社内外の「未利用資源」の探し方と活用
【今日のポイント】
新規事業や事業拡大、生産性向上などを図る上で、社内外や市場の「未利用資源」を見つけて活用することは定番の方法の一つですが、
日々の業務を続けながら実際に行うのは中々難しいとも感じています。
本記事がこの未利用資源の探し方と活用のヒントになれば幸に存じます。
【目次】
一口に「未利用資源」と言っても、いろいろな場所にあり、かつ利用する人や企業や状況によっても変化するので、一概に何が未利用なのか、また利用できるのかを判断することは中々難しいかと思いますが、
以下の記事に見るように、市場あるいは、社会に眠る未利用の資産・資源の活用は、新しい価値を社会に提供するという点で、検討に値する事業企画の方法の一つと考える次第です。
● 「敷金を成長資金に。プロジェクト」本格始動!
2022/7/14に、株式会社日商保は表記のプレスリリースを公表しました。
https://jpcpg.co.jp/news/pr-shikikinfree/
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同じ。)
『日本中で、推計約5兆円もの金額が預託されているオフィス敷金。
本プロジェクトでは、オフィスオーナーと共同で、敷金ゼロ円の「敷金フリーオフィス」を全国に展開し、3年で5,000件の導入を目指します。これにより、推計約625億円もの預託敷金が解消され、スタートアップ・中小企業の事業への投資資金として活用されるとみています。』
⇒以前のブログトピックス『ショート動画と音声メディアにみる、ユーザーの時間市場のレッドオーシャン化と新規サービスの誕生』https://wp.me/p9D2bS-1ZA で採り上げた「ユーザーの未利用の時間帯」と同じく、
顧客の未利用資源の活用は、社会課題解決や新規ビジネスで外せない視点と改めて感じる次第です。
上記の顧客や市場の未利用資源に加えて、
自社の中にある未利用資源、特に人材や知見・技術、社内文化、ブランドなどの目に見えにくい「知的資産」の中に、未利用、あるいは他の活用方法を見つけることも、新商品開発や新規事業の創出においては重要な視点となります。
加えて、以下の記事にみるように、自社に足りない経営資源が、社外にはあり、かつ十分には利用されていないこともありますので、そのような未利用資源をマッチングも含めて提供するサービスなどについても、アンテナを張っておくことは有効と考える次第です。
● 社員より「社員らしい」デザイナーを定額で!デザイン経営推進サービス「Desinare」の提供を開始いたしました
~採用・労務・育成コストをかけずに高品質なデザインにコミットするチームが手に入る~
2022/7/12に、デジタルエージェンシー ネクスキャット株式会社は表記のプレスリリースを公表しました(PRTIMES_JPより)。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000099819.html
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)
『ブランドを構築するためには、専門知識・スキルを持ったデザイン組織が必要であり、人材を採用・雇用・育成する為のコストや労力が発生します。
我々はこの体制構築のハードルがデザイン経営推進の大きな障壁となっていると考え、デザイン組織のリソースを定額でシェアするサービス「デジナレ」へと着想しました。
商品・サービスのブランドを構築する為には、事業理解が大切です。そのため、担当ディレクターが窓口となり、中長期目線でお客様のブランド構築を支援します。』
⇒デザイン経営にかぎらず、専門家の社内雇用と外注の中間的な利用方法としても参考になると感じます。
また、知的資産経営における人的資産と関係資産の双方の特長を持つ知的資産の提供方法、利用方法と捉える事もできるかと考える次第です。
また、『AI・IoT活用のヒントとなる切口〉AI・IoT×混雑解消』https://wp.me/p9D2bS-Zw などでも採り上げている「施設の空き情報の活用」などは、自社の施設・設備の有効活用であると同時に、他社の未利用資源の発見にも使えるものと、検討をお勧めする次第です。
上記のように、市場や社内外には、未利用の資源が探せば見つかり、新規事業や現在の事業の市場拡大に役立てる事が期待できますが、
「どうやって探すのか?」は、未利用なだけに難しく、日頃の業務内で見つける機会は決して多くはないかと思います。
今までの事業・業務の中に活用しきれていないものや、実は現在の事業では必須のものではなかったり今より少ない量で十分だったりなど、省略や節約して他のものに使える余裕があるものを「未利用資源」として探す場合に、
よく「常識や慣行を疑え」といいますが、それ自体が難しいと私自身も思いますし、そう感じる方も多いのではないかと想像しています。
さらに、現在利用している事業では必須の資源だとしても、今後の環境変化の中では必須でなくなったり、現在は使っていない資源が環境変化への対応のために必要となったりすることもよく見かけますし、この傾向は今後更に強まる事が考えられます。
ここで、未利用資源の探し方の一つとしては、
今までのトピックスでお伝えしている、経営デザインシート等による「将来の提供価値からの逆算で現在の課題を検討すること」が、上記の「現在の常識や慣行を見直す」上では有効となります。
また、アンテナの張り方としては、現在の事業領域よりも広い範囲、あるいは少し離れた範囲に編みを掛ける方法があります。
以下の記事のように、特許情報などの公開情報や、カオスマップのように、自社が属する業界を包含する広い事業・産業分野について、俯瞰的な情報を時間軸に沿って利用することも、アンテナの張り方の一つとして利用検討をお勧めする次第です。
● グラント・特許・論文におけるキーワード出現頻度からみた「メタバース」、すでに基礎研究段階は過ぎ、社会実装段階へシフト
2022/7/14に、アスタミューゼ株式会社は表記のプレスリリースを公表しました。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000241.000007141.html
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同じ。)
『自社のイノベーションデータベースの解析から、メタバースに関わるさまざまな注目キーワード(decentralized, cyber-physical 等)の出現頻度が急速に増加傾向にあり、あわせてデータ種別ごとの統計分析からメタバースの分野が基礎研究段階から社会実装段階へとシフトしつつあること、さらに萌芽領域においては深掘り研究が進んでいることを明らかにしました。その分析内容と結果について今回ご報告します。』
⇒同社の上記分析に用いた解析手法の概要のサイトはこちら(2022/3/16の同社プレスリリース)。
https://www.astamuse.co.jp/news/2022/0316/
定量的な分析も交えたメタバースの未来予測は、ネットとリアル双方の今後の関わり方など、色々な示唆を与えてくれると感じた次第です。
また、特許情報のマーケティングなどへの利用については、以下のトピックスもご参考になれば幸いに存じます。
『特許情報活用にみる技術と市場の双方からの俯瞰』
https://wp.me/p9D2bS-E2
● 【介護DX】介護ICT・IoTカオスマップ2022を公開しました
~介護業界における業務効率化のIT主要メーカーを分類したカオスマップ~
2022/7/12のNEWSCASTサイトに表記の記事が掲載されていました。
https://newscast.jp/news/2830654
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)
『医療・介護・福祉分野におけるICT関連の情報を発信する”つながる介護”は、昨年に引き続き日本国内のICT・IoTサービスを分類し「介護ICT・IoTカオスマップ 」として取りまとめ公開しました。』
⇒上記のカオスマップを公開している「つながる介護さっぽろ」のサイトはこちら。
https://tsunagarukaigo.wixsite.com/mysite/home
技術革新や新サービス提供・導入などの変化が激しい分野では、このような全体俯瞰を継続的に行う重要性を感じる次第です。
なお、情報収取一般については、以下のブログトピックスもご参考になれば幸に存じます。
『私の情報収集方法(情報源)のご紹介』
https://wp.me/p9D2bS-pX
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