コンピュータ導入で生産性低下の記事にみる分業と専門性への集中の重要性

OA 生産性 専門家 スキル

● 「コンピューターの導入によって社内の専門家の生産性が低下してしまった」という指摘

2018/10/10のGigaziNEに表記の記事が掲載されていました。

(引用は『』でくくります。 太字と改行は筆者挿入、以下同様)

『コンピューターの導入は大きく労働者の生産性を向上させたとされており、21世紀においてはコンピューターを使用しないで仕事を進めるのが難しいほどになっています。そんなコンピューターの導入が、「会社内の専門家の生産性を低下させる一因になった」と、ジョージタウン大学でコンピューターサイエンスの准教授を務めているCalvin Newport氏が指摘しています。

On the Law of Diminishing Specialization – Study Hacks – Cal Newport
http://calnewport.com/blog/2018/10/03/on-the-law-of-diminishing-specialization/

Newport氏は、主にコンピューターを始めとするテクノロジーが、どのように社会に影響を与えたのかという研究を行っています。そんなNewport氏は、研究の最中にジョージア工科大学の研究者であるPeter G. Sassone氏が1980年代後半に行った研究に興味を持ちました。

(中略)

Sassone氏は「私が収集したデータと分析により、オフィスにコンピューターを導入する際のコストに関する、ある重要な洞察が得られることに気づいた」と述べています。オフィスの生産性を測定するにあたり、Sassone氏は個別の労働者の総合的な生産性だけでなく、業務を遂行するスキルについても測定を行いました。調査を行う中でSassone氏は、「社内で熟練した技能を持つ専門家やマネージャークラスの人材が、膨大な時間を『より業務スキルが低い労働者でも遂行可能な単純なタスク』を処理するために費やしている」という事実に気づいたそうです。

(中略)

Sassone氏は専門家が熟達したスキルを必要としない業務を行っている事例として、「マーケティング部門の専門家は、1週間に1日以上の時間をプレゼンテーション用のチャートやグラフ作成に費やしている」「銀行家が顧客との間に発生しているルーチンタスクを処理するのに、1日の業務時間の25%以上を費やしている」というものを挙げています。』

と、ジョージタウン大学でコンピューターサイエンスの准教授を務めているCalvin Newport氏が
コンピューター導入により、プレゼンテーション資料の作成や経理処理などが専門的なスキルを持った一部の従業員でなくとも出来るようになった結果社員の多くがこのような自分自身の専門性とは関係ない業務に携わることになったため、組織全体の生産性が低下するという現象を指摘していることを報じています。

同記事の中で、

『Newport氏は、「発達したテクノロジーの導入は、それだけで組織が効率化できるものではありません。専門的なスキルの持ち主が、いかに重要な仕事に注力できるようにするかを考えた組織作りが大切です」と主張しています。』

と専門的なスキルを発揮できる組織づくりが、新技術導入への対応として必要とのNewport氏のコメントを紹介していますが、これはAI・IoTの導入においても言えることではないかと思います。

 

● ツールは使い方が重要

どんな技術、ツールも使い方によって思わぬ副作用を産むということが、今回の記事からも見て取れるかと思います。

経理部門等間接部門の人員を削減するためのOA、ICT導入が、マーケティング等の専門家の生産性を低下させるという、全体最適から遠くなるという結果をもたらすことは、今後の生産性向上の取り組みの中で忘れてはならない視点かと思います。

米国では、分業が発達していてスキルの向上と業務の標準化に貢献していると聞きますが、今後のAI・IoTなど高度な専門性が幅広い業種で要求される中で、何が間接部門と直接部門という区分けよりも詳細な業務のカテゴリー分けを行い、そこに集中出来るような分業体制を、部門や業務間のコミュニケーションを維持しながら確立することが必要となってきていると感じます。

 

● 業務の可視化で気づきを得る

従業員がどんな仕事にどのくらい時間を割いているのかを可視化することの重要性は、以前から企業の生産管理や個人の時間管理術では広く目にしているところかと思います。

「神・時間術」(樺沢紫苑著) などでも、自分のやることをToDoリストで見える化して、実際にどれくらい時間がかかったか、どこまでやれたかを可視化し、フィードバックすることで生産性の向上とモチベーションアップに結びつくことが指摘されています。

そして、今回のような業務活動のデータによる可視化は、「睡眠推奨制度にみる生産性向上へのニーズ」で採り上げたエアウィーブ社のが提供している睡眠の可視化と同じく、組織の生産性に関する気づきをもたらすものであり、人的資産や構造資産の強化や、生産性向上におけるKPIの設定にも役立つものと考える次第です。

 

★ 「いちいちブログを見に行くのは面倒、自分の関心のある記事だけ読みたい」
とお思いではありませんか?

「知的資産経営で会社を元気に」公式メルマガでは、
このブログのサマリー、今日の名言などを配信しています。
日々の活動から得た、業務効率化や勉強法などメルマガだけの内容もありますので、ぜひご活用下さい!

バックナンバーはこちらから

ぜひ、こちらのフォームからご登録下さい(^o^)!

Follow me!