〜5/19まで: クリムト展・東寺展・ル・コルビジェ展にみる美術館のマルチメディア・マーケティング

美術館 博物館

【今日のポイント】

このGW中に3つの美術館・博物館で美術展(クリムト展、東寺展、ル・コルビュジエ展)を楽しみました。

西洋美術、日本の仏教美術、西洋建築とジャンルも異なっていますが、各美術館のコンテンツの提供方法や複数メディアを使ったプロモーションなど、マーケティングの視点からもいろいろな気付きを得たのでお話したいと思います。

 

GW中の美術鑑賞

大型連休の2019年のGWもあと僅か。

皆さんはいかがお過ごしでしょうか?

私はこの連休中に、上野の3つの美術館・博物館に行ってきました。

3つの美術展とも大変見ごたえがあって楽しめましたが、その際に、それぞれの美術館や博物館をマーケティングやサービスの観点からみてなるほどと思うところがあったのでお話したいと思います。

クリムト展の原寸大の壁画複製にみる「臨場感の演出」

1つ目は、東京都美術館で開催されている「クリムト展 ウィーンと日本 1900です。
今回の展示会のポスターにもなっている、「ユディトⅠ」や初来日の「女の三世代」など、どの作品もそれぞれ楽しめましたが、その中でも、

「ベートーヴェン・フリーズ」(ベートーヴェンの第9をモチーフにした作品)の原寸大壁画の複製は、非常に臨場感がありました。周りの絵画が本物なだけに、逆に複製でもこれだけの臨場感が出せるという点が印象に残りました。

このように、原寸大での再現による「臨場感の演出」は、美術展に限らず、モデル住宅などにも通じるものがありますが、

原寸大の複製と一緒にその壁画が描かれている建物の模型や、動画による解説などとの組み合わせにより、更に観客へアピールする演出に仕上がっていると感じます。

 

東寺展の音声ガイドにみる「詳細説明と混雑の低減の価値」

3つの展示会で一番混雑していたのが、東京国立博物館で開催されている「国宝 東寺-空海と仏像曼荼羅」https://toji2019.jp/でした。

ここでも、「後七日御修法(ごしちにちみしほ)」と呼ばれる真言密教の儀式の道場を、実際に使われている仏具や仏画も用いて再現しており、前述のクリムト展の複製壁画の演出と通じるものを感じました。

後述する、本物の仏像が描く立体曼荼羅も見事でしたが、混雑の中で利用した音声ガイド上で主要な展示の説明と並んで、ガイド機に解説画像を出すことで、音声以上に詳細な説明を提供していることと、展示物についている解説文を見る必要が無くなることで、若干離れたところからも鑑賞が可能となり、混雑解消にも役立っているものと思いました。

最近は、音声ガイドに画像も出すことはそれほど珍しくありませんが、博物館のようなところでは、音声+画像による解説は特に効果があるかと思います。

以前、東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館東京ステーションギャラリーで、スマートフォン上に解説音声を送るサービスを見たことがありますが、有償で貸し出す音声ガイドとは異なる課金方法(有料会員向けのサイト設置など)で、動画を含む解説コンテンツを提供することも今後は増えてくるのではないかと予想しています。

このような形で説明を行うことによる混雑解消、あるいは混雑による不満を低減する方法は、店舗や病院などでの待ち時間の解消などにも応用できますね(スマートフォンに、待ち時間や受付準備ができたことをメールなどでお知らせするサービスは既にビックカメラのパソコン修理サービスなどで行われています)。

ル・コルビジェ展の展示館との融合にみる「リアルの迫力」

同じ上野の国立西洋美術館では、同美術館開館60周年記念として、同館を設計したル・コルビジェの絵画と設計した建築物の模型などを展示した「ル・コルビュジエ 絵画から建築へピュリスムの時代」展を開催しています。

こちらの方は、芸術家が実際に設計した美術館の中で、彼の作品を見るという「リアルの迫力」といったものを感じさせられました。

同じような印象は、前述の東寺展の本物の仏像が描く立体曼荼羅からも受けましたが、原寸大の複製とはまた異なる「実物から受ける印象」を最大限に活用した演出かと思います。

複合メディアによるコンテンツ提供とマーケティング

美術館や博物館の中で展示物に加えてその解説画像や拡大図(あるいは縮小した全体図)を同時に提供することや、Web上の特設サイト、TV番組とのタイアップなどはかなり普及していることは、今回の美術展のホームページなどを見ても窺えるところかと思います。

(東寺展では、以下のように、「帝釈天騎象像 搬出映像」を特設サイトに掲載するなど、展示会準備も含めてコンテンツ化しています。出典:東寺展特設サイト)

このように、XR、音声ガイドなど複数のメディアを通じたコンテンツの提供や、ネットを利用した情報発信によるマーケティングなどが、美術展の世界でも当然のように進んでいることを改めて感じた連休でした。

クリムト展は2019年7月10日まで、東寺展は6月2日まで、ル・コルビジェ展は5月19日までの開催となっていますので、ご覧になってみてはいかがでしょうか?

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