日本卸売市場のAIによる漁獲予測の成果の鍵を握るものは?
● 日本卸売市場、漁場・漁獲予測にAI導入へ 公立はこだて未来大学などと共同研究
7月6日、(株)いずみホールディングス傘下の日本卸売市場株式会社(本社:北海道札幌市)は、公立大学法人公立はこだて未来大学などとともに、A)やIoTの活用により、明日の漁場・漁獲を予測するシステムの共同研究を開始したと発表しました。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000025911.html
具体的には、「漁場予測システム」と「漁獲予測システム」の2つの研究を実施します。
「漁場予測システム」は過去から現在に至る全国の水揚げデータをAIで分析することにより漁場を予測するシステム。
「漁獲予測システム」は、IoTを活用し、定置網用の魚群探知機から得たデータをAIで分析、漁獲を予測するシステム。
とのことです。
日本卸売市場とはこだて未来大学の役割については、以下のように記載されています。
(引用は「」でくくります。 改行は筆者挿入、以下同様)
「日本卸売市場は、いずみホールディングス傘下の水産卸業の持つノウハウをとりまとめ、公立はこだて未来大学などに対し研究をおこなう為に必要な情報や物流システムを提供して、水揚げされた商品などを販売します。そして、システムで用いられるデータのうち、「定置網に設置した魚群探知機の音響データ」を元にした「漁獲予測システム」に関しては、2018年3月に精度80%、実用化を目指します。」
このシステムの実現によるメリットとして記載されているのは以下の4点です。
「①漁業者の効率的な出漁計画立案、流通事業者の計画的な仕入れ・販売による利益率の向上。
② 小型クロマグロなどの保護対象魚種の漁獲回避による資源保護。
③ 漁業者・流通事業者の経営の最適化。
④ 飲食店・量販店に対し、これまでより最大24時間早く出漁・仕入情報の提供が可能。」
● 気象データや育成状況のデータを活用するスマートアグリの次に来るもの
スマートアグリ、あるいはスマートアグリカルチャーは、既に多くの試みがなされていますが、
今回の記事は、水産業の世界でも、AI、IoTの活用が本格化してくることを窺わせるものとして、興味深く拝見しました。
日本卸売市場は、既にIT(画像)を流通に活用していることが、記事にも掲載されていますが、地上でのデータ活用を、海上(海中?)にも広げるところで、魚群探知機のデータや水揚げデータなど「既存のデータ」を大量に集めて活用するという、AIやビッグデータの活用としてはある意味王道を行くものだと感じます。
私は、水産業については全くの素人ですが、
このような事業が、目指す成果(漁業関係者の事業効率化、利益率向上、資源保護など)を挙げるうえでは、単に今までよりもスピーディーかつ精度良く予測が出来るだけではなく、それを利用して実際に流通の改善等に反映できる、つまり既存のビジネスを修正(改良)するという「変わる」スキルや体制が成否の鍵を握っているのでは無いかと想像しています。
● 今ある強みを変革できることが「強み」
今までよりも素早く、精度の高い予測が得られるようになったときに、それを利用して事業の方も素早く対応できる体制を作ることが、ビッグデータやAIの実事業での活用には重要になってくると思います。
それを行える人材(人的資産)や仕組み(構造資産)、バリューチェーン全体をビッグデータを活用して変えていくための関係者の協力(関係資産)などの知的資産を育てて、新しい強み(事業メリット、お客様への提供価値)を産み出すという知的資産経営の視点からも、今回の事業の行方には大きな関心を持つ次第です。
あなたの業界では、ビッグデータやAIを活用するときに、自分たちのビジネスをどう変えるかを大胆かつ具体的に想定されているでしょうか?
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