ディズニーとターゲットの提携にみる、自社独自の世界の体験提供の重要性
【今日のポイント】
ネットとリアルを融合させた顧客体験の提供は既に多くの企業がコロナ前より進めていますが、自社独自の世界観やコンセプトをブレずに訴求することは重要な課題と感じています。
そのために、リアルとネットの双方の担当者含めて、社内でビジョンや事業コンセプトを共有するためのツールやそのツールを使う過程自体の重要性も増していると考える次第です。
【目次】
1.ディズニー×ターゲット(米国大手スーパー)によるクリスマス商戦対応
2.独自の世界観とその体験をネットとリアルの双方で提供するマーケティングが業界を問わず普及する
3.自社のビジョンから独自の世界観・コンセプトを創造して発信する
1.ディズニー×ターゲット(米国大手スーパー)によるクリスマス商戦対応
『ディズニー、休暇に向けて大きな計画を立てる Disney plans big for the holidays』
2021/09/03の1日5分ビジネス英語に表記のトピックスが掲載されていました。
米国の大手スーパーであるターゲットと提携しているディズニーのクリスマス商戦に向けた、マーケティング戦略に関するものです。
両社の提携は2019年から始まっているそうですが、ターゲット内のディズニーストアは、ディズニーの世界を体験しつつ、買い物が出来ることを意図しているようですね。
この様なネットとリアルを複合させた顧客体験の提供については、新型コロナが流行する以前から、多くのビジネス誌などで採り上げられていますが、
VRなど仮想現実関係の技術が発達し、新型コロナ下でオンライン化が進むにつれて、さらにネットとリアルの融合が進んでいる事が上記の記事からも窺えるかと思います。
2.独自の世界観とその体験をネットとリアルの双方で提供するマーケティングが業界を問わず普及する
今回の記事や以下の本ブログトピックスで取り上げたチェルノブイリのダークツアー、一ノ蔵のバーチャル見学会、宿泊業界へのデジタルプラットフォーマーの進出などの事例からは、
「独自の世界観とその体験をネットとリアルの双方で提供するマーケティングが業界を問わず普及する」様子がみてとれるかと思います。
『ブロック塀対策とチェルノブイリツアーにみる防災意識維持の課題と対策』
『映画の公開期間の変化と酒造所のオンライン見学会にみる、バーチャルとリアルの組み合わせ方のヒント』
映画、テーマパークなどで、独自の世界を構築しているディスニーがその世界を体験する機会(顧客接点)をネットとリアルの双方で広げていることが、今回のトピックスからも窺えるかと思います。
チェルノブイリのドキュメンタリー動画がツーリズムに与えた影響からも、臨場感のある体験を、ネットとリアル双方で体験したいというニーズに応えるソリューション(キャラクターグッズ、店舗、映画、音楽、ゲームなど)を複合的に提供することを、ディズニーのような大手だけに限らず、事業提携や既存のプラットフォーム、VRなどの新技術を活用しながら、実現していく企業が今後増えていくものと思います。
日本の観光業もマーケティングによる認知度アップと、新型コロナ対応としてのオンライン活用が必要性を増していると思いますが、
その中で、今回のオリンピックでも存在感を示した漫画やアニメなどの世界やその手法を参考にして独自の世界(観)によって地域の魅力を提供していく工夫も求められているのではないかと感じます。
また、以前のピックスの中で、「感じることの出来る人工皮膚の開発」をご紹介しましたが、
五感の中でも、現在利用されている視覚と聴覚以外の、触覚、味覚、嗅覚のデジタル化は、
化粧品、飲食業、衣服などの業界等で自社の提供する世界(価値)の構築におけるネットとリアルの併用の促進を可能にすることで、今後新たな市場や使い方を切り開くものと期待する次第です。
『感覚をもつ人工皮膚の開発にみる、技能伝承など知的資産の取得・利用の変革の可能性』
3.自社のビジョンから独自の世界観・コンセプトを創造して発信する
上記のように、リアルとネットを融合した顧客体験の向上の試みは、既に新型コロナ以前から行われており、多くの解説記事も出ていますが、
その際に、ディズニーのように独自の世界観やコンセプトを打ち出し、かつ一貫したメッセージとしてリアルとネットの双方で発信することは、実際には中々難しいかと思います。
また、自社の世界観やコンセプトは、ターゲットとする顧客に、自社が想定する様に捉えて貰う必要がありますね。
一貫した世界観・コンセプトを作り、伝えるには、自社のビジョンが確立して、ネットとリアルそれぞれを担当する部署や担当者の方とも共有していることが前提となるかと思います。
その様なビジョンを作り、共有する際に、知的資産経営報告書や経営デザインシートなどの知的資産経営のツールやその作成過程で行われる社内でのディスカッション・ワークショップなどは、ここでも効果を発揮するものと考える次第です。
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