豆腐の品質表示ルールに考えるビジネスチャンスを見つける方法

【今日のポイント】

2017年に一度お伝えした「豆腐の品質表示」のルール案がいよいよ実現しそうです。

詳細、多様な表示は、内容を正確に伝える一方で、それを理解して使いこなすスキルや知見を消費者側にも要求します。

そのギャップを埋めるところに新たな付加価値を生む機会が見つけられます。

 

● 「本格」や「京風」は使っちゃダメ!? 豆腐の“表示”が変わるかもしれない

2019/2/26 FNN.JPに表記の記事が掲載されていました。
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)

『日本豆腐協会や全国豆腐連合など豆腐製造の業界団体が、パッケージなどの表示に関する新たなルールをまとめている。

現行の食品表示法等では、豆腐の表示には明確なルールが無いため、メーカーが自由に製品の謳い文句を使用していたが、厳格な表示の基準を定め、一部で使えなくなるNGワードも出てくるというのだ。
以下がそのルール案だ。』

豆腐の表示のルール案の中では、
NGワードとして、
「本格」「○○風」などの根拠が不明、「天然」、「自然」、「最高級」、「最上級」などの客観性が乏しい表示などが挙げられています。

そして、表示の基準が明確になるものとして、

『・「濃厚」、「特濃」、「濃い」…濃度を強調する場合は大豆固形分が11.5%以上とする。
「手づくり」…手づくりを強調表示する場合は、冷却豆乳や凝固剤の副材は使用せず、凝固剤は手技で混合する。
「新穀」、「新大豆」…収穫されてから概ね4ヶ月以内の大豆を使う。
「国産」、「○○産」、「特定銘柄」、「特定品種」、「契約栽培」…強調する場合は当該原材料を100%使用する。
「生とうふ」…強調する場合は、成型したあとや、容器包装に密閉された後に加熱処理を行わない。』

などが挙げられています。

そして、原料と製法などによって13種類に分類されるとのことです。

● 豆腐の堅実な需要動向 VS 減少する豆腐屋さん

豆腐は今でもおなじみの食材ですが、商工会議所の資料では、

『製品の市場動向
豆腐業界およひ゛市場動向等について
厳密な統計資料か゛なく推定としては、小売段階て゛ 5~6 千億円程度と想定されている(注)。 なお、豆腐と油揚け゛なと゛揚け゛物類の生産割合は、大豆の使用量からみて豆腐 7、揚け゛物類 3 の割合程度と想定されている。』

http://www.shokokai.or.jp/36/362061S0006/1_34011/豆腐製品需要動向調査.pdf

と豆腐は年間約4000億円の市場と見ています。

食の健康志向が高まる中で、今でも豆腐は業務用、家庭用とも多くの需要があることが窺えます。

一方で、豆腐製造業側の動向としては、

『豆腐事業者数の推移・販売額等
最も多かった昭和 30 年代には 5 万余の事業所に達していたか゛、年々減少の一途をたどっている。

その要因は、機械化が取り入れられたこと、スーパー等大型店を通す販売が進み、 ある程度の事業規模が必要となったことなどがあげられる。

その生産量や消費量は、先の大豆の使用量から見ても大きな変化はみられていない。』

と流通形態の変化も手伝って寡占化が進んでいます。

● 豆腐の表示改定の消費者メリットと逆に求められるリテラシーやスキル

以前
「「豆腐」の定義付けの動きにみる「定義」と「メッセージ」の関係」
で、商品の提供者側から見た、表示における定義付けや消費者へのメッセージとしての表示の重要性をお話ししましたが、

今回の記事では、
ユーザー側のメリットとして

消費者の方に分かりやすい表示にすることで、目的に応じて豆腐を使い分け出来るという点を挙げています。

ただ、記事中でも、分類数が多すぎるのではとの指摘が出ていましたが、これは、携帯電話の料金メニューと同様な課題ですね。

ユーザー側のニーズと使いこなしの習熟の度合いに合わせた表示が必要となるわけですが、

逆に、ユーザー側も、こういったメニューの多様化、表示の明確化の恩恵を受けるためには、使う側としてのスキルやリテラシーが求められることを、今回の豆腐の表示や携帯料金メニューは示しているかと思います。

豆腐の場合は、上記の記事に記載されているように、以前は街の豆腐屋さんと相談しながら購入することでこういった問題を解決していたわけですが、

今後も、対面での販売から一括販売やネット販売に移行している商品・サービスについて、ユーザーのリテラシーを向上させる、あるいは使いこなしをサポートするサービスには、新たなビジネスチャンスが出て来るものと考える次第です。

 

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