知的資産の構築を促すデジタル化と、利用の巧拙の影響の拡大

【今日のポイント】

オンライン化やペーパーレス化など、デジタル化(DX)は今や業種、職種を問わず幅広く、かつ急速に進んでいますが、それだけに自社に必要なデジタル化を考えることの困難さも増してきていると感じます。

いくつかの切り口を持ってそれらを組み合わせつつ、そこに知的資産構築の視点を加えてみることも、デジタル化を進める方法の一つとして検討をお勧めする次第です。

 

【目次】
1.マーケティング関連でのデジタル化の動き
2.人材育成関連から見たデジタル化の動き
3.業務(事業プロセス)とそこで必要な経営資源の両面からデジタル化による知的資産の構築・活用を考える

1.マーケティング関連でのデジタル化の動き

新型コロナも契機として、あらゆる業界・業務でオンライン化・ペーパーレス化などを含めてデジタル化が進んでいますが、

このデジタル化は、生産性向上や非接触化に加えて知的資産(見えない強み)の構築の機会ともなっています。

以下では、マーケティング分野でのデジタル化に関する最近の記事から、知的資産構築につながるものをいくつか取り上げてみます。

 

● 電子契約を成功させる8つのステップを解説【電子契約導入ガイドブック】

2022/2/3にリコージャパン株式会社が運営する「働き方改革ラボ」は、表記のガイドプック(無料)の案内を公表しました。

(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同じ。)

『コンテンツ内容
1.電子契約とは?
2.電子契約のメリット
3.電子契約導入までの8つのステップ
4.チェックリストで8つのステップを確認
5.場所にとらわれず働ける環境作りを進めよう』

⇒ダウンロードして内容(9ページ)を拝見しましたが、
電子契約は導入したいがどのようなステップや検討項目があるのかから分からず困っている方には、その調べ方の入り口として参考になるかと感じます。

また、このような資料の構成や容量、図も含めた記載方法は、自社の商品・サービスの分野に詳しくない見込み客への説明(関係資産の構築のツール)の視点から見ることも有効と考える次第です。

 

● あなたもマーケティング分析の先生になれる! ECサイト専用の可視化・分析ダッシュボード「EC-DashBoard」のKUROCOがクラウドファンディングに挑戦中!プロジェクト募集期間:2022年2月5日~2022年3月30日

2022/2/5に中小企業の持続的成長と永続的存続をデータマーケティングで支援することを経営理念に掲げるKUROCO株式会社は表記のプレスリリースを公表しました(PRTIMES_JPより)。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000069424.html

(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同じ。)

『市場が伸び参入企業が増加のなか課題も多いEC業界。しかし企業の売上アップには欠くことの出来ない事業がECです。
そのECサイトの売上アップを実現し、マーケティング分析の先生ともいえる企業支援をしていくDX(デジタルトランスフォーメーション)マーケター集団の初期メンバーを募ります。』

⇒クラウドファンディング(キャンプファイアー)のサイトはこちら
https://camp-fire.jp/projects/view/548632
「支援する人」である士業でも、支援スキル向上や支援を受ける側とのマッチングの活動を行っていますが、
この様な民間の「支援する人を育成し、マッチングする」事業が、AI、DXなど新しい分野で普及していくことに期待する次第です。

 

● 【鹿児島初!観光と特産品を連動させる越境ECを実現】 コロナ禍で苦しむ中小企業をサポートすべく「新規市場の開拓」「海外市場のテストマーケティング」などが出来る越境ECモールが開設!

2022/1/25にアジア中国で最大規模のEコマースプラットフォーム、Alipay、WeChat Payと連動した鹿児島県の法人SDGs products株式会社は表記のプレスリリースを公表しました(PRTIMES_JPより)。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000086615.html

『越境ECは魅力が多い反面、海外へ向けた取引による「法律の知識」や「翻訳などの外国語対応」、「物流におけるコスト」などの多々ある課題も多く参入に尻込みをしてしまう事業主も多く、そこを完全に無料でサポートできる体制を構築しました。』

「グローバルニッチ」を目指す中小企業の海外展開を支援するうえでも販路や物流、決済などの商取引全体に渡る業務支援において、DXとリアルの組合せが重要と改めて感じた次第です。

 

2.人材育成関連から見たデジタル化の動き

以下では、人材育成という、知的資産経営の人的資産の構築の面から、デジタル化の動きをみていきます。

● 【全国初】漫画×テキスト×動画で人材育成ができるサービス「中小企業の戦略ラボ」2月5日提供開始

2022/2/5に株式会社戦略デザインラボは表記のプレスリリースを公表しました(PRTIMES_JPより)。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000084522.html

上記のサービス紹介はこちら

『単に安いだけでなく、自発的・継続的に学習できるよう、漫画やクイズを使いながら学習を深める仕組みを作りました。
さらに「1年で経営人材を育てる」ために、その人の習熟度に応じて「初級・中級・上級・マスター」の各講座を用意しました。そしてアウトプット(実践)の機会を設けることで、確実に学びが定着するサービスを目指しました。』

漫画×動画×専門家の解説というコンテンツ構成と、インプット→アウトプット(演習)→フィードバックという学習フローの組み合わせは、

新型コロナ下で人材育成もオンライン化への対応を求められる中で、普及が進むものと考える次第です。

 

● 法務審査の高速化とリスク管理の高度化を実現する新プロダクト「案件管理」を2022年秋にリリース

2022/1/26にMNTSQ株式会社(モンテスキュー株式会社)は、表記のプレスリリースを公表しました。

『審査サイクルの高速化:審査状況を「見える化」して適切なアサインやパフォーマンス管理を可能にするとともに、過去の類似事例や長島・大野・常松法律事務所監修の雛型などのノウハウを自動提案することで、リードタイムを短縮します
リスク管理の高度化:機械によるダブルチェック体制を確立し、かつ最終版データと審査履歴情報を自動で紐づけることにより、リスクの管理体制を高度化します。』

対応した各案件から得られるナレッジの共有や、専門家の知見も併用した解説によるスキルアップなどは、契約業務に限らず、知的資産の蓄積と活用のシステム化(構造資産化)全般に通じるものと思います。

また、同日に、同社は、三菱電機株式会社に契約DXサービスが導入されたことも公表しています。

『三菱電機、MNTSQの契約DXサービスの全てを導入~知財戦略を支えるシステム基盤の構築を目指す~』

以下は同社のサービスの一つである自動ドラフティングに関する記載です。

『自動ドラフティング
対話式で質問に答えていくだけで自動的に契約書のドラフトが作成でき、Word形式のファイルにエクスポートできるサービス』

⇒契約だけでなく、対話形式での書類作成は、特許などのフォーマットや使われる用語がある程度決まっている分野から今後普及が進んで行くものと改めて感じるます。

また、このような対話形式での書類作成方法を、顧客への商品・サービス説明に利用すれば、顧客ごとにある程度カスタマイズした商品説明による顧客の納得感向上とともに、自社内でも、他の顧客属性と組み合わせた個々の顧客の情報の蓄積と、顧客のTPOに合わせた商品の開発や選択と提供のシステム化にもつながるものと考える次第です。

 

● 建設DXにリモート映像をプラス、現場業務をもっとスマートに!オプティムとスパイダープラスがサービスの連携検討を開始 4Gでも可能な映像ファイルでシームレスな情報の共有実現を目指す

2022/1/21に建設DX事業を行なうスパイダープラス株式会社AI・IoT・ビッグデータプラットフォームを手掛ける株式会社オプティムは表記のプレスリリースを公表しました。

『現場データ管理ソリューション「Smart Field」と「SPIDERPLUS」との連携検討を開始いたします。

「Smart Field」と「SPIDERPLUS」が連携することにより、施工管理拠点の状況を映像で把握することが可能になり、「SPIDERPLUS」を用いた遠隔地を含む現場管理業務の利便性が向上することで、複数現場を束ねる現場監督業務の働き方改革に寄与することが期待されます。』

従来の図面等のデータに加えて動画なども含めたオンラインコミュニケーションが、現場との情報共有により、現場やバックヤードでの管理側の生産性、課題抽出と対応などに及ぼす影響と、技能継承支援などの効果は、知的資産経営の視点からも、要注目と感じます。

 

● 建設・土木の生産支援クラウドを導入し、職人の生産性向上へ 写真や図面、工程表、タスク、検査などをオンライン完結 ~生産性と品質向上を目的に、建設現場でのDXを推進~

2022/1/22に建設DXを推進する100年企業、株式会社ETSホールディングスは表記のプレスリリースを公表しました(PRTIMES_JPより)。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000081339.html

『建設現場においては、レポート関係の紙や図面、写真といった情報管理など、未だアナログ環境での作業が多く残る中で、全社をあげてDX化を推進していくにあたり、建設現場での生産性と品質向上を目的にフォトラクションの導入に至りました。』

『フォトラクションは生産性と品質向上を目的とした建設業向けクラウドサービスです。
写真や図面、工程表、タスク、検査など豊富な機能で技術者が本質的な仕事に集中できる環境を提供します。』

人ならではの業務と自動化等で機械(AIなど)が行う業務の役割分担も、デジタル化で棲み分けが変化しつつ、より双方の内容が高度なものとなって行くサイクルが回っていくものと考える次第です。

 

● 業務マニュアル兼チェックシートのペーパーレス化と人の仕事をスタメンボードで見える化し生産性を向上させるクラウドサービス「IoTGO DX」をリリース

2022/1/19に株式会社マイクロリンクは表記のプレスリリースを公表しました(PRTIMES_JPより)。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000002852.html

『IoTGO DXは、機械に加えて人の生産性と品質向上を実現するクラウドサービスで、Microsoft Azure (App Service, Azure SQL Database等を利用)を基盤として構築しました。

現場のチェックシートのペーパーレス化や数値の合否判定、技術・管理部門の業務マニュアル兼チェックシートを作成して運用することにより、様々な業務のD X化を推進、ペーパーレス・技能伝承・品質向上・仕事の属人化からの脱却が図れます。』
※Microsoft、Azureは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。

ペーパレス化などの効率化に加えて業務全体の見える化と改善による生産性向上ノウハウを会社の資産とする効果などを謳っていますが、
マニュアルやチェックシートなどのデジタル化が知見やスキルなどの知的資産の更新と共有にも貢献する様子が窺えるとともに、そのような活用方法をユーザー側も意識してデジタル化を進める重要性が高まっていると考える次第です。

 

● マニュアル改革 × コンサルティングで生産性向上を実現~スタディストがコンサルティング事業を本格開始~

2022/1/17にマニュアル作成・共有システム「Teachme Biz(ティーチミー・ビズ)」を提供する株式会社スタディストは表記のプレスリリースを公表しました。

『Teachme Bizは現在、国内外の約2,000社、約34万アカウントで活用され、人材育成や情報共有の高品質化、効率化において高い効果が報告されています。
一方で、一部の企業においては「そもそも業務の可視化がされておらず、マニュアル化することができない」「日々の業務に追われ、マニュアルを作る時間がない」「マニュアルをどう活かしたら良いのか分からない」といった課題も存在しています。
システムの提供だけでは解決できないこれらの課題を解決し、生産性向上の実現を支援するため、コンサルティング事業の開始に至りました。』

⇒同社では、業務の棚卸しや内容分析から、最適な形での標準化を行った上でのマニュアル化を支援すると記載していますが、このような、既存の業務の見直しや各業務の全体最適を図るための優先順位付けなど、生産性向上の目的設定から始める業務改革やその支援では、中長期の観点から、知的資産経営の手法も有効と感じる次第です。

 

● 駐車場にもキャッシュレス化の波 コロナ対策 スマホで支払い、集金省力化

2022/1/13に駐車場向けのプラットフォーム、精算機などを開発・販売している株式会社大都テクノロジーズは表記のタイトルでSankeiBizに掲載された旨のプレスリリースを公表しました。

( SankeiBizの記事はこちら https://www.sankeibiz.jp/article/20220113-7AMWHVZVHJJQ7OUZVT5DMFRHWE/ )

有料駐車場向けのキャッシュレス化の促進に必要な電子マネー対応精算機や車両の入出庫などのクラウド管理システムなどの販売を行うとのこと。
キャッシュレス化は、ペーパーレス化と同様に顧客データなどの新しい取得と活用方法につながるものですが、例えばチェーン店などではキャッシュレス化を契機としたサブスクリプションも今後進むと感じる次第です。

 

3.業務(事業プロセス)とそこで必要な経営資源の両面からデジタル化による知的資産の構築・活用を考える

上記は、マーケティングという業務(事業プロセス)と、人材育成という経営資源構築の面から、デジタル化に関する企業動向のほんの一端を拾い上げたものですが、

デジタル化はマーケティング以外の事業プロセス、また人材育成以外の経営資源でも必要とされ、進められていることはご案内のとおりかと思います。

 

ほぼ全ての業種や事業プロセスで、かつ急速に進んでいるだけに、その動向を追うことはなかなか難しいため、
自社においてデジタル化を使いこなすためには、事業や経営の目的から逆算して考えることはもちろんですが、
いくつか自社にとって重要な切り口を持ち、かつそれらを組み合わせて数多い選択肢の中から有望なツール・提携先などを検討することが有効かと考えてています。

 

今回のトピックスのように、事業プロセスと経営資源の両面から、更に知的資産の構築という視点も加えて、喫緊の課題から中長期まで含めて検討することも、自社のデジタル化検討の方法の一つとして検討をお勧めする次第です。

 

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