最近の自宅利用のガジェットや健康志向にみる「在宅時間」市場の競争
【今日のポイント】
オミクロン株の流行やテレワークの推進により、自宅で過ごす時間が増えています。
従来屋外などの自宅外で満たしていたニーズの自宅への取り込みも含めて、「在宅時間」という市場の競争に備えるため、自社の提供価値を上位概念で捉えて、異業種含めて市場動向の把握を行うことが必要と考える次第です。
【目次】
1.2021年のテクノロジーの「必需品」とは Tech ‘must-haves’ of 2021
2.[意識調査]「香りの空間演出」が施設・店舗への来店意欲にもたらす影響について
3.在宅時間(自宅で過ごす時間)と言う市場での新商品、サービス競争が激化しつつある
1.2021年のテクノロジーの「必需品」とは Tech ‘must-haves’ of 2021
2022/2/3の1日5分ビジネス英語に表記の記事が掲載されていました。
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同じ。)
『今は生産性向上のため、あるいはレジャーのために使われる新しいガジェットやアプリが、人々を夢中にさせているようです。』
同記事では、スマートロック、室内ジム用バイク、部屋の中で容易にものを探せるボタン型装置などを紹介しています。
屋内、特に自宅で快適に過ごすためのガジェットやサービスが広がっていることが窺えるかと思います。
2.[意識調査]「香りの空間演出」が施設・店舗への来店意欲にもたらす影響について
2022/1/27にアロマ製品の開発から香りのある空間のプロデュースまでをトータルに提供するアットアロマ株式会社は表記のプレスリリースを公表しました。
『<調査結果のまとめ>
1.香りの空間演出については、
施設・店舗に対する印象や、再来店への意欲に対して良い影響を与えるという結果が得られました。「香りの空間演出」がある場合、
・その施設・店舗に好意的な印象を持つ 93.8%
・「高級感がある」「清潔感がある」と感じる 61.2%「香りの空間演出」がある場合、
・その施設・店舗にまた行ってみたいと思う 87.6%2.新型コロナウイルス流行下におけるアロマの利用については、
おうち時間の増加やテレワークの普及などにより、個人のアロマ利用が増加傾向にあることが分かりました。』
調査結果の詳細はこちら
⇒同社は自社紹介サイト (https://www.at-aroma.com/about/)で、
『世界最高水準のデザインクオリティで、アロマ製品の開発から香りのある空間のプロデュースまでをトータルに提供しています。』
と語っています。
香りは「うなぎの蒲焼」のように昔から、プロモーションに利用されてきましたが、
顧客向けのマーケティングだけでなく、脳や心と生産性(集中力など)の関係が注目されている中、脳や心への影響の大きい香りも生産性等の面での活用が、同社も述べているような、空間全体のデザインの一部としても進む可能性を感じた次第です。
また、1日5分ビジネス英語では2022/2/2に音楽と健康に関する以下の記事を掲載しています。
『好きな音楽を聴くと脳の柔軟性が高まる Listening to favorite music improves brain flexibility』
『軽度認知障害や初期アルツハイマーの人は、自分の音楽を何度も聴くことで効果が得られると、トロント大学の研究者が発表しました。』
上記の記事や、以下の参考記事からは、
「AIやデジタルツインにより、脳と心と身体の関係に関する研究が進み、その成果の商業化も加速されて行く」様子が窺えると感じます。
脳内ホルモンのセロトニンを活性化する方法として、朝日を浴びる、リズム運動、咀嚼の3つが有効との記事を最近目にしますが、音楽を聞くのもリズム運動と同様の効果が期待できるようです。
この様な知見を得る上で、アクティブMRIなどの計測技術やAIによる分析技術は大きく貢献をしているものと思います。
実際に症例を集めるような大規模かつ長期間の研究に加えて、
デジタルツインによる仮想現実・シミュレーションなどの活用により、さらに脳と健康の関係の知見の蓄積が進み、それによって健康寿命の伸長や集中力アップ、生産性向上や独創性の向上などの応用側の商業化もまた加速するものと期待を込めて予想する次第です。
『認知症の人への音楽療法』
独立行政法人国立病院機構 京都医療センターのHPの記事。
https://kyoto.hosp.go.jp/html/guide/medicalinfo/neurology/music.html
『ヒューマン・デジタルツイン~「人間のコピー」がもたらすビジネス変革~』
株式会社NTTデータ経営研究所 No.67(2021年6月号)の記事。
(以下の、株式会社NTTデータ経営研究所のTOPサイトより、「TOP>ナレッジ>情報未来>バックナンバーはこちらから」から)
https://www.nttdata-strategy.com/
3.在宅時間(自宅で過ごす時間)と言う市場での新商品、サービス競争が激化しつつある
上記の記事などからは、
「自宅で過ごす時間と言う市場での新商品、サービス競争が激化しつつある」様子が窺えると思います。
以前は通勤時間と言う市場を雑誌やスマホが取り合い、
現在、スマホの利用時間と言う市場でアプリ同士が競争している様に、
自宅で過ごす時間という市場に、ジムなどの自宅外の屋内や自転車の様な屋外で満たされていたニーズ、さらにオフィスの様な職場の機能のニーズが入ってくる事で、
従来自宅で行われていた家事などについても、使える時間の関係から短縮やデリバリーの様な代替手段のニーズが高まり、新技術の導入も手伝って更に数多くのプレーヤーが競争を繰り広げて行くことものと考ています。
なお、上記はB2Cにおける市場競争に関するお話ですが、
B2Bにおいても、新型コロナやオンライン化により、顧客が使う時間とその対象(事業プロセス)などの変化に注目することで、自社の既存の市場や将来の市場における競合の想定の精度を上げることが期待できます。
「在宅時間」という市場の競争に備えるため、自社の提供価値を上位概念で捉えて、価値を提供する場所(顧客がその価値を享受する場所)の範囲を広げ、異業種含めて市場動向の把握を行うことが必要と考える次第です。
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