鹿島建設の自動化施工システム『クワッドアクセル』にみる自動化によるデータの重要性の変化の把握方法

● 自動化施工システム『クワッドアクセル』/生産性向上へ手応え/鹿島にみる自動化によるデータの重要性の変化

2018/12/4の建設通信に表記の記事が掲載されていました。

https://www.kensetsunews.com/archives/265222

(引用は『』でくくります。 太字と改行は筆者挿入、以下同様)

『【小石原川ダムで盛土実施】
 鹿島は、堤体盛立の最盛期を迎える小石原川ダム本体建設工事(福岡県朝倉市)で、建設機械の自動化施工システム「A4CSEL」(クワッドアクセル)による本格的な盛土作業を実施した。

無人のダンプトラックとブルドーザー、振動ローラーの3機種計7台が1人の指示により自律的に自動で稼働。生産性向上に向け鹿島は「建設現場を最先端の工場へ」とする目標を掲げており、今回の施工で大きな手応えを得たようだ。

クワッドアクセルはコマツとの共同開発となり、汎用の建設機械に計測装置や制御装置を搭載し作業の自動化を実現
リモコンなどによる従来の遠隔操作とは異なり、1人がタブレット端末により複数の機械に作業指示を出せるほか、機械が自律的に判断し作業する

 熟練者の運転技術をプログラミングしているため精度が高く省人化による生産性向上や安全性向上にもつながる世界初の技術として注目され、第19回国土技術開発賞最優秀賞、16年度土木学会賞技術開発賞を受賞するなど高く評価されている。』

コマツとの共同開発で、1人がタブレット端末により複数の機械に作業指示を出せるほか、機械が自律的に判断し作業するそうです。
色々な現場で自動化が進んでいる様子が窺えます。
鹿島建設の、クワッドアクセル(A4CSEL)のサイトはこちら

 

● 自動化に伴うデータの変化

上記の記事によれば、2015年11月に五ケ山ダム建設工事(福岡県那珂川町)で行われた実証実験について、

『報道機関や関係者らを招いた11月30日の見学会では5時間かけて1層を施工した。施工する鹿島・竹中土木・三井住友建設JVの山脇健治工事事務所長は「施工スピードは速く、人力よりも安全だ。施工管理の間違いもない」と導入の効果を強調。
「ただ、データの取り違いなど施工計画のミスはこれまで以上に厳しくなる」としている。』

と、同社は、自動化による生産性や安全性の向上をアピールしつつもデータの取扱には今まで以上に注意が必要になるともコメントしています。

自動化により、現場の地形など、制御に必要な情報、データの精度や細かさへの要求は高まる方向にも進むことを裏付けているかと思います。

必要なデータやその精度が、導入する技術によって変わってくる事例といえますね。

 

● 自動化や生産性向上策導入の際に必要なデータや知見は何かを洗い出し、用意する

今回の記事のように、自動化による生産性向上や安全性向上を目的とした自動化においては、作業などの実働面と、その前後における分析面の双方でAI・IoTなどの利用が更に進んでいきますが、その中でAI・IoTを利用するためのデータはなにか、また、導入の目的に応じて作業などのプロセスをどのように設計し直すかを考えるためのデータ、情報の必要性も高まることが予想されます。

その中では、データ管理だけでなく、人のシフトなどの業務のマネジメントシステムもこの様な流れ対応できるよう、今後の技術動向の把握が必要となってきますね。

「データ駆動型従業員管理にみる、生産⇒顧客⇒従業員へのマネジメントツールの流れ」
で、共通の切り口(今回の事例で言えば、人的作業の自動化)で眺めてみて、他の分野で先行している方法を見つけて自社に取り入れていくことは、自社事業の変革のスピードを上げるうえで有効な方法の一つであり、

こういった視点や情報を得る方法としては、共通する切り口をキーワードにして、ネットなどから他分野や他業界、例えばサービス業の方が製造業の手法について情報を得るという方法に加えて、業界横断的にマネジメントシステム等のサービスを提供している企業やコンサルタント等を活用することも選択肢に入れてはいかがかとお話しましたが、

これに加えて、
「マルケト社長インタビューに考えるPDCAの改善とプロセス管理」

「働き方改革対応の労務管理サービスにみるAI活用の一つの方向性」
などでもお伝えした、プロセスやタスクに分解して考えるという方法を自社事業とそのバリューチェーンにおける自動化に必要なデータの検討にも適用することが有効な手段と考える次第です。

 

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