(株)MAGLABのリユースPoC活用ビジネスから学ぶものは?

● 業界初、IoT / AIの魅力的なサービスを組み合わせた、「リユースPoC」プロバイダーとして事業を開始

7月5日、株式会社MAGLAB(高知県高知市、https://maglab.jp)は、業界初のビジネスとして、実施済みのPoC (Proof of Concept,概念実証) を組み合わせて再利用する「リユースPoC」プログラムを提供する「リユースPoCプロバイダー」として事業を開始すると発表しました。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000026841.html

PoCの定義について、IT用語辞典から引用します。
http://e-words.jp/w/POC.html

(引用は「」でくくります。 改行は筆者挿入、以下同様)

「POCとは、新しい概念や理論、原理などが実現可能であることを示すための簡易な試行。一通り全体を作り上げる試作(プロトタイプ)の前段階で、要となる新しいアイデアなどの実現可能性のみを示すために行われる、不完全あるいは部分的なデモンストレーションなどを意味する。」

リーン・スタートアップの、MVP(Minimum Viable Product。最小で実行可能なプロダクト)とも通じるところがありますね。

この事業の背景として、リリース記事は以下のような点を挙げています。

「IoT/AI技術の投資判断において実施される実証実験の複雑化、高コスト化に対して本番への移行率が上がっておらず、お客様のみならずシステム提案する側にとって無視できない問題になっていることに着目したものです。」

このように、注目されているAI、IoTもその導入においては色々なハードルがあり、その一つが今回挙げられているPoCのコストアップと実証と本事業の乖離であることが伺えます。

また、同リリースでは、
「IoT/AI製品とサービスを提供する事業者とのパートナーシップはもちろんのこと、PoCフェーズの評価方法、開発生産性の解決に注力をしていきますので、本番環境の導入や構築に関してはSI/CI(システムインテグレーター/クラウドインテグレーター)事業者との協業がベースとなります。」
と、(株)MAGLABは多くの企業との協業を前提にこの事業を立ち上げていることが分かります。

● 知識や経験の再利用

昔から、ある事業で得た知見を他の事業や業務で再利用するということは、組織的か否か、意識的か否かを問わず行われて来たことは周知の通りですね。
私が経験・知見の再利用を最初にビジネス書で読んだのは、
マッキンゼーのコンサルティング事業における、組織機内でのコンサルティング業務内容の共有だったと記憶しています。

今回のPoCリユースも、分野こそAI・IoTではあるものの、既存の試みで得られた知見の再利用という点では、新しいものでは無いのですが、
ベンチャーでも、新しい分野でかつ多くの企業が抱えている課題を捕らえれば、いきなり多くの企業をつなぐビジネスの中心に立てるという好例ではないかと思います。

● 知見とネットワークとタイミング

正直な所、このリユースPoCという市場の規模や、(株)MAGLABのリユースPoCプロバイダーとしての強がなにかというものは、リリース記事や同社のサイトなどからは見えてきませんが、(株)MAGLABがビジネスパートナーとして参加しているIoTプラットフォームSPRACOMのサイに記載されている創業者の武市氏の以下のプロフィールからは、武市氏の経験やネットワークと、参加しているSORACOMのネットワークの重なりによって、MAGLABがリユースPoCプロバイダーとしての役割を果たせているのではないかと想像しています。

「高知県出身。集合写真家として活動する傍ら 2000年はじめからIT業界にかかわり、富士通で当時のASPサービスのインフラ回りの幅広い経験を積む。その後マイクロソフトでは、同社のインフラをマネジメントする国内外のプロジェクトをプログラムマネージャーとして経験。これらインフラとデータ活用の経験を積んだのち、ウイングアーク1stでクラウド事業の立ち上げに関わり、MotionBoard とIoTの提案をする過程において、業界の課題に対して起業を決意。 」

● 関係資産をつなく人的資産

今回の事例は、IoT・AI関連の業界が共通に問題としていたPoCに着目した武市氏のネットワークと、IoTプラットフォームとしてのSORACOMのネットワーク、あるいはIoT関連の業界の他のネットワークも重なって、リユースPoCというビジネスが立ち上がった、いわば複数の関係資産(ネットワーク)を人的資産(武市氏)が繋いで成立したものではないかと推測しています。

このように、最初から複数の企業が(ベンチャーも多く含みながら)関わり合いながら成長して行く分野では、自社だけでなく、他社の関係資産も必要とするようなビジネスモデルが今後は増えていくのではないかと考える次第です。

そして、そのようなビジネスモデルが成立するためには、やはり自社にも、他のプレーヤに価値を提供できる強みと知的資産が必要であり、それは何かが今まで以上に問われてくるのではないでしょうか?

あなたは、業界のネットワークを活用できるどのような知的資産をお持ちでしょうか?

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