Twitterの誤解を招く投稿の報告テストにみる、ユーザーリテラシー向上と情報収集・未来洞察の重要性
【今日のポイント】
Twitterやフェイスブックなどの大手SNSが、フェイクニュース対応を進めている様子が最近のニュースからも窺えます。
これら提供者側だけでなく、情報を受け取るユーザーも、複数の視点から自分の判断軸を定める能力の向上を行える場を得る必要性が高まるものと考える次第です。
【目次】
1.Twitterの「誤解を招く投稿」を報告するテスト
2.AI等の新技術、専門家、ユーザーリテラシーの複数の方策を組み合わせた情報の中立性や正確性を担保する動きが進む可能性
『Twitter、「誤解を招く投稿」を報告するテストを米、韓国、豪で開始』
2021/8/18のITmediaに表記の記事が掲載されていました。
一部のユーザー対象の限定的なテストのようですが、ユーザー参加型の記事の信頼性向上の試みとして、今後の動向は要注目と考える次第です。
表記については、2021/08/31の1日5分ビジネス英語のトピックスでも採り上げら得ています。
『「誤解を招く」ツイートを報告するパイロットテスト Pilot test to report ‘misleading’ tweets』
なお、ツイッターは、その広告ヘルプセンターサイト上で、以下のようにブランド管理に関する自社のポリシーなどを掲載しています。
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同じ。)
『公共の会話の健全性を高めることはTwitterにとって最優先事項です。暴力、嫌がらせ、およびその他の類似行為は、利用者の自己表現を抑制し、安全性を脅かす環境を醸成します。Twitter上では、こうした行為は一切容認されません。Twitterでは、プラットフォーム全体でこのようなふさわしくない行動を阻止するための取り組みを行っていますが、それに加え、すべてのTwitter利用者に安全な広告環境を提供することを目的とした、一連のソリューションへの投資も実施してきました。』
また、フェイスブックも、自社のビジネスヘルプセンターで自社のファクトチェックの内容を紹介しています。
『Facebookでは、FacebookとInstagramにおける偽情報の拡散防止に真摯に取り組んでいます。多くの国と地域で、この種のコンテンツの識別、審査および措置の遂行のために、中立的な国際ファクトチェックネットワーク(IFCN)に認定された独立した第三者ファクトチェッカー団体と提携しています。この提携について、詳しくはこちらをご覧ください。また、Facebookのプログラムのさまざまな要素については、以下をご覧ください。
・ファクトチェッカーの評価の種類
・プログラムポリシー
・ファクトチェッカーの評価に基づくFacebookの対応
・訂正や評価に対する申し立てを行う』
社会インフラ化しつつある、大手SNSには、それなりの社会的責任が求められて、対応している様子が窺えるかと感じる次第です。
2.AI等の新技術、専門家、ユーザーリテラシーの複数の方策を組み合わせた情報の中立性や正確性を担保する動きが進む可能性
今回の記事や、最近のサイバーセキュリティ関連のニュースなどからは、
「AI等の新技術、専門家、ユーザーリテラシーの複数の方策を組み合わせた情報の中立性や正確性を担保する動きが進む」事が予想出来るかと思います。
ユーザーリテラシーの向上は、AIやIoT、SNS、先日のトピックスのブロックチェーンのような新技術が普及する上で、非常に重要な課題と感じます。
今回の記事では少数のツイッターからの虚偽の情報に関する報告を利用する対応が紹介されていますが、これは専門家やそのコミュニティの活用に通じるものかと思います。
そして、Facebookなどが取り組んでいるAIによる虚偽報道の発見などの手法を、
参考記事でご紹介したノートルダム大学とIBMが進めているテクノロジーの倫理面での対応のような研究開発の中で組み合わせて適用することで、情報の中立性や正確性を担保するための仕組みづくりが進むのではないかと考えています。
また、上記のような仕組みの中で、各種の情報を編集することにより、新たな偏向(偏り)を生み出すリスクも生じるため、フェイクニュースへの対応の仕組み自身に対するモニタリングと修正も含めた取り組みも必要性が増しています。
ユーザー側もこの様な真偽を見極める活動に参加したり、自身の情報リテラシーを向上したりするために、
私も参加している未来予測について実際に演習するシグナルプロジェクト(SIGNAL)のような、複数の情報と他者の意見を参考にしながら、複数の視点から自分の判断軸を定める能力の向上を行える場のニーズも同時に高まるものと予想する次第です。
SIGNALプロジェクトの紹介サイトはこちら
『SIGNAL 未来変化の予兆を掴む』
本ブログの参考トピックス>
『サイバーセキュリティ専門家のニーズ増大に考える、スキルアップと技能伝承の工夫とビジネスチャンス』
『パイプラインへのサイバー攻撃に考える、セキュリティ対策とプレーヤーの変化、リスクとチャンス』
参考記事>
『第1章 科学技術による未来予測の取組』
令和2年度科学技術白書
⇒デルファイ法やスキャニングなどの未来予測手法と、それらを活用した政策提言プロセスも紹介されています。
『AI倫理』
日本アイ・ビー・エム株式会社(日本IBM)のAI倫理への取り組みを紹介するサイト。
https://www.ibm.com/jp-ja/artificial-intelligence/ethics
2020/6/30に人工知能、機械学習、量子コンピューティングなどの高度なテクノロジーの使用によって提起された無数の倫理的懸念に対処するコラボレーションとして、ノートルダム大学と提携して立ち上げた、ノートルダム-IBMTech Ethics Labも紹介されています( https://news.nd.edu/news/notre-dame-ibm-launch-tech-ethics-lab-to-tackle-the-ethical-implications-of-technology/ )。
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