「HELLO DESIGN デサインと日本人」に学ぶ誰にでも必要なデザイン思考とパッケージ力

【今日のポイント】

英国や日本で、デザイン思考を活用した商品開発やプロジェクトに携わってきた石川氏の著書HELLO,DESIGN 日本人とデザイン』

デザイン思考とはどんなものか知りたい方、日本人が本来持つ強みとその活かし方について関心をお持ちの方にお薦めの一冊です。

 

HELLO,DESIGN 日本人とデザイン 石川 俊祐 () 』を読んで

先日、HELLO,DESIGN 日本人とデザイン (NewsPicks Book) 石川 俊祐 () を読みました。

著者の石川 俊祐氏は、AnyProjectsの共同設立者で、ロンドン芸術大学Central St. Martins卒業後、Azumi studioPanasonic Design CompanyPDD Innovation UKCreative Leadを経て、IDEO Tokyoの立ち上げに従事し、
現在は、幅広い分野でデザイン思考による未来の価値創出プロジェクトに関わっている方です。

デザイン思考について、事例を引きながら、大変わかりやすく、かつ誰にとっても身近に感じられるように解説しています。

本書の構成は以下のとおりです。

序章 誤解だらけのデザイン思考

1 すべての人は「デザイナー」である

2 デザイン思考のマインドセット

3 デザイン思考4つのプロセス

4 デザイン思考を実行する組織と、「個」のあり方

終章 デザイン思考日本人最強説

おわりに:日本再興は教育からはじまる

 

本書のいくつかのポイント

私が本書で「なるほど!」と感じたポイントを以下にいくつか挙げたいと思います。

(引用は『』でくくります。 太字と改行は筆者挿入、以下同様)

・『すべての人は「デザイナー」である。』

⇒デザインの本質は「課題の発見とその解決」にあり、人々の心や行動の変化からそこにある潜在的な課題や願望を読み解くことがデザインの根底にある考え方と石川氏は説いています。

顧客起点のマーケティングにも通じる考え方かと思う次第です。

 

・『いま、ビジネスシーンで活躍しているデザイナーに共通している点は「優れた主観」を持っていることです。』

⇒アートは自己表現、デザインは課題の発見と解決と、両者の違いを説明しつつも、現在、テクノロジーの発達につれて、デザインにおいても「思いの強さ」が課題解決のために人を動かす重要な要素となっており、アーティスト的な主観を持ったハイブリッド的なデザイナーが活躍するとの著者の言葉。

時々採り上げている「人々が共感するビジョンを掲げることの重要性」に通じるものかと思います。

・『デザイナーとは問いを設定し、その問いを解決する人である。』

⇒いわゆる「課題形成力」と「課題解決力」という、個人でも企業でも普遍的に必要とするスキル・能力であり、石川氏も語っているように、「デザインは必要なときに外注するもの」ではないことを強く感じた次第です.

・『これほどにもデザイン思考的な文化が定着していながら、なぜ「デザイン思考」は日本発のメソッドとならなかったのでしょうか?

これはひとえに「パッケージ化する力」の欠如によるものだ、とぼくは考えています。』

⇒著者は、この「パッケージ化する力」「ルールメイカー側に回る力」が日本の課題と述べています。

これは、国際規格開発に関わったことのある私の経験からも、非常にうなずけるところでした。

ある意味、コンセプトやメソッド、規格などについても、売ることや宣伝すること(セールスやプロモーション)だけでなく、マーケティングの視点から「徹底的に『商品』として完成させる」ことの必要性を説いているとも言えるかと思います。

・『読み・書き・ソロバン+デザイン』

⇒初等教育から「アート&デザイン」を取り入れているイギリスの例を惹きながら、日本の再興はデザイン思考のスキルを身につける教育から始まるとの著者の提言。

『学び効率が最大化するインプット大全 樺沢紫苑 ()

や、
『『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?~経営における「アート」と「サイエンス」~ (光文社新書) 山口 周』
で説かれている芸術との触れ合いによる創造性や美意識の醸成と通じるものを感じた次第です。

 

こんな方にお薦め

本書は、デザイン思考について、実例に基づいて非常に分かりやすく解説しています。

会社などで「デザイン思考」が必要と言われているが、何をすれば良いのかよくわからないなどのお悩みをお持ちの方や、

「デザイン思考」「デザイン経営」といったキーワードを耳にして興味をお持ちの方に、お薦めの一冊です。

 

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