ＥＶ（電気自動車）の普及促進にみる、「点と点のつなげ方」

●　資源エネ庁の「電気自動車（EV）は次世代のエネルギー構造を変える？！」

2017年10月12日に、資源エネ庁の広報ページに上記の記事が掲載されました。
　http://www.enecho.meti.go.jp/about/special/tokushu/ondankashoene/ev.html

以下の３点について、ＥＶの現状、なぜＥＶなのか、日本におけるＥＶ普及促進について解説しています。

1．EVをめぐる世界各国の動き
2．EVがもたらすエネルギー問題の解決
3．日本におけるEVの現状とこれから
（引用は「」でくくります。　改行は筆者挿入、以下同様）

各国政府の動きでは、
「最近目立つのが、ガソリンやディーゼルなど化石燃料を使用する自動車を、です。
ただし、その温度感は国将来的にEVへ切り替えるという各国の発表によってまちまちです。（中略）

また、ハイブリッド自動車（HV）やPHVに関する点にも注意が必要です。2040年までにガソリン車やディーゼル車の販売を禁止すると発表したイギリスとフランスでは、HVについての戦略は不明確となっています。」
と、それぞれの国情による政策の状況を語っています。

https://screenshots.firefox.com/6f8zcb8cf6xkGvQo/www.enecho.meti.go.jp

また、海外メーカーの動きについても
「世界の自動車メーカーでも2020年前後を目標とした新車開発に注力しており、さまざまな動きが見られます。」
と今後数年間大きな変化が見られるだろうと予測しています。

https://screenshots.firefox.com/tkpKDwjRFC3j2HSk/www.enecho.meti.go.jp

ＥＶがもたらすエネルギー問題の解決では、
・二酸化炭素排出量の抑制効果（地球温暖化問題への対策）と、
・エネルギーセキュリティ（石油への依存低減）そして
・EVを組み込んだ次世代電力網の構築
の３点を主なポイントとして挙げています。

●　地球温暖化問題への対応

地球温暖化問題への対応としては、
・省エネルギーによるエネルギー消費自身の抑制
と
・二酸化炭素を出さない（あるいは出す量が少ない）エネルギー源の利用促進
の２つに大きく別れるかと思います。

ＥＶの普及は、おもに後者の視点から語られる事が多いようですね。

地球温暖化問題だけでなく、エネルギーセキュリティや次世代エネルギーシステムのイノベーションの視点からも、ＥＶの果たす役割は大きいと期待されていることがうかがえます。

そして、ＥＶに関する動きは、上記のような課題解決の面からだけでなく、
・自動車産業の構造変化（従来の摺合せ型からモジュール型への変化）や、
・自動車に限らない電化の促進、ＩＴやＡＩといった新規技術の適用先としての期待、
・日本でいえば、少子高齢化対応の一つであるコンパクトシティーにおける交通手段の一つなど、色々な要素が絡み合っているため、自動車メーカーならずともその動向には無関心ではいられませんね。

●　点と点をつないで社会の動向をみる

上記のように、ＥＶの動向を見るということは、地球温暖化や少子高齢化のような社会課題、産業構造の変化などについてその動向を見るときの有効な方法であり、
ＥＶは社会の動向を見るための有効なキーワード（バズワード）であると言えるかと思います。

このようなキーワードとしては、ＡＩやＩｏＴ、ドローンなどの新規技術、
地球温暖化や少子高齢化などの普遍的な社会課題
なども挙げられると考えています。

私がこのブログでＡＩ等の動向をよく取り上げるのも、それが社会の動向を広く捉えるのに向いた切り口になっていると感じるからですが、

自社の事業においても、把握しておきたい社会の動向というものがあるはずですね。
知的資産経営でいえば、ＳＷＯＴ分析におけるＯ（機会）とＴ（脅威）の把握、
そして価値創造ストーリーを作るうえでお客様、取引先との関係の今後の変化などに影響を与える社会動向などが該当するかと思います。

こういった社会動向に関係する要素は数多くありますが、今回のＥＶやＡＩのように、多くの課題や業界に関連するキーワードを見つけて、それに関する社会の動きを眺める、さらにそれら一つ一つの動きを、地球温暖化のような普遍的な課題への対応というステージの上の動きとしてつなげていくと、複雑な社会動向の把握に役立つと考える次第です。

あなたは、色々な出来事を関連付けて理解する際にどのような工夫をされているでしょうか？

この記事がいいなと思ったら、クリックよろしくお願い申し上げます(*^^*)。

中小企業診断士ランキング