味を伝えるTVや体温測定できるスマートウォッチ技術にみる「五感」利用の広がり

【今日のポイント】

味覚を伝えるTV」や「体温を測るアップルウォッチの特許」など、視覚・聴覚以外も含めた五感に関する技術開発の話題は大変エキサイティングなものがあります。

メタバースなどの仮想現実も含めて、五感全体に渡る情報のインプットとアウトプットは、幅広い分野で新しい用途・価値を生み出すものと、自社事業とも結びつけてウォッチしておくことをお勧めする次第です。

 

【目次】
1.【総合数理学部】宮下芳明教授がWISS2021で 最優秀発表賞(一般)を受賞
2.Apple WatchやAirPodsなどに搭載する体温測定センサーの特許出願
3.新型コロナによる非接触ニーズで五感の遠隔伝達や再現に関する技術の実現化が進む
4.「五感」の入口と伝え方を広げることで新規市場を開拓する

 

1.【総合数理学部】宮下芳明教授がWISS2021で 最優秀発表賞(一般)を受賞

2021/12/24の明治大学 総合数理学部のサイトに表記のニュースが掲載されていました。

https://www.meiji.ac.jp/ims/news/2021/6t5h7p00003do584.html
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同じ。)

『総合数理学部先端メディアサイエンス学科の宮下芳明教授による発表「液体噴霧混合式の味ディスプレイの試作」が、2021年12月8-10日に行われた第29回インタラクティブシステムとソフトウェアに関するワークショップ(WISS2021)において最優秀発表賞(一般)を受賞しました。

この賞は、学会参加者の投票によって最も優秀な発表であると選ばれた登壇発表に対して授与される賞です。』

⇒この技術は、同大学の以下のニュースや他のメディアでも採り上げられていますが、視覚・聴覚以外の五感の伝達や遠隔での再現という点で大変画期的な技術とであるとともに、その適用先についても、大きな可能性を感じ、今後の展開に期待を持って注目する次第です。

『【総合数理学部】宮下芳明教授が「Innovative Technologies 2021 Special Prize」を受賞』

2021/11/18の明治大学のプレスリリース。

https://www.meiji.ac.jp/ims/news/2021/6t5h7p00003dfr1b.html

『~感染リスクなく味を共有できる技術へ~ 「任意の味を表現できる味ディスプレイ」を 総合数理学部 宮下芳明教授が開発』

2020/4/30 明治大学プレスリリース。
https://www.meiji.ac.jp/koho/press/6t5h7p0000342664.hml

 

『なめられる画面 A lick-able screen?』
2022/1/7の1日5分ビジネス英語。

『明治大学の宮下芳明教授は、「味ディスプレイ」という装置を作成し、その名前が示すとおりに動作する。

このデバイスは、料理人やソムリエを遠隔でトレーニングするために使用できる。また、世界中のレストランの世界一流の料理を自宅の快適さから味わうこともできる。これは、現在の世界の状況を考えると、人々に受け入れられる可能性がある。』

 

 

2.Apple WatchやAirPodsなどに搭載する体温測定センサーの特許出願

2021/12/31の iPhone Mania URL:https://iphone-mania.jp/ に表記の記事が掲載されていました。

https://iphone-mania.jp/news-429976/
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同じ。)

『AppleがUSPTOに出願した特許に記されたセンサーは、体表面の温度、心拍数、気圧、気温、水分量を測定することが可能です。
このセンサーで体表面の温度を測定すれば、皮下組織の温度を推定することができるとPatently Appleは説明しています。』

⇒同記事が報じている特許(米国特許庁 USPTO)サイトはこちら
この計測分野については素人ながら、デバイスで皮膚の表面が覆われる影響や、バッテリーなどからの発熱対応などの対応技術と、体温データのヘルス関連以外も含めた今後の活用先の双方に関心を惹かれた次第です。

 

3.新型コロナによる非接触ニーズで五感の遠隔伝達や再現に関する技術の実現化が進む

上記の記事からは、「新型コロナによる非接触ニーズ五感の遠隔伝達や再現に関する技術の実現化が進む」事が予想されるかと思います。

味覚、触覚、温冷感などの視覚・聴覚以外の五感のマネジメント、更には感情や感性のマネジメントや働きかけへの流れとその適用先については、

『ソニーのREON POCKETにみる「個人の感覚のデザインから感情のデザイン」への流れ』『感覚をもつ人工皮膚の開発にみる、技能伝承など知的資産の取得・利用の変革の可能性』 などでもご紹介してきましたが、

今回の「味覚伝達」は、プロモーションなど以外にも、実際の食品を利用しない(バーチャル利用)ことによる環境問題フードロスへの対応や、味覚障害のような医療分野など大変幅広い分野に貢献する可能性を感じます。

 

ウェアラブルデバイスによる連続・リアルタイムでの体温測定は、新型コロナのような感染症だけでなく、脈拍や発汗、活動記録(運動や、スケジューラなどからの行動データ等)などの他の情報と組合せることで、メンタルヘルス、集中力など精神的な活動も含めて活用されることが予想出来ます。

また、参考記事の香りの記事のように、エンターテイメントから販促、教育などまで、インプットされる情報の種類が広がる事で、新たな活用先も、医療(社会参加など)なども含めてビジネスとしても成立する事例が増えていくものと思います。

メタ社のVRグラスなどにも早晩香りや味を再現する機能の搭載に向けて開発が進み、3Dプリンターなどの提供手段新型コロナによる非接触化オンライン化も後押しして、仮想現実とリアル双方で視覚と聴覚以外の五感の活用が進むものと考える次第です。

 

『最新のVRで“香り”と“味”の体験が可能に。仮想空間に「食」の可能性は広がるか  PRや販促に活用可能な、香りや味を変化させるVR』
2019/10/18 株式会社電通テックの記事。

『テクノロジーとデバイスの進化で、「香り」と「VR」を掛け合わせた体験ができるようになり、VRの可能性はさらに広がりました。
さらに2019年夏には、香りの影響を通じて、「味覚」にも変化を与えるVRコンテンツが発表され、大きな話題となっています。』

 

『令和2年度 特許出願技術動向調査 結果概要 触覚センシング』
2021年2月 特許庁

 

4.「五感」の入口と伝え方を広げることで新規市場を開拓する

以前に『AI搭載のIoTシューズにみる「データーの入り口」の広がりと「出口」の関係』でご紹介した、AI搭載のIoTシューズのように、新しいデータの入り口を作ることは、そのデータの分析による新しい知見とアウトプット(提供価値)につながることは、

第一次産業も含めて幅広い分野でIoTがビジネスの有り様の変化に大きな影響を及ぼしていることからも明確になっていますが、

その中、「五感」とAI、IoTを組合せることは、「モノからコトへ」や、メンタルヘルス、健康経営®、エンゲージメントマネジメントなどのキーワードにもみるように感性・美意識の重要性が高まるにつれて、非常に重要な課題となっていくと感じます。

※>「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。

 

自社の提供価値においても、「感性や感情、美意識」などに対して「五感を通じたマネジメント」を利用できないかと考えることは、
B2B、B2Cを問わず、新規市場の検討で有用な視点の一つと、活用をお勧めする次第です。

 

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当研究所として推薦するものではありませんので、他の選択肢や導入の要否含めて、自社の状況に応じてご検討いただければ、大変幸いに存じます。

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