空飛ぶクルマの開発にみる、自社事業の将来像の策定に「極端な環境」を利用するヒント

空飛ぶクルマ Flying car

【今日のポイント】
「空飛ぶクルマ」はそれだけでも夢を誘いますが、そのような【自社にとって】「極端な対象や環境」を想定した取り組みを現在の本業にも活用するという手法は、
今後のVUCAの時代において、非連続な変化への対応としても、【ワクワクするような】自社事業の将来像の策定においても有効な手段となるものと検討をお勧めする次第です。

【目次】
1.空飛ぶクルマ開発のテトラ・アビエーションへ出資
.企業のSDGs対応の事例
3.自社や自社事業の将来像の策定に「極端な状況・環境」の想定を利用する

1.空飛ぶクルマ開発のテトラ・アビエーションへ出資
内装部品の共同開発契約を締結

2022/2/14に、テイ・エス テック株式会社は表記のプレスリリースを公表しました。

(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同じ。)

『当社は、テトラ・アビエーションとのシート(座席)を中心とした内装部品の共同開発を通じ、自動車とは異なるモビリティにおける強度 ・安全 ・軽量化 ・快適性など、新たな技術を追求してまいります。
そこで培った全方位に対する安全技術やノウハウを、本業である自動車用シート開発へフィードバックすることで、新たな付加価値をもった魅力ある商品開発へつなげてまいります。』

空飛ぶクルマの開発で得た知見を従来の車の開発にフィードバックする動きは、

以前、『イケアの家賃99円のマイクロアパートにみる、ワーク・ライフスタイルの変化の捉え方と活用方法』や、

『イケアとNASAのコラボにみるイノベーションに有効な方法』でご紹介した、
イケアの宇宙空間や過密な大都市といった、極端な環境において得られた先進的な開発成果の既存市場への適用にも通じるものであり、このような「極端に振り切った環境」はまだまだ探せば見つかるものと、改めて感じた次第です。

 

2.企業のSDGs対応の事例

以下の記事などのように、企業のSDGsへの取り組みも、依然として注目を浴びていることが窺えます。

● 敷島製パンで走行ルート学習型配車サービス「Loogia」活用による商品配送におけるCO2削減に向けた本格運用を開始 ~持続可能な社会を目指して~

2022/2/14に敷島製パン株式会社(Pasco)は表記のプレスリリースを公表しました。

https://www.pasconet.co.jp/release/1567/

『今回の取り組みではPascoの2つの異なる配送拠点において、オプティマインドが提供する走行ルート学習型配車サービスである「Loogia(ルージア)」を活用したルート再編を実施しました。人が作成することが特に難しい拠点間の狭間にある配送先について、どちらの拠点から配送すると、より効率的かをシミュレーションし、配車計画の見直しを行いました。その結果、図1の削減効果を確認することができました。』

上記記事中の『図1』こちら

14.1%の削減効果を確認したとのこと。移動や配送における時短などの効率化や生産性向上に加えて、省エネや環境負荷低減などの社会的な要請を含めて実現することが今後の企業の提供価値で必要となる様子が窺えます。

 

● 【SDGs×中小企業】SDGsに取り組むメリットとその方法を無料ウェブセミナーで公開!

2022/3/8に株式会社中小企業のチカラは表記の無料セミナー(3/17開催)に関するプレスリリースを公表しました(PRTIMES_JPより)

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000030.000083642.html

『大企業に比べて規模の小さい中小企業は、地域に根差した経営やスピード感のある取り組みを行いやすく、持続的な社会を実現するSDGsと親和性が高いと言われています。

また、中小企業がSDGsに取り組むことで、認知度向上や資金調達の面でメリットがあるとも言われています。』

⇒同社が運営する、『中小企業からニッポンを元気にプロジェクト』のサイトはこちら

既にセミナーは終了していますが、

中小企業においても、SDGsへの取り組みを取り入れることは、同記事に記載されているような対外的な効果に加えて、長期的な自社のビジョンや事業計画の策定とこれらの施策と企業活動の連動や整合性の確保にも有効と考える次第です。

 

3.自社や自社事業の将来像の策定に「極端な状況・環境」の想定を利用する

本ブログでも紹介している、知的資産経営のツールの一つである経営デザインシートでは、自社の経営理念やビジョンから、自社の将来像(自社の提供価値、価値創造ストーリー、必要な知的資産など)を描き、そこからバックキャストして、現在とのギャップから取り組むべき課題を設定する手法を採っています。

 

この、未来からのバックキャスト自社、他社、海外なども含めて幅広く過去の事例から知見を得る温故知新の組合せは、

『「SF思考」ー物語で見せる未来予測』でご紹介した『SF思考――ビジネスと自分の未来を考えるスキル Kindle版
藤本 敦也 (著), 宮本 道人 (著), 関根 秀真 (著) 』 や、

『「進化思考」~「温故知新」と「不易流行」による螺旋的発展と生き残り戦略』でご紹介した、
『進化思考――生き残るコンセプトをつくる「変異と適応」 (海士の Kindle版 太刀川英(著)』

などにも共通する手法であり、今後の自社将来像を描く上で有効なものと考えています。

 

上記のSF思考などでも現状の延長線上ではない、振り切った未来像を発想・想定する手法が紹介されていますが、

今回の空飛ぶクルマ、宇宙空間、超過密都市中小企業には(少なくとも単独で取り組むには)まだハードルが高いSDGs対応などの、

自社の現在の事業状況から見ると、極端な環境」

を想定し、その中で複数のありえる自社の将来像を描くことと、
更に複数の「極端な環境」を想定して上記の将来像を描くことで、多くの将来像(=多くの可能性)を描くことが可能になります。

これは、シナリオプランニングの手法にも通じるものかと思います。

現在の新型コロナや現在のウクライナ情勢のように、生じるまでは想定できなかったような事態実際に発生することを私達も経験している中で、「今までとは非連続な未来が待っている」「今までは想定していなかった事態にも備える必要があるのでは?」と感じることも多いのではないかと思います。

 

自社にとって今は非現実的に思えるような極端な環境を、
宇宙空間のような異分野を参考に想定することは、振り切った発想を進める上でも、
またワクワクするような自社の将来像のイメージを皆で作り、共有する上でも有効な手段の一つとして、検討をお勧めする次第です。

 

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