「深海」という技術開発課題と新市場を提供する「資源」

【今日のポイント】

50年前に遭難した潜水艦が発見されたとのニュース。

深海探査の技術の発展が可能にした成果ですが、

宇宙空間と並んで深海も「技術開発の課題提供と、その成果の適用先としての場」という「資源」としての価値を高めていることが窺われます。

50年前に消息を絶ったフランス潜水艦、深さ2.4キロの海底で発見

2019/7/23CNNに表記の記事が掲載されていました。

(引用は『』でくくります。 太字と改行は筆者挿入、以下同様)

『1968年に消息を絶ったフランスの潜水艦「ミネルブ」の残骸が、南部のトゥーロン沖約45キロの海底で見つかった。
同国のパルリ国防相が22日に発表した。』

この話題は、2019/8/8の1日5分ビジネス英語でも採り上げられていました。

Minerveの発見』

50年という歳月の中で、探索を続けた関係者の方々に敬意を表するとともに、海底における活動の困難さを改めて感じました。

 

複数の技術の統合利用と複数の適用先となる場という「資源」の価値の向上

今回の記事や、以前の火星探査など宇宙関連関連のトピックスからは「複数の技術の統合利用と複数の適用先となる場という「資源」の価値の向上」が予想できるかと思います。

イノベーションの言葉を聞かない日は無い昨今ですが、科学技術面からは、高度な技術課題とその成果の適用先(市場)が見えることが、大変重要かと思います。

今回の潜水艦の発見では、新型の音波探知機や無人潜水艇といった海洋探査技術の進歩が発言に繋がったとの事ですが、

JAMSTEC | 海洋研究開発機構のサイトには、
海洋だけでなく、
都市空間での詳細な熱中症リスク評価技術の開発や、小惑星が外惑星領域から移動してきたことを初めて実験データで証明した研究なども記載されています。

http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/

また、異分野のコラボでは、以下の様に海底マップを作るプロジェクトDeSETが募集されています。
https://deset.lne.st

100m程度の分解能で計測済みの面積は、全体の15%以下。海底には、未だ広大な未知の領域が残されています。
詳細な海底地形図を作ることで、津波の発生や水産資源の移動、気候変動、海底地震、鉱物や有機物等の海底資源、ケーブルやパイプラインの経路等に対して、これまでにない有用な知見を得ることができるはずです。
海底探査技術開発プロジェクトは、海底地形図作成を飛躍的に加速する新しい技術の開発を支援します。』

以前の本ブログのトピックス
『「火星探査のためのロボット蜂開発」に思う「開発環境・開発課題という資源」』
のロボットバチ型探査装置や、

『宇宙ビジネスに出る日本の自治体にみる「宇宙の棲み分け」の促進』
でご紹介した、土星の衛星タイタンでの活動を目的としたトンボ型探査機、

『中国の月着陸にみる高度な課題設定という世界情勢を見るときのヒント』
など、宇宙開発でも複数の斬新な技術が必要となり、またその技術が他の分野にも貢献していく様に、

深海も、複合技術の開発と、幅広い転用先を産む場という「資源」であり、この資源を廻る国際競争も激しくなって行くものと考える次第です。

 

以下のランキングに参加しております。ぜひ、クリックよろしくお願い申し上げます(^^)


中小企業診断士ランキング


特許・知的財産ランキング

Follow me!