知的資産経営レポートは毎年出すもの?
知的資産経営報告書を毎年公表している企業は?
経産省の知的資産経営ポータルの、知的資産経営報告書開示事例をみると、残念ながら、数年に渡って知的資産経営報告書を公表し続けている企業は少ないことが分かります。
その中で、2007年から2016年まで毎年公表している企業に、
集塵機やファン・ブロワーのメーカーである昭和電機株式会様(1950年創業、資本金8,850万円、売上高66億円(2015年)、社員数204名)があります。
こちらの、2007年と2016年の知的資産経営報告書を見くらべてみると、
まず、タイトルが2007年では知的資産経営報告書であるのに対して、2016年版は「統合報告書(知的資産経営報告書)」と変わっています。分量は2007年のほうが40ページ、2016年は24ページとスリム化していますが、構成を見ると、2007年は知的資産経営報告書のフォーマットに忠実で、データーを中心に記載されているのに対して、2016年はよりグラフィカルで訴求
力が高く、洗練
された印象を受けました。
社内の意識合わせからより多くのステークホルダーへ
昭和電機様が、知的資産経営報告書作成に取り組んだ経緯は存じませんが、2007年と2016年を比較する限り、まずは社内で自社の強みやその裏付けとなる知的資産の洗い出し、可視化を中心に取り組み、数年間続けていく中で、自社内での強みや価値創出フローの共有が進んでいき、徐々に社外のステークホルダーに対して、知的資産だけでなく、より自社の持つリソースと強みを広く捉えて、事業戦略を訴求することに注力出来るようになって、内容・体裁を変えていったかと想像した次第です。