知的財産推進計画2018にみる知財の価値の範囲拡大と評価ニーズの高まり

● 内閣府 知的財産推進計画2018策定 

2018/6/12に知的財産戦略本部は、知的財産ビジョンと、知的財産推進計画2018を公表しました。

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/index.html
(引用は『』でくくります。 改行は筆者挿入、以下同様)

今回のビジョン及び推進計画では、クールジャパン戦略とも関連付けられ、同戦略を進めるうえでの施策の一つとしても機能することを図っています。

知的財産戦略ビジョンでは、2030年をターゲットに、

1.将来につながる現在の環境変化や兆候
から
2.予測される将来の社会像を描き、
その社会の中で、

3.将来における「価値」とそれを生む「仕組み」
はどのようなものであるべきかを考え、

4.日本の特徴
の長所と短所を踏まえて、

5.将来の「仕組み」に向けた検討課題
として、目指すべき社会の姿を「価値デザイン社会」と規定して、
そこに至るための課題、施策を展開するという構成となっています。

この中で、私が注目した事項の一つに「知財のビジネス上の価値評価」
があります。

● 知財の価値評価における、知的資産経営の利用

知的資産経営2018では、その三本柱
1.人・ビジネスを育てる
2.挑戦・創造活動を促す
3.新たな分野の仕組みをデザインする

の1.人・ビジネスを育てるの1番目の施策として、

知的財産戦略本部の検証・評価・企画委員会における知財のビジネス価値評価検討タスクフォース(価値評価TF)で検討された経営デザインシート等の考え方を、統合報告書や知的資産経営報告書、ローカルベンチマーク等に導入することを謳っています。

経営デザインシートの記入要領は以下に記載されていますが、
全社用と事業用の2つに分かれていて、それぞれ、シート1枚にまとめられるようになっています。

 

経営デザインシート記載要領
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/kensho_hyoka_kikaku/torimatome/design.pdf

一見すると、「事業価値を高める経営レポート」にも似ていますが、

今後の知的資産経営報告書やその利用方法にも、影響が及ぶ可能性は高く、その動向は引き続き注視していきたいと思います。

 

● 知的財産の価値の範囲の拡大と評価ニーズの高まり

今回「知的財産の評価」として知的資産経営報告書などが採り上げられているところに、
特許などの従来の知的財産に加えて、人、仕組みなどの知的資産が、産業競争力強化や人材確保などでにおいて重要であることが明確化されてきたことが窺えます。

また、2018/6/27に、公正取引委員会の「人材と競争政策に関する検討会」
の報告書説明会に参加しましが、

「公取の「人材と競争政策に関する検討会」報告書にみる「規制と多様化」」
https://wp.me/p9D2bS-uO
でも紹介したように、

働き方の多様化の中で、フリーランスやIT人材を始めとする個人として
働く人達と企業側との調整をどのようにとって行くのかについて、
競争政策の面から検討しています。
(説明会のページの動画も参考になるかと思います)
https://www.jftc.go.jp/cprc/conference/jinzaisetsumeikai.html

少子高齢化、働き方改革による働き方の多様化などと、今回のクールジャパン戦略などが絡み合う中で、行政も知的財産を幅広くとらえ、その中でも「人材」に焦点を当てて、各所が施策を打ってきていることが見て取れます。

企業においても自社の知的資産、特に人的資産の確保・強化を図る上で、上記のような知的財産、知的資産の価値評価の動きにも目配りすることの必要性を改めて感じた次第です。

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