資源エネルギー庁の再エネと地域の共生の記事に考える「メリットの還元の視点」

● 再エネの長期安定電源化に欠かせないのは「地域との共生」

2018/8/9の資源エネルギー庁サイトに表記の記事が掲載されていました。

http://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/tiikikyousei.html

(引用は『』でくくります。 太字と改行は筆者挿入、以下同様)

『太陽光発電を中心とした再生可能エネルギー(再エネ)の導入は、ここ10年ほどで着実に拡大してきました。2030年の日本のエネルギーの姿を示した「エネルギーミックス」では、再エネが電源構成の22~24%を占めるとしており、これからも再エネの導入量は増えていくと考えられています。

その中で、クローズアップされているのが、再エネと地域との関係性です。再エネ発電事業が長期にわたり安定的に実施されるためには、発電施設が設置される地域との信頼関係を築き、地域とともに生きていくよう努めること、つまり「共生」をはかることが必要不可欠です。今回は、再エネと地域について、太陽光発電のケースを参照しながら、現状の問題点や対応策についてご紹介します。』

と、再生可能エネルギーの重要性と、その普及に伴う、発電設備が設置される地域との共生の重要性や課題をまとめています。

基本的には、
再エネのデメリット、地域に与える負荷の低減を焦点を当てているもので、地域へのメリットの還元という視点が少なくともこの記事には記載されていないところに「負荷低減だけで地域社会は納得するだろうか?」との疑問を持ちました。

 

● メリットの訴求とデメリット開示、デメリットへの対応の提示

デメリットを正直に開示し、その解決への真摯な対応を提示することは、信頼構築の基本ではありますが、やはりそれだけではマイナスが0になるだけでプラスにはなりませんね。

再生可能エネルギーならば、発電事業者からの納税による地域経済への還元、地域の自立電源としての防災時の利用など、複数の視点からメリットの還元を用意し、かつそれを訴求することも必要です。

 

● 将来に向けたビジョンの提示の必要性

だいぶ以前から、ドイツの「シュタットベルケ」(エネルギーを中心とした地域公共サービスを担う公的な会社)をモデルとした地域振興策の検討が各所で行われていますが、
このように、各ステークホルダーにとってのメリット(相手が今まで持っていた問題を解決するという方法も含めて)に目配りしたビジネスモデルを検討しさらにビジョンとしてステークホルダーに提示することが必要になって来ています。

そして、これはエネルギー・インフラだけでなく、どの事業者にとっても同様であり、そのビジョン提示の手段の一つとして、知的資産経営報告書の活用もお勧めする次第です。

なお、シュタットベルケについては、以下の記事などが参考になるかと思います。

ウィキペディア: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%82%BF%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%99%E3%83%AB%E3%82%B1

日本エネルギー経済研究所:「ドイツのシュタットベルケから日本は何を学ぶべきか」 https://eneken.ieej.or.jp/data/7847.pdf

CSR・環境戦略お役立ちサイト おしえて!アミタさん: 「シュタットベルケ(STADT WERKE)とは?|地方創生注目ワード」 http://www.amita-oshiete.jp/qa/entry/015041.php

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