シリコンバレーの社会問題にみる企業とエコシステムの関係

● 「勝者」しか住めなくなったシリコンバレー

8月5日の日経BPオンラインに上記の記事が掲載されていました。

住宅価格の高騰によりホームレスが激増し、ビジネス上の「勝者」自身も勝者たる要件がレベルアップしている。(年収1000万円超でもサンフランシスコに住めない状況)とのことで、シリコンバレーの住宅が高騰していることは耳にしていましたが、正直これほどとは思いませんでした。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/061700004/072800211/?n_cid=nbpnbo_mlsp

 

● 貧富の差の拡大が需要の伸びにもたらす影響

こちらも、大変話題になりましたが、2017年1月15日に国際NGOのオックスファムが、世界富豪トップ8人の資産は、貧困層36億人分と同じだという試算を発表しています。
http://www.bbc.com/japanese/38633737

年々貧富の格差が拡大していることは、色々な問題を引き起こしますが(タックスヘイブン活用による税収への影響もその一つですね)、貧富の格差が社会全体の需要に及ぼす影響も見逃せません。

貧富の差が拡大すると、全体としての需要の伸びは鈍化すると言われています。
「座って半畳寝て一畳」に象徴されるように、一人あたりの消費は収入の伸びと比例しては伸びてはいきません。
いくら高級な料理でも、食べられる量に限りはありますし、数億倍の収入差に見合うだけの消費を行うことは到底無理があると容易に想像できます。

さらに、総額だけでなく、需要の裾野が広がらなければ、いずれ社会全体の需要の多様性も失われるおそれが出てきます。それはイノベーションにも影響を及ぼし、社会全体が停滞してくる可能性も出てくるかと考える次第です。

 

● ビジネスモデルを考える際のエコシステムの範囲

企業、特に中小企業の戦略としては、市場(顧客ニーズ)は絞って、そのニーズに刺さる価値創造ストーリーを構築することが必要となります。

一方で社会の一員として、自社が参加する(あるいは構築する)社員や取引先も含めたエコシステムに、自社やそのビジネスモデルがどんな影響をおよぼすのか、どのような役割を果たすべきかについては中々考える機会や余裕は無いかと思いますが、今回の記事を読んだときなどの機会を捉えて考えてみることは、逆に「勝者総取り」の社会が自社に及ぼす影響を考える上でも重要ではないでしょうか?

 

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