには、白書も取り上げている非正規雇用者向け職業訓練の充実や、正規雇用者と非正規雇用者の格差是正などが挙げられますが、いずれも一つ間違えば、低コスト側(非正規側)に合わせる方へのインセンティブが働きかねないので注意が必要ですね。

知的資産経営によって人的資産が顧客への提供価値にいかにつながるかをきちんと把握すること(資産効果の見える化)は、適正な処遇や労働形態の多様化への対応にも役立つものです。

また、人的資産の構造資産化の効果(暗黙知の形式知化と社内での共有・活用)は、労働形態によらず享受できるものですので、このような視点からも知的資産経営を働き方改革に役立てるよう考えることをおすすめする次第です。

 

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