世界の石炭火力発電にみる「技術レベルの落差」の活用

● 国によって異なる石炭火力発電の利活用

2018/6/21の資源エネルギー庁サイトに、表記の記事が掲載されていました。
http://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/sekainosekitankaryoku.html
(引用は『』でくくります。 太字と改行は筆者挿入、以下同様)

『できるだけCO2の排出量を減らし、「脱炭素社会」を目指そうとしている今、石炭を使った火力発電はできるだけ減らすべきだという声もあり、国によっては、石炭の利用を低下させつつあるところもあります。』

と、地球温暖化問題におけるCO2排出量削減が各国の石炭が火力産業や政策に与えている影響について解説しています。

その中で、欧米では古い石炭火力発電から順次稼働を止めて石炭火力を段階的に廃止していく方針であること、中国やインドなどの新興国では、石炭火力の割合が非常に高いため、主に大気汚染対策の観点から石炭火力の新設が鈍化していると述べています。

電源別電力構成(2016年)
IEA/Energy Balances of OECD/NON-OECD 2017
http://www.enecho.meti.go.jp/about/special/shared/img/77ez2-2az56ccn.png

 

● 新興国を中心に石炭火力発電の需要は拡大

上記のような、地球温暖化や大気汚染を抑制する観点からの石炭火力抑制の動きがある一方で、世界の電力需要の伸びは大きく、主に新興国でコストの低い石炭火力発電の需要は伸びていく予想も提示されています。

主要地域における石炭及びガス火力発電容量の増減見通し(2016-2040)

IEA World Energy Outlook 2017 新政策シナリオ
http://www.enecho.meti.go.jp/about/special/shared/img/77eip-2az55qpx.png

そして、電力需要の伸びへの対応と、CO2排出量や大気汚染の抑制を両立させるために、石炭火力発電の技術を磨き、CO2排出量や大気汚染物質を抑制していくことが重要とし、

『日本は、世界の中でも非常に優れた石炭火力発電の高効率化技術を持っています。石油火力発電やLNG火力発電よりはCO2排出量が多いものの、世界の石炭火力発電の平均より少なく、「超々臨界圧発電(USC)」や「石炭ガス化複合発電(IGCC)」などの最新技術を用いれば、さらに削減が可能です。』

と、日本の高度な石炭火力発電の高効率化技術を各国で適用することで、新規の発電需要や、老朽化した石炭火力の更新などを通じて、世界の世界のCO2排出抑制に貢献していくと述べています。

これは、もちろん経済産業省の立場に立った論説ですが、
実際に三菱重工や三菱日立パワーシステムズなど日本のプラントメーカーが海外で石炭火力発電を受注しているのはご案内の通りです。

 

● 衰退産業、逆風に置かれた産業における「技術レベルの落差」の利用

上記はエネルギー問題における他社より高い技術の活用の例ですが、
同じように、成長が鈍化した衰退産業や、環境問題などで逆風の中にいる産業においても、国や企業間の「技術レベル」の差は大きなものがあるかと思います。

日本は、中小企業も含めて高い技術力を持っていますので、海外も含めて全体の市場は縮小傾向でも、その中でシェアを拡大することで収益を上げることは事業の拡大という点では一つの選択肢になり得ると感じます。

新規市場を探す際に、これから伸びる市場に注目することも必要ですが、
今回の石炭火力のように、自社の知的資産が相対的に強みを持っている分野があれば、縮小傾向の市場にもチャンスを見いだせる可能性を感じた次第です。

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