内閣府の知財戦略検討会にみる「モノ売りからコト売りへ」の流れでビジネスを考える方法

●知的財産戦略本部知的財産戦略ビジョンに関する専門調査会(第10回)

2018/12/18に、知的財産戦略本部知的財産戦略ビジョンに関する専門調査会(第10回)が開催されました。

これは、昨年2017/1/1の「内閣府の知財戦略検討会にみる、社会情勢から自社の将来を考えるヒント」
でもご紹介したように、
2025年~2030年頃を見据え、中長期の社会・経済の変化に対応する今後の知財システムの在り方に関する調査・検討を行うというものです。

2016/12/26の第1回から現在までに10回、2019年4月までに計13回開催される予定となっています。

スケジュールはこちら

 

● 価値をデザインすることを応援する人に関する仕組みについて

今回第10回の議題は、
「価値をデザインすることを応援する人に関する仕組みについて」
というもので、

第6回までに検討・作成した2018年度の知的財産計画案とその反響などを取りまとめ、今後の進め方を議論した第7回までの結果を踏まえて、
「価値をデザインする」
というキーワードで、知財ビジョンと知財システムを見直し・構築していくという流れになっています。

価値をデザインすることを応援する人に関する仕組み

知的財産戦略本部知的財産戦略ビジョンに関する専門調査会(第10回)資料2

先日、「経営設計図を使った経営デザイン認証制度にみる見える化のツールの多様化」

でご紹介した経営デザイン認証制度などもこの流れに沿って出てきたものです。

 

● 「モノ売りからコト売り」へ、「応援する人を応援する」へ

「価値のデザイン」は、以前から言われているモノ(商品・サービス)を売ることから、そのモノからお客様が得る価値・喜び(コト)を売るいわゆる「モノ売りからコト売りへ」につながるものであり、「経営デザイン」というのも「価値を提供するための仕組みとしての経営をデザインする」ということかと考えています。

今回の検討会の議論は、AI・ビッグデータやプラットフォームなどの新技術やインフラに加えて、
「価値と何か」の部分にも目を向けて、多様な価値観や、価値あるいは価値観の変化というものにも配慮した社会システムに目を向け、

さらにその価値を生み出す人材だけでなく、そのような人材を「応援する人材」にも着目して、応援する人材自身を支援する仕組みを考えているところに特長があるかと思います。

この、「応援する人を支援する」という考え方は、
「「RPA、介護ロボットにみる「支援する相手の周り」を考える重要性」
などいくつかのトピックスでも紹介してきたように、
生産性向上や介護などの分野では(少なくともその重要性は)だいぶ定着して来たという印象を持っていますが、国の知財戦略全体としても、その重要性が認識されてきたということかと思います。

今後、このような流れに沿って、色々な施策が打たれるとともにそれを見越したビジネスも多く出てくることが予想できるかと思います。

その中で、自社がお客様に提供できる価値をデザインする、あるいはお客様に価値を提供する人を支援するビジネスを考えることが求められてくるかと思います。

そのようなビジネスを考える際に、無形の強みの源泉となる知的資産をベースにした知的資産経営の考え方やフレームワークも有効なツールとなるものと考える次第です。

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