『ニュータイプの時代』を読んで-自己改革の重要性

Arek SochaによるPixabayからの画像

【今日のポイント】

『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』の著者、山口周氏の新刊。

世界の動向から、今後私達が身につけるべき行動様式や心構えについて、個人と組織の両面から具体的に解説しています。

今までのやり方、考え方に疑問をお持ちの方や自己成長の進め方に関心をお持ちの方にお薦めの一冊です。

『ニュータイプの時代

『ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式』を読みました。

ベストセラー『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』の著者 山口周氏の新刊です。

本書も期待に違わず、多くの気づきを得ることが出来ました。

本書の構成は以下のとおりです。

(引用は『』でくくります。 太字と改行は筆者挿入、以下同様)

『はじめに
・「20世紀的優秀さ」の終焉
・「正解を出す力」にもはや価値はない
・オールドタイプは現代の問題を拡大再生産している
・ニュータイプは問題を「発見」できる人

第1章 人材をアップデートする6つのメガトレンド――ニュータイプへのシフトを駆動する変化の構造
[メガトレンド1]飽和するモノと枯渇する意味
[メガトレンド2]問題の希少化と正解のコモディティ化
[メガトレンド3]クソ仕事の蔓延
[メガトレンド4]社会のVUCA化
[メガトレンド5]スケールメリットの消失
[メガトレンド6]寿命の伸長と事業の短命化

第2章 ニュータイプの価値創造――問題解決から課題設定へ
1 問題を解くより「発見」して提案する
2 革新的な解決策より優れた「課題」
3 未来は予測せずに「構想」する

第3章 ニュータイプの競争戦略――「役に立つ」から「意味がある」へ
4 能力は「意味」によって大きく変わる
5「作りたいもの」が貫通力を持つ
6 市場で「意味のポジション」をとる
7 共感できる「WHAT」と「WHY」を語る

第4章 ニュータイプの思考法――論理偏重から論理+直感の最適ミックスへ
8「直感」が意思決定の質を上げる
9「偶然性」を戦略的に取り入れる
10 ルールより自分の倫理観に従う
11 複数のモノサシを同時にバランスさせる

第5章 ニュータイプのワークスタイル――ローモビリティからハイモビリティへ
12 複数の組織と横断的に関わる
13 自分の価値が高まるレイヤーで努力する
14 内発的動機とフィットする「場」に身を置く
15 専門家と門外漢の意見を区別せずフラットに扱う

第6章 ニュータイプのキャリア戦略――予定調和から偶有性へ
16 大量に試して、うまくいったものを残す
17 人生の豊かさは「逃げる」ことの巧拙に左右される
18 シェアしギブする人は最終的な利得が大きくなる

第7章 ニュータイプの学習力――ストック型学習からフロー型学習へ
19 常識を相対化して良質な「問い」を生む
20「他者」を自分を変えるきっかけにする
21 苦労して身につけたパターン認識を書き換える

第8章 ニュータイプの組織マネジメント――権力型マネジメントから対話型マネジメントへ
22「モビリティ」を高めて劣化した組織を淘汰する
23 権威ではなく「問題意識」で行動する
24 システムに耽落せず脚本をしたたかに書き換える 』

 

本書からの気づき

本書からの気付きは以下のとおりです。

・『社会のUVCA化による、「予測の無価値化」
(中略)「 V U C Aな世界 」では 、環境は連続的に変化し続けているわけですから 、どこかの時点での環境に高度に最適化してしまえば 、それは次の瞬間には時代遅れなものになってしまうからです 。』

同氏も取上げていますが、アラン・ケイの『未来を予測する最良の方法は未来を発明する事』が思い起こされます。

 

・『「問題の希少化 」を招いたのは構想力の衰え
(中略)
つまり 「問題が足りない 」というのは 「ビジョンが不足している 」というのと同じことなのです』

構想力や問題意識、なによりも自分自身の価値観や人生観が問われるようになっている事をしさしているとかんじます。

 

 

・『ニュ ータイプはあくまで 「課題の設定とその解決 」にこだわる』

イノベーションの停滞を、セグウェイの例を引きながら『課題の不足』と指摘しています。

イノベーションは手段、あるいは課題達成時の結果としての状態であり、目的化する事を避けるべきとも解かれていますが、やはりビジョン⇒課題設定⇒目的⇒手段の順に考える事が必要ですね。

これは、契約の業務をしていても、つとに感じるところです。

 

・『現在の社会では 、ヒト ・モノ ・カネのうち最も貴重な資源が 「ヒトのモチベ ーション 」となっている』

知的資産経営における人的資産だけでなく、その人的資産のモチベーションを上げるためのビジョンややりがい、コミュニケーション活性化の仕組みなどの構造資産、社内だけでなくお客様や取引先、更には社会全体の共感や連帯感、信頼感を得る関係資産など、 「ヒトのモチベ ーション 」にフォーカスした知的資産の構築・維持と活用が求められていると考える次第です。

 

・『グロ ーバル化の進行により 、これまで国内のロ ーカル市場でスケ ールメリットを得ることができなかったニッチビジネスも 、 「グロ ーバル市場におけるニッチ 」というポジショニングをすることで 「スケ ール 」と 「フォ ーカス 」を両立させることが可能になりつつある 。』

このブログでも何度か採り上げている「尖る価値」が市場のグローバルニッチ化によってますます高まっている事を改めて認識した次第です。

 

・『ニュ ータイプはいち早く 「意味がある 」市場へとシフトし 、ユニ ークな 「意味のポジション 」を築くことで 、高い収益と安定的な基盤を築こうとする 。』

「役に立つ」市場は、勝者総取りに進み多数が敗者となり、「意味がある」市場は多様化が進むという著者の指摘は、中小企業において特にその志向すべき方向を示しているかと思います。

 

・『優秀な人材を集め 、彼らのモチベ ーションを引き出すためには 、 「 W H A T 」 「 W H Y 」 「 H O W 」を明確化し 、それらを整合的に 、共感できるスト ーリ ーとして伝えることが必要となる』

著者は、相対的に「 H O W 」の重要性が低くなると語っていますが、「 W H A T 」 や「 W H Y 」 を明確化する方法としての「 H O W 」はむしろ重要性が増すのではないか、この「 H O W 」を変えないと「 W H A T 」 や「 W H Y 」 も変わらないのではないかと考える次第です。

 

・『「大きな方向性は持った上で 、すべてを予定調和させるのではなく 、直感と予感に基づいて仕込みをする 」という営み =ブリコラ ージュが今後はリ ーダ ーにとって必須の素養となる 。』

生物界の突然変異のような「エラー」を意図的に発生させる仕組みを組み込むことの重要性。多様性の確保とそのトライアンドエラーのフィードバックが、重要な知的資産となってきます。

 

・『進化のスピ ードが早く 、複雑化していく世界において 、外在的なル ールだけに頼って自分たちの行動を律するのはリスクが大きすぎる 。これからの時代は 、自分の中にある 「真 ・善 ・美 」の基準に照らして 、自分たちの行動を律していかなければ大きなカタストロフィを回避することはできない 。』

『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』https://amzn.to/2zazagAと同様に、自分の内的な価値基準の確立と改善を説いています。

これは個人だけでなく、組織としても意識すべきことかと思います。

 

・『成長の肥料となるのは 「体験の質 」と 「仕事の環境 」であることがわかっている 。 「体験の質 」と 「仕事の環境 」を改善するためには 、自分とフィットした 「場 」を得るためにポジショニングを図る必要がある 。』

これも、個人のワークスタイルやキャリアデザインだけでなく、企業のポジショニングにも通じるところがあるかと感じます。

 

・『現在のような V U C A化によって 「専門家 」の価値が目減りする世界において 、これまでのような盲目的に専門家を信頼するオ ールドタイプの思考様式は新しいイノベ ーションの芽を摘んでしまう可能性がある 。
このような時代にあって望まれるのは 、専門家の意見と門外漢の意見を区別せず 、ニュ ートラルかつフラットに両者を扱うニュ ータイプの行動様式である 。』

SNSなど、門外漢の意見を得る方法が増えている中、いわゆる『集合知』の様に、専門家と門外漢の意見を組み合わせる仕組みと行動様式を持っている事の有効性を示唆しています。

これは個人レベルでも可能になってきているとともに、個人と組織の情報格差の縮小と、情報の取り扱いの巧拙や姿勢による成果の差の拡大も示唆していると考えるところです。

 

・『「たくさん試して 、うまくいったものに身を寄せていく 」というニュ ータイプの行動様式を実践するには 、 「やめる 」ということもまた必要になる』

この言葉にあのベストセラー『嫌われる勇気』を思い出し、やめるための勇気もまた重要と感じた次第です。

 

・『構想力を高めるためにはリベラルア ーツが必要 。サイエンスは与えられた問題を解く際に極めて切れ味の鋭い道具となるが 、そもそもの 「問いを設定する 」ことは得意ではない 。
(中略)
リベラルア ーツを学ぶことで 、自分の中に時間軸 ・空間軸で目の前の常識を相対化するリテラシ ーを持つことができる 。この 「常識への違和感 」が 、誰も気づいていない新しい問題の提起へとつながることになる 。』

これも、個人レベルだけでなく、人材育成の観点から自社の人材採用や育成時に検討すべき課題と感じます。

 

・『ニュ ータイプは 、システムに一応は適応してシステム内での発言力 ・影響力を蓄えながら 、システムの持つ課題を見据え 、システムを改変するために運動する』

組織を変えるためには中にいることが必要との指摘。

このことに限らず、本書では自分の内的な価値基準をベースにしたバランス感覚や柔軟性を非常に重視していると感じます。

この様な人材を得るために、組織はどの様にあるべきかが問われていると感じるところです。

 

こんな方にお薦め

個人、組織のいずれかで、今までのやり方や考え方に疑問や行き詰まりを感じている方、

世の中がどのような方向に進んでいるのか、その中でどのような行動様式を取ることが必要なのかを考えている方、

『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』を読んで、更に具体的な方法を知りたい方にお薦めの一冊です。

『ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式』

 

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