欧州のベジタリアンバーガーの改名規制にみる自社提供価値の定義付のヒント>上位概念で価値を再定義する

【今日のポイント】

EUの「ベジタリアンバーガー」を「ベジタリアンディスク」に名称変更させようという規制の動き。

食肉業者による食肉代替品の進出防止という思惑が背景にあるとの説も目にしますが、自社商品の提供価値を上位概念で再定義することで、ベジタリアン向け食品も自社から提供するといった選択肢が見つけられるかと思います。

そしてその定義を適切なメッセージで発信することが、新規顧客の獲得や既存顧客との関係深化にも繋がるものと考える次第です。

 

● ベジタリアンバーガーがベジタリアンディスクに改名

2019/4/11の1日5分ビジネス英語に表記のトピックスが掲載されていました。

 

EUによるベジタリアンバーガーの名称変更に関するものです。

この背景には、従来の食肉産業界が、食肉の代替品産業の市場進出に脅威と捉えていることがあるとの説も出ていますが、ベジタリアンのみならず、健康志向からときには食肉代替品を食べたいというユーザー含めて新規名称がどのように受け入れられていくのか、今後の日本市場への波及という点からも興味のあるところです。

 

そういえば、2017/12/9の1日5分ビジネス英語でも
「ベジタリアン用のステーキ」
で、オランダのベジタリアンレストランが野菜を原料にしたステーキの導入を試みていることが取り上げられていました。

ノンアルコールビールの種類が最近増えていますが(私も時々利用しています)、こういったベジタリアン以外のところでもアルコール飲料やカフェイン飲料の代替品の市場が健康志向や睡眠への関心の増大とともに増えてくる可能性を感じます。

 

● 定義とメッセージの連動がますます重要に

今回の記事からは、「定義とメッセージの連動の重要性の高まり」が予想できるかと思います

以前、『「豆腐」の定義付けの動きにみる「定義」と「メッセージ」の関係』
の中で、
豆腐などの食品、ジュース(果汁100%),アイスクリーム(乳脂肪の割合)、ビールなど、多くの食品業界が、商品の定義に心を砕いていること。また、消費者保護の観点から、公正取引委員会や消費者庁に取っても食品の定義とその表示の遵守は重大な関心事となっていることや、自社自身および自社の商品・サービスの提供価値の「定義力」の向上の必要性についてコメントしたことがありますが、

自社の提供価値を「食品自体の提供」から「その食品を食べることでお客が感じる価値」という上位概念に引き上げること、そしてその提供価値を適切に定義して、メッセージとして発信することの重要性を改めて感じました。

一方で、『豆腐の品質表示ルールに考えるビジネスチャンスを見つける方法』
でもお伝えしたように、このようなメッセージ、品質表示などを受け取る側のユーザーの商品の使い分けリテラシーの向上も求められているかと思います。

B2Bで自社がユーザー側に回る場合のリテラシー向上はもちろんのこと、自社のお客様のリテラシー向上を情報提供その他でサポートすること、更には自社商品に限らず、自社が提供している価値に関わるお客様の行動や意思決定をサポートする方法を考えることが、新しい提供価値と市場の発見につながるのではと考える次第です。

なお、先日、中小企業診断士の資格更新のために受けた、新規事業創出をテーマにした研修の中で、

バリューグラフという、商品・サービスなどの提供価値の上位概念、上位目標を探るツールとその使い方の紹介を受けました。

研修は大塚商会主催のものでしたが、以下のオージス総研の記事が分かりやすいかと思います。

『組織デザイン思考 創造ステップ(1)』

 

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