トイレットペーパー型ケーキの好評にみる、「事実の解釈」のスキルの重要性と向上支援サービスのビジネスチャンス
【今日のポイント】
トイレットペーパー騒ぎは大分収束してきましたが、商品不足を逆に利用したケーキ屋さんのアイデアがフィンランドやドイツなどで出てきています。
事実は同じでもその解釈によって現状の打開策が見えてくる事がありますが、その解釈力をつけるために美意識や感性を高めるニーズが高まり、感性向上支援ビジネスのチャンスも広がるものと考える次第です。
● 変なケーキで生き残るフィンランドのベーカリー
2020/4/21の1日5分ビジネス英語で表記のトピックスが掲載されていました。
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)
『ヘルシンキにあるRonttosrouvaベーカリーは、ほぼ閉店するつもりだった。
同じ頃、フィンランドではトイレットペーパーのロールの需要が高かった。
事業を救うための必死の試みで、そのベーカリーは一番上の層が甘い、オート麦バターとフルーツでできたトイレットペーパーケーキを出すことに決めた。
そのケーキの外観は、トイレットペーパーのロールの形とまったく同じである。
その作戦はすぐにうまくいき、ベーカリーは倒産を免れた。』
以下の動画を見ても、まさにトイレットペーパーですね。
このようなアイデアが成功し、雇用確保にも繋がったというのは、嬉しいニュースだと感じます。
なお、このトイレット型ケーキはドイツでも出てきたようで、マスクを付けたうさぎのチョコも販売したそうです。
『トイレ紙ケーキ人気、マスク姿のウサギチョコには批判』
2020/3/28 朝日デジタルの記事。
『新流行…?! トイレ紙形ケーキにコロナバーガー登場』
2020/3/27 AFP BB NEWSの記事。
コロナバーガーはベトナム首都ハノイにあるレストランが提供とのことです。
● 「事実の解釈の仕方」や「人々の興味を惹くものへの注目」などのスキルのがますます重要に
上記の事例からは、
「事実と意見(行動)の間の「解釈」のビジネスやメンタルヘルスにおける重要性と、その心理学面でのスキル向上関連のサポートビジネスが増加する」ことが予想できるかと思います。
人々の行動に至るフローを以下の様に分解して考えると
「事実⇒解釈⇒意見や感情⇒行動」
今回のトイレットペーパー型ケーキについては、
・トイレットペーパーが店頭に無い⇒トイレットペーパーが不足している⇒備蓄必要⇒買いだめ
と「トイレットペーパーが不足している」と解釈すれば買いだめの行動に繋がり、
・トイレットペーパーが店頭にない⇒トイレットペーパーへの関心と需要が高まっている⇒トイレットペーパー型のケーキ(商品)は注目してもらえそう⇒トイレットペーパー型のケーキ販売
と「トイレットペーパーへの関心が高まっている」と解釈すれば、その代替品や、形状を真似した商品(ケーキ)の開発につながってくるかと思います。
この「解釈」の部分は、「コップに半分入っている水」の例や、アンガーマネジメントなどのメンタル関連の手法でも重要なプロセスかと思います。
また、消費者行動のAISAS(Attention:認知:商品やサービスを知る⇒Interest:興味を持つ⇒Search:検索する⇒Action:購買行動⇒Shere:他のユーザーと共有する)の流れでみてみると、
Interestの部分で、トイレットペーパーやマスク、消毒薬等への関心が高まっているため、そういった商品に関連付けて消費者の興味を惹きつけることで、その後のSearch(検索)以後の行動に繋がっていくこと、
さらに、Attention(認知)とShere(シェア)のプロセスでのSNSやネットの活用の重要性が窺えるかと思います。
2017年の本ブログトピックス『AI・IoT時代における「感性」と「美意識」』でも、「モノ売りからコト売りへ」の流れの中で、今後も残る知的資産、価値が増す知的資産として「美意識」を捉えることの重要性についてお話しましたが、
上記のように「事実の解釈」や「他者の興味を惹くものを活用する視点」に関連して、心理学・感性面の知見やスキルを磨くことの重要性は、
アンガーマネジメント関連の書籍や、
以前の本ブログトピックス『『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか』を読んで–』でご紹介した、
「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」 (光文社新書) (日本語) 新書 」
がベストセラーになるなど、
ビジネスでもメンタルヘルスの分野でも高まって来ており、AIやオンラインなども利用してこれらのスキルの向上をサポートするサービスやビジネスもまた増加するものと予想する次第です。
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