キーボード一体型のPCにみる、個々のユーザーに応じたリモートワークの環境整備と商品カスタマイズのヒント
【今日のポイント】
キーボードと一体型のPC。日本では2021年度移行に発売予定とのことですが、顧客にとって自分用に所有したいものと、共用できるものとの区分けは、商品開発におけるカスタマイズの重要な視点となります。
リモートワーク環境のように、変化が激しい分野では、このカスタマイズ化の区分けも多様化と急変化が想定され、そこにビジネスチャンスも生まれることと考える次第です。
● ラズパイ一体型キーボード「Raspberry Pi 400」登場 国内では2021年以降に発売
2020/11/2のITmediaに表記の記事が掲載されていました。
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)
『イギリスの非営利団体Raspberry Pi Foundationは11月2日(現地時間)、キーボードにマイクロコンピュータ「Raspberry Pi」を組み込んだ「Raspberry Pi 400」を発表した。』
同製品については、複数のニュースなどで取り上げられています。
Raspberry Pi 400、キーボード一体型のコンピューター Raspberry Pi 400: Computer within a keyboard
2020/11/11の1日5分ビジネス英語。
同製品の動画はこちら
確かにコンパクトで、携帯には便利と感じる一方で使い方はかなり人(あるいはTPO)を選ぶ製品との印象も受けた次第です。
● 個々人のユーザビリティに着目したリモートワークの環境整備が進む
今回の記事に掲載された製品と、スマートフォンをラップトップとして利用できるNextDock2のような製品の比較からは、
「個々人のユーザビリティに着目したリモートワークの環境整備が進む」ことが予想できるかと思います。
通信環境、サテライトオフィスなどのモニター設置環境などは、個人向け、法人向け双方で進んでいます。
その一方で、キーボードとマウスの入力装置、入力ソフトの好みや生産性(入力効率)は、モニターや通信以上に個人の慣れやクセに左右される面が大きいかと思います。
その点では、スマホをPCのCPUとして使うNEXT DOCKは、特定の個人が複数の場所やスマホとPCを使い分けるのに適しており、今回のキーボード一体型は、サテライトオフィスなど複数のユーザー向けの場所に自分の入力環境を携帯するのに適していると感じます。
今後、ユーザーのTPOに合わせたインターフェースの重視が高まり、今もあるモニター一体型や、赤外線を用いた非接触型キーボードなども含めてPCの形態の多様化と共にリモートワークの環境整備が進むものと考えています。
● 自社商品・サービスのどの部分をカスタマイズするか
持ち運びや利用環境、その環境に到達する手段などを含めて、顧客の使い方が大きく分かれる部分には、カスタマイズする価値があります。
カスタマイズする価値がある部分を特定するには、自社の現在の顧客のTPOを中心に、利用フローの前後を含めたプロセスを分解して、ユーザーの使い方について複数のケースを考え、どこはユーザーニーズが多様化しているかを考えることが必要かと思います。
そして、対象となる部分のカスタマイズをする為に必要な自社の知的資産とその調達方法を検討することで実現させて行くとともに、カスタマイズする部分を含めた、顧客のTPOやニーズへの対応について、特許や意匠などの知的財産権の取得による、競争力確保も検討していきます。
上記の様な、カスタマイズによる商品ラインアップや新商品開発、そこで必要な知的財産等の経営資産の把握と取得においては、企業の将来像や戦略と知的財産を含む知的資産の関係を可視化出来る、経営デザインシートの利用検討も併せてお勧めする次第です。
経営デザインシートの詳細については、『経営をデザインする』(知的財産戦略本部サイト)を御参照いただければ、大変幸いに存じます。