製薬業界のビジョン策定にみるAI・ICTが引き起こすバリューチェーン間の競争

ビジョン 提示 Vision

【今日のポイント】

AI・IoTなどの新技術が既存の業界の変容を促すことは既に明白になってきているかと思います。

新旧のバリューチェーン同士の競合が進む中で、どちらの側に立つにせよ、自社や自分たちの業界が、どう変わろうとしているのか、どの様な価値を顧客や社会に提供しようとしているのかを市場や取引先、社会に示し、理解を得るためのビジョン策定と提示がますます重要になってきているかと思います。

● 【Focus】相次ぐ製薬業界のビジョン策定 “社会の見る目”を意識した提言を

2019/1/29のミクスonlineに表記の記事が掲載されていました。

(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)

『製薬業界は、医療ICTの進展やこれに伴う地域医療システムの変革を見通し、新たな時代の産業ビジョン策定を急ぐ。

日本製薬工業協会(製薬協)は1月24日、「政策提言2019-イノベーションの追求と社会課題の解決に向けて」を公表した。日本ジェネリック製薬協会も、ジェネリック医薬品産業ビジョンの今秋策定に向けた議論に着手した。(望月英梨)

産業ビジョンと言うと薬価の制度設計ばかり注目を集めがちだが、今回は少々様相が異なる。
政府の推し進めるSociety5.0は、地域医療を一変させる力を秘めている。
医療ICTやビッグデータの利活用が地域や社会のシステムを一変させるような破壊力を持つ中で、いまの製薬ビジネスにおいても無視できない存在にまで急成長してきた。
極端に言えば、AI(人工知能)が診断の精度を高め、ロボットが手術を行い、処方薬はドローンが届ける。2040年には、そんな世界が到来する。破壊的イノベーションが我々の背中に音もなく迫っているのだ。まさに産業構造改革の羅針盤たるビジョン策定が急がれる背景はここにある。』

と、AI・IoTやドローンなどの新技術によって、地域医療の産業構造も一変するとの問題意識を提示しています。

 

● 医療の「見える化」が引き起こす医療産業内部からの変化

同記事では、また、

『データを通じた処方動向の“見える化”は、基幹病院、保険薬局それぞれがベンチマークされ、医療従事者の処方動向を含めた行動変容につながる。

この話は一見、ジェネリックビジネスにとっては追い風にも見えるが、そうとも限らない。

ビッグデータの活用は、医療従事者自身の課題や改善ポイントを抽出する魔力がある。

例えば医師や薬剤師が隣の芝生をみるように、自院における処方薬の課題を見つめ、そして解決策を自身が見出す。

こうした個々の活動が地域内で行われ、そのデータが集積され、それを共有することで、地域医療のシステムそのものを大きく改善し、変革させるパワーを秘めている。』

と、ビッグデータによる医療ビジネスの「見える化(可視化)」により医療従事者自身が、自分たちおよび医療分野全体の動きを把握することが、各ステークホルダーの課題の認識と解決策に向けた行動を促す効果が期待できるとの見解も示しています。

このように、内部、外部からAI・ICTなどの新技術、ジェネリック等規制の変化による新しいバリュチェーンが今後医療分野にも登場する兆しが見えているという事例かと思います。

その様な新しいバリューチェーンの登場は、当然ながら、既存のバリューチェーンのプレーヤーにも自己変革を促すものですが、

受けて立つ側にとっても、自社や自業界がどう変わるのかを市場や取引先に理解してもらえないと、新しいバリューチェーンのプレーヤーに取って代わられかねませんね。

従って、業界としても、各企業としても自身の変革の方向をビジョンで示し、社会やステークホルダーの理解と共感を得る必要が出てきており、今回の医療業界のビジョン策定もその動きの一つと言えるかと思います。

そして、そのビジョン策定と関係者への提示において、知的資産経営報告書もそのツールになり得るものと考える次第です。

 

● 関連する本ブログのトピックス

・「宅配事業とEC事業の連携にみる可視化の有効性とバリューチェーン全体での対応の重要性
生産性向上や人材不足への対応などの課題において、バリューチェーン全体での対応が必要になってきています。

そして、モバイル端末、AI・IoTなどの新技術や新サービスの活用で、商品・サービスの流れを見える化することで顧客も含めた生産性向上対策が可能になることが窺える事例かと思います。

・「公正取引委員会の異業種連携指針策定にみるビッグデータが変える市場競争
中小企業においても、自社のデータや知的財産、それを蓄積し活用する仕組みと言った知的資産を今まで以上に自社の競争力を左右する要素として考える必要性がますます高まっています。

・「「起業家のまち」仙台市の取り組みにみる「現場」への機能集約とビジョンの共有
地域の活性化において、現場への権限委譲、経営リソースの配分変更という、集中型から分散・自律型への移行は一つの流れになっているかと思いますが、

 

 

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