マネジメントシステム国際規格にみる言葉の定義の重要性
● 2015年のISO14001改訂
少し前になりますが、2015年9月に環境マネジメントシステムの
国際規格であるISO14001の大幅な改訂がありました。
https://www.jisc.go.jp/mss/ems-14001.html
中小企業でも、ISO14001やISO9001(品質管理)を取っている方達はいらっしゃいますが、
今回のISO14001の改訂のポイントは、
ISOで規定されるマネジメントシステム規格に共通的に用いられる
規格の構成を採用したことにあります。
特に、その前に策定された、エネルギーマネジメントシステムの
国際規格であるISO50001 の構成の影響で、目標達成に必要な指標を
策定し、PDCAを回すことに注力した構成になっているかと思います。
これらの国際規格でも、それぞれのマネジメント対象(環境、品質、
エネルギー効率など)に応じた指標を策定していますが、
これは、知的資産経営のKPIにも通じるものがありますね。
● PDCAを会社全体で回す前提としての言葉の定義
私もマネジメントシステム国際規格の開発に関わったことが
ありますが、
このような国際規格開発の場でまず必要とされるのが言葉の定義で、
これだけで一つの部会が作られる位に重視されています。
国際規格に限らず、同じ会社の中でも、地位やバックグラウンドが
異なると、同じ言葉を少し違う意味や範囲で使っていることがまま
ありますので注意が必要です。
特に、知的資産経営報告書を作成するなど全体の認識を合わせて
いこうとするときには、普段使っている言葉、知的資産経営の導入
に合わせて新しく入ってくる言葉の意味を会社と支援者が共有して
いることが、会社の強みや弱み、知的資産などの認識を共有するう
えで前提となりますので、いつも言葉の定義が皆同じかどうか、
確認しながら知的資産経営報告書作成などの作業を進めることが
大切だと考える次第です。