Airbnbの予約キャンセルにみる法規制リスクとその対応の重要性

● 日本へのご旅行を予定されているゲストの皆様へのサポートについて

2018/6/1に、民泊仲介サイト世界最大手のAirbnb(エアービーアンドビー)は、住宅宿泊事業法(民泊新法)施行後の民泊運営に必要となる届出番号やその他の許認可等の記載がないAirbnbのリスティング(物件)に対して、6月15日(金)から19日(火)までの予約をキャンセルすると公表しました。

https://press.atairbnb.com/ja/supporting-travelers-injapan/

(引用は『』でくくります。 太字と改行は筆者挿入、以下同様)

6月1日、国土交通省観光庁観光産業課長通知が、Airbnbを含む各住宅宿泊仲介事業者に急遽一斉に発出されました。同通知によれば、届出番号、あるいはその他のホスティングをするための正当な理由(許認可等)がないホストの方は既に確定済みの予約であってもキャンセルしなければならない旨が通知されています。

この通知は、過去に観光庁からお示しいただいていた対応方針と異る内容で、Airbnbにとっても驚きでした。多くの訪日観光客の方々のご旅行に大きな影響がないよう、本日6月7日も含め、本通知が発出されることが判明してすぐ、観光庁と議論を重ねて参りました。非常に残念ではありますが、観光庁に柔軟な代案をご検討いただくことは叶いませんでした。届出番号の発行を心待ちにしているホストおよび日本への旅行を楽しみにされているゲストへのご負担については一定の理解をお示しになりましたが、既に確定済みの予約であってもキャンセルしなければならないとのご指導がございました。』

と、6/1に出された、民泊新法で必要とされる届出番号などの条件を満たさないホスト(宿泊提供者)については、確定済みの予約もキャンセルしなくてはならないという観光庁からの通知と、キャンセルされるゲスト(予約客)へのサポート内容を掲示しています。

 

● Airbnbも予測できなかった法規制リスク

同社のプレスリリースからは、今回の観光庁からの通知は予測できなかったもので、その後行政にも対応を要望したが受け入れられなかったと述べています。

その後同社が、顧客向けに提供を公表したサポート内容は、かなり充実したものとの印象を受けますが、それだけに同社の負担も大きく、今回のような法規制リスクが及ぼす影響の大きさを印象づけています。

 

● 新しいビジネスモデルにおける法規制リスクへの想像力の重要性

上述のとおり、世界最大手のAirbnbが、行政と新法の施行に向けて情報交換を行ってきていたにもかかわらず、今回のような事態を迎えたということは、新しいビジネスモデルにおける法規制のリスクというのは、現在見えているものに限らないということを如実に表している事例かと思います。

新しい事業、新しいサービスなどを展開する際の法規制などのリスクを想定する際に、想像力を働かせること、現在の法規制で守られている側(今回の例ではJTB)などともいざというときに連携を取れるようなつながりを持っておくことなど、周到な用意が必要だと改めて感じた次第です。

なお、Airbnbは、届出を行うホスト側のサポートについても上記のリリース内で行政書士などの紹介や費用負担などを行うと言及しています。

『Airbnbは、ひきつづきホストの皆様が円滑に必要な届出を行えるようサポートを行ってまいります。これには、行政書士のご紹介や、届出に伴い発生した費用負担について金銭的なサポートを行うことも含まれます。』

これは、ホストとゲスト双方への配慮が必要というマッチングビジネスでは特に顕著な対応例かと思いますが、マッチングビジネス以外の業界でも、事業上のリスクと対応策を考える際に、その対象を幅広く想定しておくことの必要性を示しているものと思うところです。

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