アップルのコバルト鉱山との直接取引にみる異業種の影響
● アップルがバッテリー資源確保に動く、背景に自動車産業との争奪戦
2018/2/28の日経BPに表記の記事が掲載されていました。
http://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00146/022600004/?ST=tomict
(引用は『』でくくります。 太字と改行は筆者挿入、以下同様)
『米ブルームバーグ(Bloomberg)は2018年2月21日、米アップルがコバルトの採掘企業と複数年にわたる契約を直接結んだと報じた。
コバルトの価格はここ1年半で3倍に高騰しており、その需要は高まっている。アップルは世界的に供給不足に陥る恐れがあるコバルトを自社製品向けに確保することを目指している。
この動きは、コバルトから作られる重要パーツを採用する企業にとって、決して珍しいことではない。独BMWや独フォルクスワーゲン(Volkswagen)といった自動車メーカーもコバルトの調達に動いており、これらの顔ぶれを見ればアップルのようなスマートフォンメーカーがどのような業種と対峙しているのかが分かる。 』
と、アップルが異業種である自動車メーカーとリチウムイオン電池に必須の金属であるコバルト資源の獲得競争をしていることを報じています。
その背景にはスマートフォンの普及だけでなく、電気自動車やプラグインハイブリッド自動車などの市場の成長により、リチウムイオン電池とその必須の構成要素であるコバルトの需要が増大し、業界を越えた調達競争があると説明しています。
私がアップルのコバルトに関する動きを最初に知ったのは、
2018/3/7の「1日5分ビジネス英語」の
「アップル、コバルトを鉱山から直接調達 Apple hunts for cobalt from mines」
の記事でした。
https://www.wisdomsq.com/contents/bepod/20180307.html
情報源は同じブルームバーグですが、リチウムイオン電池に必須の金属であることに加えて、フェアトレードの観点から、アップルは児童労働が行われている鉱山からのコバルトは購入しないと発表したことも解説しています。
● 異業種が共通の必須要素(コンポーネント)を巡って競争する
今回は、リチウムイオン電池を巡る争いでしたが、同じような現象は、例えば、燃料電池の電極などに用いられる触媒の白金などでも見られます。
複数の業界が同じ必須のコンポーネントを持つ場合、そのコンポーネント自体、あるいはそのコンポーネントに必要な資源を巡って異業種間でも国境を越えて獲得競争が起きることを、今回の事例は示していますね。
更に、商社などの中間業者からみれば、アップルの直接調達は、資源調達というビジネスのコンポーネントについて、今までの自社の顧客という異業種から新規参入を受けているという見方も出来るかと思います。
● 必須の知的資産とその使いみちから潜在的な競合を想像する
知的資産も経営資源の一つであり、自社特有のもの、自社で内製できるものもあれば、ほかから必要な構成要素を調達したり、継続して維持したりする必要があるものも出てきます。
例えば人的資産では、既にAI・IoT分野でプログラマーの争奪戦が起きていると聞きますが、他の業界でも必要とされるスキルの持ち主は、同業他社以外からも引き抜かれるリスクが出てくることは容易に想像されます。
関係資産である取引先も、別の業種から好条件を出されて、関係性が希薄になるリスクも出てきます。
自社の知的資産について、異業種でも使えないか、違う使いみちがないかと考えることで、潜在的な競合の存在を予測することができ、
逆に異業種の分野に新たな知的資産を見つけられる可能性も出てくるものと考える次第です。
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