アナログレコードの復権にみる、シェアリングの流れと顧客のTPO・ニーズの変化の捉え方

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【今日のポイント】

米国ではレコートがCD等に対して復権しているとのこと。そこには高品質のニーズとともに、シェアリングへのニーズも背景にあることが予想されます。

他社・他業界の事例から、シェアリングやテレワークなどの社会の変化が顧客のTPO・ニーズに及ぼす影響を押さえて、自社の打ち手を検討・実施し、知的財産などで競争力を確保する重要性が高まっていると考える次第です。

 

● 米国市場でCDよりもよく売れるレコード盤 Vinyl records sell more than CDs in the US market

2020/09/23の1日5分ビジネス英語に表記のトピックスが掲載されていました。

同トピックスでは、CDとレコードの音質および見た目の違いから、レコード復権の理由を推測していますが、音の品質やデザインなどの重要性も窺えると感じた次第です。

 

 

● シェアリングがリアルコンテンツの世界にも広がる

今回の記事や、以前のシェアリングに関するブログトピックス

『シェア型農業にみるAI・IoTが牽引する新しい集中と分散型ライフスタイル』
でご紹介した農業や、

『シェアキッチンの解説記事にみる「ニーズ分解」による具体的打ち手の検討方法』
のキッチンなどの事例からは、

「シェアリングがリアルコンテンツの世界にも広がる」様子が窺えるかと思います。

今回ご紹介したトピックスでは、『富士フイルムのモノクロフィルム復活にみるアナログとデジタルの切磋琢磨』でご紹介した事例のように、ユーザー側の品質対する要求レベルの高まりをレコード復活の理由として挙げていますが、

それに加えて、CDやレコードの場合には、友人や貸し借りが出来るのに対して、有料のデジタル音楽の場合は、一部のサービスを除くと、他者との共有は難しいかと思います。

また、私はビジネス書や健康に関するを、Kindleでよく買いますが、これも他の人に紹介することはできても、貸し借りは難しく、特に家族とシェアしたい書籍は、紙の本を買っています。

 

「所有から利用へ」の流れと、「所有からシェアリング=共有へ」の流れの間で、レコードや紙の書籍などのリアルコンテンツが見直されてきているのではないか、

そして、以下の記事の様に、現在は新型コロナ下で図書館の利用などは難しくなっていますが、今後はコロナ対策が進んで、リアルコンテンツの共有の機会も広がるのではないかと考えた次第です。

『新型コロナウィルス感染症への図書館の対応事例』
2020/7/8の日本図書館協会の記事。

『新型コロナウイルス影響下の図書館:再開に向けた取組(2020-05-29)』
2020/5/29の未来の図書館 研究所の記事。

⇒各国の図書館の新型コロナ対応ガイドラインの概要の表が掲載されています。

 

 

● 社会の動向に関連づけて、顧客のTPOの変化を把握・予想する

以下の記事にもみるように、社会の動向に関連付けて、他社や他業界の事例を見ながら、自社の顧客のTPOの変化の実態を把握し、将来予測をすることは、事業において先手を打つためにも必要性が増していると感じます。

・ブリヂストン、付加価値創造と生産性向上を両立する新しい働き方の実現に向け、オフィス拠点を統合・再編

2020/10/19の株式会社ブリヂストンのプレスリリース。

(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)

『働き方の変革を通じた付加価値創造と生産性向上、及び経営資源の効率的・効果的活用を実現するため、当社及び当社グループ会社のオフィス拠点を統合・再編することを決定しました。

2020年11月以降順次統合・再編を進め、2021年1月までに47の主要なオフィス拠点※1を34拠点に集約します。また、サテライトオフィスの拡充やフリーアドレス化の拡大、テレワーク制度の改定などを合わせて推進することで、社員の多様な働き方をサポートします。』

⇒すでに指摘されていることですが、在宅勤務やオフィス統合は、例えば周囲のレストランなど、そこで働いている人々を顧客とする企業などにも大きな影響を及ぼしています。

自社だけでなく、取引先のオフィス再編やテレワークの動向にもアンテナを貼る必要性が増している事が窺えます。

 

上記のように、環境問題等からのシェアリングの流れ、新型コロナ対応によるのテレワーク促進の流れからのオフィス再編の流れなどから社会の変化の予兆を掴み、そこから顧客のTPOやニーズの変化を読み取ることは、非常に重要となっていますが、

その際には、今まで以上に顧客に寄り添うことの重要性を改めて感じる次第です。

 

そして、社会と顧客のTPOの変化を想定した上で、新商品に必要な技術開発の投資を行い、他社に先んじて特許などの知的財産権を取る事で、新たな競争力や新規市場参入の機会を得る事が出来るものと考える次第です。

 

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