株式会社オフィスバンクの企業移転相談サイトにみる商品・サービスのラインアップ拡充方法
● 賃貸オフィスの仲介を行う株式会社オフィスバンク、企業の移転相談サイト「Runway」をオープンし、移転の総合支援サービスを拡充
7月25日に株式会社オフィスバンクは上記の新規サービスサイト「Runway」の開設をリリースしました。
https://www.atpress.ne.jp/news/133142
Runawayは、オフィス異端の支援に特化したサイトで、現在使っているオフィスビルの満足度、顧客企業の経営ビジョンなども聞いて、移転時期、コストなどオフィス移転に関する詳細を提案し、物件紹介に限らずオフィス移転に伴う包括的なサービスを提供するものです。
さらに、見込み客が、自分で適正なオフィス面積をシミュレーションする機能なども提供しています。
株式会社オフィスバンクRuawayサイト より
なお、同社は上記リリースでこのサイトのコンテンツを以下のように紹介しています。
(引用は「」でくくります。 改行は筆者挿入、以下同様)
「お客様が自分で探す検索サイトではなくお客様に寄り添いプロが提案する「相談サイト」が必要だと考え「Runway」をオープンしました。独自のコンテンツである「オフィスアテンダント」「オフィスメジャー」を通し、約15年にわたり移転を支援してきたプロがお客様の希望にあった移転を最短距離でストレスなく実現します。」
■コンテンツ紹介
<理想のオフィスの広さを知る「オフィスメジャー」>
理想のオフィスの広さや、今のオフィスが自分たちに適した広さなのか簡単に調べることができます。人数を入力し、目の前の机のサイズ、会議スペースなど選択するだけで適正面積を算出します。
これまでも利用人数と執務・接客スペースの広さから適正面積を算出できるサイトはありましたが、机のサイズ・リフレッシュスペースまで考慮し、より現実に即した算定ができるようにパワーアップしたのがオフィスメジャーです。
<理想のオフィス探し「オフィスアテンダント」>
現在のオフィスをもとに、人員計画と満足度、理想オフィスの希望内容をご記入いただければ、お問合せ内容をもとに、物件を提案させていただきます。
オフィスメジャー : https://www.runwy.jp/measure
オフィスアテンダント: https://www.runwy.jp/attendant
」
● 不動産の仲介事業から、移転サポートへストレッチ
(株)オフィスバンクのサイトをみると、元々は、店舗やオフィスの仲介を行っていたのを、更にオフィスの移転に伴う諸々の作業のサポートまでサービスを広げて(ストレッチして)いったものと思われます。
● 提供する商品・サービスのラインアップの拡充方法
企業の商品・サービスのラインアップを拡充して事業を拡大する方法としては、概ね以下の3つに分けられるかと思います。
(1)自社の既存商品の使い方のサポート
無償の場合も多いですが、自社の商品の上手な使い方について情報提供や提案を行い、場合によってはメンテナンスや定期購入などに結びつける方法ですね。
食品販売における料理教室やネットでのメニュー、レシピ提案などが典型的な例として挙げられます。
(2)お客様が自社の既存商品を使うバリューチェーンの上流または下流へのストレッチ
今回の事例は、この「オフィス仲介サービス」の前後にある、「事業・経営計画などから今後必要となるオフィスの条件を決める」と言う上流と、移転先の候補が決まった後の交渉や、移転に伴う諸手続きなどのサポートという下流に自社のサービスを拡大(ストレッチ)した例に当たりますね。
(3)自社の既存商品・サービスを分割して提供
これは、以前にもご紹介しましたが、ある程度バリューチェーンの流れに沿って、あるいは同種の商品のラインアップが充実している場合に、その一部のみを切り取って安価に提供する方法です。
自社サービスの一部のみを必要とする顧客ニーズへの対応となります。
製造業で、詳細設計から製造、品質管理、配送まで行っているような企業で、
品質検査のみ、あるいは製造のみを引き受けるサービスも提供するような例がこれに相当します。
(2)は、現在提供しているサービスで獲得している既存の顧客接点の活用であると同時に、その上流、下流にメインのニーズを持っているような、今までのサービスでは捉えきれない新しい顧客との接点の獲得にもつながるというメリットも期待できますね。
● 事業拡大における関係資産の活用
オフィスバンクのグループ会社、株式会社Rバンクではリノベーション事業を手がけています。
したがってオフィスバンクは、グループ会社の持つ知見、ネットワークなどの知的資産も活用していると推定出来ます。
自社のグループ企業にかぎらず、中小企業においても取引先、顧客などの関係資産を活用して、自社のバリューチェーンの上流、下流へのストレッチを考えることは、事業拡大を検討するうえで有効な方法の一つと考える次第です。
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