ペーパレスでの飛行機搭乗システムにみる「AI・ICT技術によるアイデンティティの拡散と原点回帰」

● 近い将来にペーパーレス搭乗

2018/10/25の1日5分ビジネス英語に表記のトピックスが掲載されています。

米国で、生体認証によりパスポートなどの書類不要で飛行機に搭乗できるシステム導入の取り組みが始まっていることを伝えています。

デルタ航空の生体認証システムの動画

 この他に、1日5分ビジネス英語では、
「パスポートスキャン、ID詐欺の温床」
という題で、パスポートの画像イメージなどが闇サイトのブラックマーケットで数ドルで取引されており、サイバー犯罪者がユーザーのアカウントへのアクセス権を得るための個人情報取得に利用されていることを紹介しています。

フェースブック・英国航空の顧客情報流出など、最近のニュース記事からも、個人情報や個人認証に関する問題が顕在化しているとの感を深くする次第です。

 

● 個人、そして組織の情報とアイデンティティの漏洩・拡散

上記のようにAI・IoTやスマホアプリなどの新技術・サービスにより、既存のアイデンティティの確認方法が危険に晒され、ネット上に個人のアイデンティティ情報が拡散しています。

さらに、最近の欧州でのEU著作権指令の改正案や個人情報の保護に関する一般データ保護規則(GDPR)などの動きを見ても、個人だけでなく国家などの組織も自身の情報拡散に危機感を抱いていることが、基本的に全ての事象をコントロールすることを志向する国家としての最近のインターネットの規制にもつながっているかと感じました。

 

● アイデンティティ確認の原点回帰

上記のように、新技術によって個人や組織のアイデンティに関わる情報が漏洩・拡散する一方で、その新技術が、アイデンティティを確かめる方法として、「顔パス」の新しい形での復活を実現する流れも起きているかと思います。

昔の顔パスは本人に実際に会い、交流(あるいは取引)することで、本人の外観、人格や経済力、社会的身分などを全て合わせて評価する結果として生じるものですが、

本人に会うことで相手を確かめるところから、印鑑、パスポート、クレジットカードなどのアイデンティティの一部切り出しによる利便性や持ち運びの容易化へと進んできたかと思います。

そして今、AI・ICTなどの技術、SNSでの言動など合わせて、
ビッグデータでまた全人格的な評価が可能になることで、全人格を対象としたアイデンティティ確認に収束を始めたという螺旋的発展が起きていると感じます。

アップルの声認証特許などもこの流れの一環ではないかと思う次第です。

なお、螺旋的発展については、
「空飛ぶ車と未来を予見する「 5 つの法則」」
でもご紹介した、

「未来を予見する「5つの法則」 」
単行本 ? 2008/9/19 田坂 広志 (著)
等が参考になるかと思います。

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