電力・ガスの自由化促進策にみる、「お客様の予測可能性」の重要性
● 市場の番人、「電力・ガス取引監視等委員会」
時々取り上げている、資源エネルギー庁のサイトに2017年11月7日付けで表記の記事が掲載されていました。
http://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/denryokugastorihikikanshi.html
(引用は「」でくくります。 改行は筆者挿入、以下同様)
2016年度からの家庭分野の電力の自由化、2017年度からの都市ガスの自由化と、消費者にとって、エネルギーの選択肢は大きく広がりましたが、
「委員会の実施したアンケートでも、実際にスイッチング(契約先やプランの切替え)した人の満足度はとても高くなっています。
しかし一方で、「電力会社・ガス会社を変更すると、安定供給されるか心配」「新しい会社は料金が高くなるのでは」といった不安がなんとなくあることで、スイッチングに踏み切れない方がいるのも事実です。」
と、ユーザー(消費者)の不安が自由化の進展にブレーキを掛けていることを、行政自身が認めている状況です。
● 正しい知識の周知と実績不足を補完する「セーフティーネット」
ユーザーが新しい選択肢を選べない主な理由として、
正しい知識を持っていない(誤解している)、実績や前例がないものに手をだすことへの不安
の2つがあるかと思います(もう一つ「選択の費用対効果(選択肢を比較検討し、実際に切り替える「選択のコスト」と得られるメリット」を考えて、選択を行わないという理由もありますが、ここでは議論の対象から外したいと思います)。
この2つの理由は、「予測可能性」の問題と捉えることも出来ますね。
先日お伝えした、
「中国副首相の外資呼び込みに関するコメントにみる、「予測可能性」の重要性」 http://wp.me/p8EI7Z-m9 でもお話しましたように、
予測可能(その程度変動するかが予測できる)なリスクと、予測不可能(どの程度変動するのか、全く分からない)なリスクとでは、実務的にも心理的にもその影響は大きく異なります。
今回の例で言えば、
電力・ガスのスイッチングのメリットとデメリットを比較できるだけの情報がユーザー側にあることが「予測可能性」を高めることになります。
また、どうしてもエネルギー事業者と消費者とでは、持ちえる情報の面で消費者が不利(情報の「非対称性」)ですので、消費者を保護するために、「電力・ガスの適正取引と消費者保護の両面で、消費者の選択肢の拡大を実現できるよう、いわば“市場の番人”としてにらみをきかせている、資源エネルギー庁から独立した経済産業大臣直属の組織」として「電力・ガス取引監視等委員会」が設立され、活動を進めていることを今回の記事では紹介しています。
● お客様の「予測可能性」を高めることで不安を取り除く
上記の「電力・ガス取引監視等委員会」では、主な活動して、
1.電力・ガス市場の監視(悪質な業者はいないか、自由競争が守られているか)
2.ルールづくり(営業のルール、取引のルールの立案)
3.トラブルや質問などに対応する相談窓口
を挙げており、また今回の記事では、これまで寄せられた相談例も記載しています。
これは行政としての取り組みですが、企業に置き換えた場合、全く新規のサービスを提供したり、ユーザーからみて、全く馴染みのない分野に進出する際に、お客様が自社や自社のサービスを選択する際の「予測可能性」(どんなメリットとリスクがあるのか)を高めることで、お客様の不安を取り除き、自社への信頼を高めることは、当然のことではありながら、中々着実に実施することは難しいのではないでしょうか。
こういった、お客様や取引先の自社に対する「予測可能性」を高めるうえで、知的資産経営報告書による自社の現状と将来展望を開示していくことは、大変有効ではないかと考える次第です。
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