アップルのFaceTimeのAndroid対応に考える自社の強みとその変化の捉え方
【今日のポイント】
アップルのFaceTimeをAndroido携帯にも対応させるという発表は、賛否料両論があようですが、自社の現在の強みと、今後さらに加速することが予想される自社が必要とする強みの変化を考え、対応するために他社の強みなどとも組み合わせていく上で、DX関連での動きを先行例として、経営デザインシートなどで自社事業の場合に当てはめてみることを、一つの方法としてお勧めする次第です。
【目次】
1.アップルがFaceTimeをAndroidスマホにも対応予定
2.自社の強みとその変化
3.自社の強みと他社の強みの組み合わせ方
4.テレワーク・副業など働き方の変化やオンライン化による環境変化が新しい強みの組み合わせを広げる可能性
1.アップルがFaceTimeをAndroidスマホにも対応予定
2021/6/8に、アップルは以下のプレスリリースを公表しました。
『iOS 15が、つながりを保つ新しい方法や、デバイス上の知能を使い、ユーザーの集中を助けたり、探索したり、さらにいろいろなことができるパワフルな機能を提供』
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)
『Apple製デバイス以外でもFaceTime通話が可能になりました。
iPhone、iPad、Macでリンクを作成して、メッセージ、カレンダー、メール、他社製アプリケーションで共有できるようになったため、AndroidデバイスやWindowsデバイスのウェブブラウザから、誰でもFaceTime通話に参加できます3。』
⇒同リリースでは、FaceTimeで一緒に音楽を聞いたり、動画等を同期して鑑賞するなど、リモートで、体験を共有できる機能を強化していると報じています。
アップルのキラーコンテンツとは何か(iPhoneなどの機器のデザインか、各種アプリか、ユーザーデータを活用したヘルスケアなどのサービスか)、他社との差別化要因は何かを考えさせられる事例と感じた次第です。
自社の強みを考える際に、他者との差別化(自社ならでは)という視点は非常に重要ですが、その強みは、顧客や取引先など、ステークホルダーが価値を感じるものにおける強みであることが必要なことは、言うまでもないかと思います。
従って、よく言われるように、市場や顧客の求める価値が、現在の新型コロナや環境問題等の影響も受けつつ変化する場合は、自社の強みも変化を求められるため、
社会の変化⇒顧客や取引先等の環境の変化⇒顧客等のニーズ(求める価値)の変化⇒自社の提供価値の変化⇒その価値を他者と差別化出来る自社の強みの変化
という流れで、自社の現在の強みとその変化を常に意識する必要性を、改めて感じた次第です。
上記のようにして把握した現在の強みと、将来必要と想定する強みをいかに取得して活用するかについては、
一つには、バリューチェーンの中での他者の強みと組み合わせの面から検討するという方法があるかと思います。
例えば、契約業務の支援サービスでいえば、契約書作成時のAI契約レビュー⇒契約内容に合意して締結する際の電子押印⇒締結した契約の期限や関連情報などの管理などの中で、自社が得意とするプロセスと今後その前後のプロセスを自社開発、あるいは他者との事業提携などでつなげて行くなどの方法が挙げられるかと思います。
また、顧客接点などのマーケティングの視点からの組み合わせとしては、自社の顧客接点を使った他社の関連サービスの提供による、自社の顧客接点のプラットフォーム化や、
自社の事業分野とのシナジーが期待できる他社の顧客接点を活用して、自社のサービスを顧客接点を持つ他社のサービスと組み合わせて提供する方法もすでに多くの分野で利用されている方法ですね。
以下の事例もその一つかと思います。
● ラクーンコマース、浜銀ファイナンスとビジネスマッチング契約を締結
2021/6/11に株式会社ラクーンコマースは表記のプレスリリースを公表しました。
『浜銀ファイナンスはアパレルや雑貨などの卸事業を展開する顧客に対して、効率的な販路や売上拡大などの支援が可能となります。
一方でラクーンコマースにとっては、スーパーデリバリーとSD exportの認知向上およびサービス利用の拡大につながると考えています。
ラクーンコマースは今後も金融機関との業務提携を進め、中小企業の営業活動の一助となるよう、サービスの提供を進めてまいります。』
⇒自社に必要な情報やコネクションを持っては誰かを探すニーズの増大と、その仲介ビジネスもオンライン化や多様化が進んでいる事が窺えます
以下のブログトピックスでもお伝えしているように、顧客接点という自社の経営資産に、事業提携などにより社内外の知的資産で付加価値を付けて、事業拡大や新規市場開拓、顧客単価の向上などを図ることも検討してはいかがかと考える次第です。
『契約レビュー企業の契約管理サービスにみる、自社の顧客接点の活用』
4.テレワーク・副業など働き方の変化やオンライン化による環境変化が新しい強みの組み合わせを広げる可能性
新型コロナ対応でオンライン化が多くの分野で進んでいますが、場所の制約が低くなると、市場拡大や提携先の選択肢の拡大の機会と競合のリスクの双方ともが増大してきます。
● 地方起業を支援!コワーキングスペース利用者の生産性を向上。C-designの業務支援サービス『cocrea』を『CoWokers』会員へ無償提供、6月8日(火)から
2021/6/8にスターティアホールディングス株式会社は表記のプレスリリースを公表しました。
『本年6月8日(火)から、業務支援プラットフォームサービス『cocrea(コクリエ)』をコワーキングスペース運営トータルサポート『CoWokers(コワーカーズ)』(運営:株式会社TeamPresso、株式会社THCコーポレーション)の会員を対象にBEGINNERプランを無償で提供することをお知らせします。』
⇒提供される業務支援プラットフォームサービスは、士業へ経営全般の相談をオンライン上で行うことができ、PCのヘルプデスクでサポートする他、共創パートナーを募集する自社PRやマッチング申請を行うことができるというものとのことです。
リモートワークや地域でのビジネス支援は、社内外とのコミュニケーションの支援と並んで、このような士業等の専門家の支援の提供も重要と考える次第です。
上記のように、地域や業界を越えて、オープンイノベーションのような他社連携、進出したい事業や市場に関する専門家の支援など、多くの課題を可視化し、社内外と共有する中で、
特に今後必要となる経営資源を、自社の強みとその活用方法の変化という視点から検討する上で、経営デザインシートは有効なツールになるものと、利用検討をお勧めする次第です。
なお、経営デザインシートの詳細については、『経営をデザインする』(知的財産戦略本部サイト)をご参照いただければ、大変幸いに存じます。
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