2021年 新年の契約の手当てについて

2021年計画 目標

【今日のポイント】

2021年のお仕事は既に始まったでしょうか。

仕事を始める上で、3-4月の年度替わりも見据えた契約上の手当てのポイントを、会計面、人事面、人材育成面などからいくつかお話しいたします。

 

新年としての対応

改めまして、新年明けましておめでとうございます。

お正月休みはいかがお過ごしでしたでしょうか?

私は、本日が仕事初めとなりますが、本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

今年は、延期された7~9月の東京オリンピック・パラリンピックを始めとして、
新型コロナで延期されたイベントや行事・計画の実施とともに、逆にデジタル化など以前からの動きが更に加速された1年になるかと思います。

知的財産面では、海賊版対策等を強化した改正著作権の施行

環境問題対応面では、英国での気候変動枠組条約締結国会議(COP26)の開催欧州投資銀行の化石燃料への融資全面禁止EUの使い捨てプラスチック製品の流通禁止などが予定されていますね。

このような、大きな流れも視野に入れつつ、新年と3月末の年度末に向けた契約面での対応のポイントをいくつかご紹介したいと思います。

 

1月~12月会計年度での新年の対応

御社が会計年度が1月~12月という場合は、既に2020年度末の手当を終えて、2021年度としての事業・業務が始まっていることと存じます。

その場合、年度末の対応には間に合いませんが、次節の「2020年度末に向けた対応」が、何か見落としがないかのチェックのご参考になれば幸に存じます。

 

また、2021年度が既に始まっている場合、まず確認すべきは、

2020年度で終了した契約の残務(費用支払、共同研究開発の成果やその帰属の確認、秘密保持などの残存条項の確認とその期間の管理など)

・昨年度に契約を締結、または現在交渉中の、今年度に実施予定の内容を含む契約の進捗状況

かと思います。人事異動などがあった場合には、その引き継ぎもあって大変ご多用かと思いますが、この契約関連の引き継ぎと確認も、まずは年明け早々に行っておくことが、順調な2021年業務を開始するうえでも重要と考える次第です。

 

 

2020年度末に向けた対応

官公庁の会計年度が4月1日からということもあり、4月~3月が会計年度という企業は今でもかなり多いかと思います。

この年度末に向けた契約面での対応としては、大きく

1>会計上の対応

2>人事上の対応

3>法制度面の対応

さらに、今年は、
4>新型コロナによるテレワークなどの影響によるスケジュール等の見直し

を考え、実施する必要が出てきます。

 

1>の会計上の対応については、委託開発などの成果の受け取り時期(受託の場合は提出時期)と費用支払(受託の場合は費用受け取り)などお金の収受の時期が重要なポイントとなってきます。

いつまでに報告書などの成果の提出・受け取りを行い、請求書を発行して費用を支払うかを、契約書に記載する際に、自社と契約先の社内手続きの期限からが逆算して、余裕を持って決めておく必要が出てきますので、自社の経理担当者にも確認しつつ、契約締結自体のスケジュールも含めて対応していくことが必要となります。

 

特に、新型コロナで、手続きが遅れがちな現在、相手方も在宅などで押印作業などが滞りがちとなりますので、例年以上に、相手方のスケジュール確認を行い、計画を立てることが肝要ですね。

 

また、成果や費用だけでなく、交換した秘密情報の秘密保持期間やその返還・破棄なども、年度で期限を設定している例がありますので、契約の期限管理上、今年度末までに必要な措置を取っておくことを忘れないよう、今から契約が終了したり、残存期間が終了したりする事項を洗い出しておくことをお勧めする次第です。

 

2>の人事上の対応は、人事異動への対応となります。

職場間の定期的な人事異動に加えて、12月を定年退職の時期と決めている企業(契約先も含めて)の場合は、

契約の締結者や契約案件の主要関係者の異動・退職は、契約の交渉、社内稟議、契約締結(締結者名の変更など)を含めて大きな影響を与えるものですので、この時期には、十分に余裕を持って、契約の諸手続きを進める必要が出てきます。

 

3>の法制度面については、昨年と今年の知的財産権関連法規の改正対応が重要ですね。

昨年度は改正民法が主要な対応テーマでしたが、2020年から2021年にかけて、特許法、意匠法、著作権法などの改正が施行されていますので、

契約のひな形の修正や、現在交渉中の契約の内容の見直しなど、十分に気をつけて、必要に応じて顧問弁護士など外部の専門家の協力も得ることが重要かと思います。

契約に関連する事項の1例ですが、2020年10月から施行された、著作権法の改正として、著作物を利用する権利に関する対抗制度として著作権法第63条の2『利用権は、当該利用権に係る著作物の著作権を取得した者その他の第三者に対抗することができる。』が追加されました。

これにより、調査委託の成果報告書などの提出と受け取りなどにおいて著作権の譲渡も行われる場合、第三者に既に著作物を利用する権利を許諾している場合などへの対応を考え、確認する必要が出てくるケースも出て来る場合があるかと存じます。

このような、関連法規性の改正が試行される時期にも注意して、契約内容を確認する必要あるかと思います。

また、上記のような法規制だけでなく、社内の規則改正なども、1月、10月、4月などに行われることが多いかと思いますので、それらが契約内容やその手続に及ぼす影響も併せて確認されることをお勧めする次第です。

 

4>新型コロナによるテレワークなどの影響によるスケジュール等の見直し

既に、昨年から実感されていらっしゃるかと思いますが、
新型コロナ対応で、テレワークが進むとともに、対面での会議などがオンラインに切り替わる中で、請求書や契約書の締結など、従来の押印等が必要な業務は大きな影響を受けています

自社、相手方ともこのような、新型コロナ対応に特有の事情も考慮しながら、契約締結のスケジュールを随時見直していくことが今後も必須となってきます。

 

中長期の課題

4月はまた、新卒入社の社員が入ってくる季節でもあり、それに伴う教育なども計画されているかと思います。

この年度始めからの教育計画の中に、契約に関わる法務や知財のわかる人材(契約人材)の育成、確保も入れておくためには、今から来年度の人材育成計画を立てて、自社や職場の教育計画に組み込んでおくことをお勧めする次第です。

また、来年度だけでなく、更に中長期の自社に必要な人材の育成や確保の観点から逆算して、来年度の計画を立てるという意味でも、この時期に契約や知財に関してどんな人材が今後必要となるか外部のサービスの利用と併せて検討することは、大変有効であり、

その際には、知的資産経営報告書や経営デザインシートに記載する現在の自社の知財や知的資産、将来必要とする知財や知的資産の記入が、上記の検討上有効なツールになるものと考える次第です。

 

また、本ブログでも何度か採り上げていますが、中小企業でも使える契約管理システム、契約チェックサービスなどが、新型コロナ対応をきっかけに、電子契約の分野で数多く出てきていますので、これら新しいサービスやシステムの導入を考える場合の予算措置なども今から進めて来年度に備えておくと、より効率的で高度な契約業務が行うことが期待できるかと思います。

以下のブログトピックスなどもご参考になりながら、是非、電子契約等の活用もご検討されることをお勧めする次第です。

 

・技術契約と関連情報の一括管理の重要性と利用可能なサービスの広がり
電子契約等の動きに関するニュースと、契約と関連情報を一括管理する重要性およびその管理における業務プロセスの可視化についてお伝えしています。

 

・取引の契約や見積もりの電子化にみる、見込み顧客取り込みの可能性
こちらも、取引契約や見積もりの電子化に関する昨年後半のニュースを中心に、見込み客の取り込みへの利用の可能性についてお伝えしています。

 

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