DXの活用による「三方良し」実現への取り組みのヒント

【今日のポイント】
DXの活用例は、大手企業を中心に行政や中小企業まで広がりつつあり、それを支援する動きもまた進み始めています。

このようなDXが関連する分野での「三方良し」をDXの導入側に立つ場合でも意識することは、事業や成長の機会を見つける上で検討の価値が有るものと考える次第です。

【目次】

1.介護などにおける、「支援する人を支援する」取り組み
2.悩み事を持つ当事者同士を結びつける取り組み
3.「支援するヒトを支援する」、「悩みを持つヒト同士を結びつける」ことで「三方良し」を実現する

1.介護などにおける、「支援する人を支援する」取り組み

パンデミックや新型コロナなどにより、介護や医療の分野における支援者側も大きな悩みや課題を抱えていることが各種記事で報道されていますが、以下の記事にもみるように、ICTを用いた生産性向上により解決を図る取り組みも進められていることが窺えます。

 

● 介護保険最新情報のVol.1089
介護現場における生産性向上の取組、ICT の導入促進に向けた資料について(情報提供)

2022/7/20に厚生労働省は、表記の情報を公表しました。

https://www.mhlw.go.jp/content/000966299.pdf
(引用は『』でくくります。太字改行は筆者挿入。以下同じ。)

『1 介護現場における生産性向上の取組を促進させるための資料
掲載場所 https://www.mhlw.go.jp/stf/kaigo-seisansei.html

(1)生産性向上の取組を促進するためのツールの開発・改善
令和元年度に作成したツールの見直しを行うとともに、新たなツールを開発しました。
(中略)

(2)生産性向上ガイドライン(居宅サービス分)の改訂
 (1)に伴い、居宅系サービス分の生産性向上に資するガイドラインを改訂しました。

(3)介護分野における生産性向上の支援・促進のスキルについて
生産性向上の取組を円滑に進めるため、対話を促し、コミュニケーションを円滑に進めるプロセスを支援する「ファシリテーション」に着目し、プロジェクトや日々の業務の改善活動を推進していくスキルについて紹介しています。

(4)介護分野における生産性向上の取組事例の紹介
過去のモデル事業等を通じて生産性向上の取組を行った事業所の取組事例を紹介しています。

2 ICT の導入を促進させるための資料
掲載場所 https://www.mhlw.go.jp/stf/kaigo-ict.html

介護職員の今後の人材不足の見通しに対して、生産性向上が不可欠との認識による取り組みですが、業務状況、課題、施策の効果測定などの可視化・把握の重要性業界内の先行的な取り組み事例の共有など、
介護分野以外における業界としての生産性向上の取組としても参考になるかと感じた次第です。

 

● 中小企業におけるフリーランス(外部人材)活用・連携について

2022/7/22に、九州経済産業局は表記の施策説明を公表しました。

https://www.kyushu.meti.go.jp/seisaku/chusho/freelance_alignment.html
(引用は『』でくくります。太字改行は筆者挿入。以下同じ。)

『近年、中小企業の新事業展開、業務効率化、ECなどによる販路開拓、社内DX(IT)化など、報酬や拘束時間の面で従業員としては獲得難易度の高いプロフェッショナル人材に業務に関わってもらうために、フリーランスなどの外部人材への業務委託が広がっています。

 このような企業によるフリーランスなどの外部(副業・兼業)人材活用に関して、企業における人材の探し方から契約までの手順(ガイダンス)や、実際に活用された企業の事例などを紹介いたします。

 また、日頃、中小・小規模事業者から経営相談を受けられている商工会議所・商工会などの支援機関が、外部人材活用の支援を行われる際のポイントについてもご紹介いたします。』

関東経済産業局の外部人材活用ガイダンスなど、他局の取り組みも含めて紹介していますが、紹介されている人材パッケージプログラムのように、直接支援を受ける企業だけでなく、人材採用の支援を行う機関も視野に入れた個別の施策をいかに組み合わせるか標準化とカスタマイズの双方の両立という点からも重要な課題と感じた次第です。

 

2.悩み事を持つ当事者同士を結びつける取り組み

悩みやニーズを持つ者同士を結びつける、いわゆるマッチングサービスの提供は以前から行われていますが、
このサービス分野でもデジタル化デザイン経営などが、サービスの手段としても、人材などの新たなニーズとしても多くの影響を及ぼしていることが以下の記事からも窺えるかと思います。

 

● 有名タレントの肖像ライセンス『Skettt(スケット)』が、東京都中小企業振興公社より「事業の可能性あり」と正式評価を授与
通過率約20%の東京都中小企業振興公社「事業可能性評価事業」にて評価委員より正式評価を授与。販路開拓のサポート・提携金融機関の紹介等、成長加速に必要な継続的支援を今後3年間受けられることが決定

2022/7/21に、株式会社Wunderbarは表記のプレスリリースを公表しました(PRTIMES_JPより)

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000037.000082736.html
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同じ。)

『『知名度の高いタレントを自社の広告に起用することの効果が大きいことは理解していても、その予算や広告作成ノウハウが不足しているため実現できない企業は数多いと推測されます。
一方で、タレントの人気は長続きしないことも多く、タレント本人やそのプロダクションでは新たな商談を模索しています。』

複数の悩みをDXを用いて繋げることで解決するという、「DXによる三方良し(自分、顧客、社会(世間)の3者ともに恩恵を受ける)」の事例として、自社の新規事業や現在持つ課題の解決のヒントになるものと考える次第です。

 

● 社員より「社員らしい」デザイナーを定額で!デザイン経営推進サービス「Desinare」の提供を開始いたしました
~採用・労務・育成コストをかけずに高品質なデザインにコミットするチームが手に入る~

2022/7/12に、デジタルエージェンシー ネクスキャット株式会社は表記のプレスリリースを公表しました(PRTIMES_JPより)

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000099819.html
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)

『ブランドを構築するためには、専門知識・スキルを持ったデザイン組織が必要であり、人材を採用・雇用・育成する為のコストや労力が発生します。
我々はこの体制構築のハードルがデザイン経営推進の大きな障壁となっていると考え、デザイン組織のリソースを定額でシェアするサービス「デジナレ」へと着想しました。
商品・サービスのブランドを構築する為には、事業理解が大切です。そのため、担当ディレクターが窓口となり、中長期目線でお客様のブランド構築を支援します。』

⇒先日のトピックス『社内外の「未利用資源」の探し方と活用』 https://wp.me/p9D2bS-29s では、専門家の社内雇用と外注の中間的な利用方法や、知的資産の人的資産と関係資産双方にまたがる活用方法としてご紹介しましたが、

本記事に記載の通り、ブランド構築において人材不足に悩む企業と、自分の持つスキルの活用先を探すデザイナーという「悩み事を持つヒト」同士を結びつけるマッチングによる支援の事例でもあり、
1.で紹介したフリーランスの活用と同様に、SNS活用な社内DXの推進などの新たなニーズが生まれ、そこに新たなマッチングによる当事者の課題解決支援の機会も生まれている事が窺えます。

 

3.「支援するヒトを支援する」、「悩みを持つヒト同士を結びつける」ことで「三方良し」を実現する

上記に記載してきましたように、人材不足やオンライン化、デジタル化などによる産業構造や企業環境の変化への対応において、
一企業だけで対応することは大変困難であり、専門スキルを持つ人材や企業の支援は必須となりつつあります。

 

ここで、自社がその支援を受ける側に回る事も多いかと思いますが、
それは、「ユーザーとしての知見」を持っていることでもあり、「悩みを持つユーザー側の知見を蓄積する機会」ともなります。

また、AIやIoT等と同様にDXもカスタマイズは必要ですが、それを使って解決したい悩みには他企業や他業界にも共通点は多くあり、だからこそ、AIなどは産業を超えて大きな影響を及ぼしているわけですので、

自社がDXに関連して持つ悩みごとやその解決は、顧客や取引先の悩み事の解決の支援にも役立てられる可能性を持っているかと思います。

 

また、自社の事業や従業員の持つ悩み事を支援してくれる方がいれば、その方が持つ課題というのも、支援を受ける側だからこそ分かる部分もあるかと思います。

「支援するヒトを支援する」「悩みを持つヒト同士を結びつける」という視点に、「DXがニーズ側、シーズ側に及ぼす影響」の視点を加えて、自社にとっての「三方良し」の実現を検討することもまた今後は有効性を増すものと考える次第です。

 

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