ITや動画技術による、技能継承や人材活用の可能性の広がり
【今日のポイント】
人材育成や技能継承においても、デジタル化の影響は更に広がっています。
自社の現在から将来にかけて必要な人材の変化とその対応を知的資産経営等のツールも活用しながら、デジタル化の視点で見直すことは自社の将来像を実現する上でも重要性を増していると考える次第です。
1.生産性向上や人材育成における動画やIT技術の活用
AI、ICTなどの技術は、すでに生産性向上や人材育成などの分野でも活用が進んでいますね。
最近目にしたいくつかの記事を以下にご案内いたします。
● 株式会社ジースポートが「IT導入補助金2021」の支援事業者に採択 ヘルスケア分野の業務効率化と顧客満足度向上を支援
2021/7/31に、株式会社ジースポートは表記のプレスリリースを公表しました(@Pressより)。
https://www.atpress.ne.jp/news/265601
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同じ。)
『現在も厳しい状況下にある治療院・介護・フィットネスにとって、IT導入補助金を活用して客観性の高い非対面型のオンライン運動指導が可能になることで、業務の効率化と付加価値の向上が期待でき、コロナ後の事業発展に繋がります。』
⇒非対面型の業務やサービス提供は、感染防止に加えて、遠隔地などでの対応も含めた、業務形態の変革に繋がるものであり、その動向に注目するとともに、顧客向けだけでなく、従業員のオンライン教育においても活用できるものと考える次第です。
● 経済産業省後援「HRテクノロジー大賞」にてTeachme Bizが「地方活性賞」を受賞
2021/7/30にマニュアル作成・共有システム「Teachme Biz」(ティーチミー・ビズ)を提供する株式会社スタディストは表記のプレスリリースを公表しました。
https://studist.jp/news/pressrelease/hrtech_award_2021/
『「Teachme Biz」は、動画や写真によるわかりやすい手順書を従来の5分の1の時間で作成でき、業務クオリティを均一化して、効率的な人材教育と生産性向上に寄与するとともに、
言語の壁を超えた業務研修が可能となり、慢性的な人材不足により外国人従業員が多い地方企業における生産性向上や人材不足の課題解決、約30の地方銀行と提携し地域企業への価値提供を推進している実績が、地方活性化に貢献するとして高く評価されました。』
⇒人材育成コンテンツのデジタルアーカイブ化や多言語化は、遠隔地など、時間と場所の制約に加えて、言語の制約を取り払う面からも有効な方法であり、今後は触覚など、他の五感との組み合わせもにも注目する次第です。
● 戦略人事を実現するタレントマネジメントシステム「HRBrain」が、経済産業省後援「第6回 HRテクノロジー大賞」において「人事システムサービス部門優秀賞」を受賞
2021/7/30にタレントマネジメントシステム「HRBrain」を提供する株式会社HRBrainは表記のプレスリリースを公表しました(PRTIMES_JPより)。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000065.000023143.html
『【受賞理由】
『HRBrain』は、採用・配置・育成・評価など、あらゆる角度から組織状態の把握をすることができ、データドリブンな人事施策の企画・実行・効果計測を可能とし、マイクロサービスアーキテクチャを導入した素早い意思決定と開発の実現により、BtoC向けサービスのように使いやすいUI/UXや充実したサポートで、利用企業の満足度も高く、人事業務の効率化と生産性向上に貢献するサービスであると、高く評価されました。』
⇒採用と管理の双方をデジタル化し、連携させて一元的なマネジメントシステムを提供するサービスとのことですが、
採用とその後の人材管理を連動させて、人材育成と活用を進める事を重視する流れが出来つつあるのではないかと感じた次第です。
2.技能継承、人材育成、人材活用の方法の広がりと可能性
上記の記事や、以下のトピックスなどでご紹介した事例からも、技能継承や人材育成におけるIT等の技術の活用は重要課題となっていることが窺えます。
『塗装職人育成企業とSNS動画配信のコラボにみる、技能のマルチメディア化とフィードバックの機会』
⇒塗装職人の技能伝承を動画SNSで行うサービスを始めたsoeasy社とKMユナイテッドの事業提携なども、
老舗メーカーの技能のコンテンツビジネス化としても、技能伝承の効果についてフィードバックの機会を提供する試みとしても参考になるものと考えています。
『感覚をもつ人工皮膚の開発にみる、技能伝承など知的資産の取得・利用の変革の可能性』
⇒触覚を再現する人工皮膚の開発が進んでいますが、このような感覚技術分野の動向は、知的資産経営においても、今後の技能伝承や、社内外の人材活用などを検討する際に考慮すべき要素として、ウォッチしておくことをお勧めしたいと思います。
『サイバーセキュリティ専門家のニーズ増大に考える、スキルアップと技能伝承の工夫とビジネスチャンス』
⇒高度なスキル人材の確保と育成、既存の知見の共有などにおいて、自社に必要な人材の確保に加え、自社の持つスキルなどの知的資産の活用もビジネスチャンスの検討で有効性を増すものと考える次第です。
また、厚生労働省のものづくり白書(令和2年度版)でも、デジタル化が人材に求められる条件に及ぼす影響と、その対応においてもeラーニングなどのIT技術を活用している事例などが採り上げられています。
令和2年度ものづくり白書(概要版)はこちら
知的資産経営の視点からも、自社の将来像に必要な人材の条件にデジタル化が与える影響と、そのような人材を社内外から確保するためのデジタル技術の活用の両面から、知的資産(人的資産、構造資産)の獲得や活用のロードマップを、経営デザインシートなども利用しつつ描いてみることをお勧めする次第です
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2.自社の強みを人材と仕組みの双方から可視化(明確化)し、共有と蓄積・活用へと進むることをお勧めする次第です。