三体問題との類似で見る事業や政策評価の難しさ

● 三体問題:影響因子が3つ以上あると不安定に

SIGNALつながりで、未来予測について少し考えて見たいと思います。

(引用は『』でくくります。 太字と改行は筆者挿入、以下同様)

三体問題は古典力学における以下のような問題です。
『重力ポテンシャルの下、相互作用する三質点系の運動の問題[1][2]。天体力学では万有引力により相互作用する天体の運行をモデル化した問題として、18世紀中頃から活発に研究されてきた。運動の軌道を与える一般解が求積法では求まらない問題として知られる。』

ウィキペディア https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E4%BD%93%E5%95%8F%E9%A1%8C

惑星三体運動の予測不可能性からは、色々な事象における2極構造の安定性とそれ以外の要素数での不安定性、非線形性による予測困難性などの説明のアナロジーとしても使われますが、社会学や政策分析、企業の事業戦略に共通の問題かも知れないと思っているところです。

 

● 影響因子は洗い出せても

ある政策に影響する因子、例えば為替(ドル-円)について、貿易収支、各国の金利、景気などの因子が、それぞれ為替にどう影響するか(円高側か円安側か)は、おおよそ事前に判断できるかと思います。

しかし、因子間のパワーバランスや因子同士の相互影響が判らないため、結果がどちらにどの程度触れるかは、金融のプロでも予測は難しく、従って政策の比較評価も出来にくいという面は確かにあると思います。

これは、行政に限らず、企業経営プロジェクトにおける結果予測についても同様かと思います。

いくら影響因子を詳細に分析しても、どの因子が他の因子よりどの位影響力が強いのかは、主要な因子だけでも3つ以上になると定量的な推定は非常に困難になると思います。

 

● それではどうすれば良いのか?
  三体運動への対応では、対象とする事象を2つずつの影響因子の作用する場に分解(モデル化)して、一つずつ解いていく方法などが挙げられています。

これはまさに王道であり、このやり方がほとんど取りえる唯一の予測手法であることも多いかと思います。

 ただ、3つ以上の因子が相互に影響し合う場合、なかなか現実的な分解方法がない(無理やり分解すると、分析後に再統合しても誤差が大きすぎて使えない)こともまた多いのではないでしょうか(経営環境の変化への対応などもこれに当たるかと思います)。

 では、そのような問題にどう対応すればよいのかといえば、

「予測を当てる」のではなく、影響因子の洗い出し→相互のパワーバランスをいくつか設定→それぞれの結果として起こりえるパターンを想定し、

「想定しうる最悪の事態に対して準備をしつつ」、周囲環境よりも自分の望む(あるべき)姿の実現に力を注ぐ方が現実的かもしれません。

これは、ご案内のとおり、「シナリオプランニング」の考え方であり、「複雑系」の解説などでも見られる、予測不可能な事象への対応に関する考え方でですね。

知的資産経営報告書のSWOT分析や価値創造ストーリー作成においても、このように「一つの未来を予測する」という形から、「複数のストーリーを想定し」、その中から自社にとって望ましい未来を選んでそこに達するための計画を立てていくという視点がヒントになるのではと考える次第です。

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