イケアとNASAのコラボにみるイノベーションに有効な方法

イケア

●イケア、NASAと提携 宇宙生活のノウハウ応用し新商品

6月8日の日経新聞電子版に上記の見出しで掲載されていましたが、

北欧出身の著名な家具店イケアは、狭い空間に理想的なスマート家具製品を考えるうえで、何が宇宙旅行(火星への3年間の飛行を想定しているそうです)を居心地のよいものにするのか調査し、その中で宇宙飛行科学者やエンジニアから学んだことを地球の都会におけるスペースの限られた住宅に適用することを目的としてNASAとの提携を行うことを考えているそうです。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDC08H02_Y7A600C1EAF000/

この内容は、私が愛聴している「1日5分ビジネス英語」でも採り上げられていました。
http://www.wisdomsq.com/contents/bepod/20170617.html

(引用は『』でくくります。改行は筆者挿入。以下同じ。)

『狭い空間に理想的なスマート家具製品に重点を置くことで、IKEAは何が宇宙旅行を居心地のよいものにするのか調査し、その後、宇宙飛行科学者やエンジニアから学んだことを地球の都会の家に適用する。』

稀有壮大で大変ワクワクする取り組みですね。

 

● 発想を思い切り振り切ってみる

今回の提携は、宇宙飛行船と都会の住宅という、一見つながりがあるとは感じられないものの間を、「スペースの制限による住み心地の悪化を設備(家具)で解決する」という視点でつなげたものといえるでしょうが、

この提携を実現させたのは、イケアが現在の都会の住宅のスペースの制約の範囲内で考えるのではなく、もっと極端に「3年間閉じ込められる宇宙飛行船」までスペースの制約を振り切ってイノベーションの機会を作ろうとしたその振り切り方にあったのではないかと感じさせられました。

マーケティングでも顧客(のニーズ)を絞り込んで、トガッた商品・サービスを考える必要性を聞くことは多いですが、イケアのように極端な例を見つけて思い切り振り切ってみるとことは
大変面白い方法ではないかと思います。

 

● 自分の持つ知的資産の特性を極端に進めるとどうなるかを考える

元々、イケアは組み立て式の家具など、スペースや利便性などの機能性と、オシャレ(使い心地)のバランスのとり方が上手く、
それを自社の強みとしてきたわけですが、

知的資産経営の視点からは、そのバランスを取るスキル(知的資産の特性を更に発揮するために、自社の知的資産が適用される強みを更に極端に進めると、どんな分野ではその強み実現しているか、
あるいは必要として研究されているかが見えてくるので、その分野の先達とコラボすることで、自社の知的資産と強みにイノベーションを起こす機会を得た事例と、今回の提携記事を
捉えた次第です。

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